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リリイ・シュシュのすべて

「キリエのうた」に推しが出演するので岩井俊二監督作品を観よう第3弾。
今回は「リリイ・シュシュのすべて」を観ました。

いやー、あの暗黒中学時代がフラッシュバックしますね!
「観ると鬱になる」みたいな話は小耳に挟んでいたのですが、確かにこれは鬱になるかも…笑
でも映像と音楽が美しくて見入ってしまいましたし、面白かったです。

中学時代が楽しかった人っているんですかね?笑
それくらい私にとっても中学時代って全人生の中で一番戻りたくないかもしれないです。

それくらい嫌悪感を抱く中学時代ですが、別にいじめられてた訳ではないです。いじめてた訳でもない…傍観してたというか、何とかいじめられないようにあらゆる気を使いまくってた日々って感じですね。

リリイ・シュシュのすべてを観て、あの必死に生きてた日々を思い出しました。
ボス的存在に目をつけられないよう怯えて周りに意見合わせながら、でも「こんなの間違ってる!」って心の中で叫んでたなあ…って。
合唱コンクールの感じとかも、あの嫌な雰囲気がもの凄く伝わりました。

みんなが必死に生きてて、なんかこう強い者に巻かれまくってて、はみ出し者は速攻処罰されるあの息苦しい閉鎖的社会…
リリイ・シュシュのすべては見事に再現してますよね。凄い…。

星野も行動だけを見るととんでもない奴で許せないけど、なんかああなってしまうのも分からなくはないなって…それくらい中学校生活って生きづらいよなあって思いました。
なんかこう、蓮見も星野も、中学生みんな、エネルギー源というか、心の奥底で沸々と煮えたぎってる「パワー」みたいな共通したものを持っていて、その力がどの方向に出力されるかで「いじめっ子」と「いじめられっ子」が分かれるというか、そんな感じ。
それこそが、作中に出てくる「エーテル」なのかな…なんて思いました。

とにかく中学時代の嫌な要素がすべて詰め込まれてて、嫌だけど美しい、そんな不思議な気持ちになりました!笑
大人になった今だからこそ、面白いと思えたのかもなあ…。中学時代とか若い頃に観たら本当に鬱になってたかもしれません。
今はもう心の奥底で煮えたぎるパワーは無くなってしまったからなあ…。

そしてキャストも凄く良かった!
市原隼人ってあんなに儚くて可愛い時期があったの!?もう逞しいイメージしかなくて!笑

あとは忍成修吾も良かったな〜。中学生特有の脆さが出ていて刺さりました。かっこいい…。
蒼井優も流石って感じですね。脆くて擦れてるのに本質的には純朴さが残るあの感じが絶妙でした!そして可愛い!!

岩井俊二監督作品って、今をときめく俳優陣の若い頃がたくさん見られて新鮮ですね。
そして現実のリアルさと映像美によるファンタジー感が個人的に好みです。この調子で他作品も見ていこう!

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