移動移動の5日間
車での走行距離660キロ。徒歩で50キロ。昨日までの5日間の記録。いやぁ、よく移動した。
今まで車での旅は気が向かなかったので敬遠していたのだけど、食わず嫌いだったようで。
自分の好きなように移動できるし、人と接することもない。自粛のゴールデンウィークのせいか渋滞も全くなかった。
ただ車を運転するのはすごく疲れるらしく、ホテルについてご飯を食べたら、すぐに寝てしまった。連日7時半頃からの記憶がなかった。
なので、朝はいつもより早い。4時ころには目が覚めていたので、朝の散歩に出かけていた。
歩く場所は住宅街。知らない街の生活感を感じるのが好きなのだ。
特に好きだなと思うのが、昔からそこに住んでいるであろう人々が集うエリア。月日がその街独特の空気感をつくる。
ビルが立ち並ぶ大きな街。そんな街でも一歩路地に入ると、普通に人々は暮らしている。
冒頭の写真もそんな場所にあったマンション。僕はこのマンションに違和感を感じた。朝の5時だというのにほとんどのベランダに洗濯物が干してあるのだ。
早起きの人たちのマンションではない。昨日の夜から洗濯物が干しっぱなしなのだと思う。マンションのまわりにはゴミが散乱。「あぁ、そういう人たちが住む場所なんだな」と思った。
開発された駅前はホントにつまらない。バイパス沿いもチェーン店ばかりで日本中どこも似たようなもんだ。でも、それが求められているのだろう。みんな平等。仕方がない。
旅の最後の日、陶器市に行こうと思っていた。最近、どぶろくにはまっていて、「どうせならいい器で飲みたいなぁ」と思ったのだ。どぶろくをコーヒーカップでいただくのはさすがに味気ない。
てくてくと歩き着いたのはつつじ祭りの会場だった。間違えた。見頃は過ぎているらしく、入場料は割り引かれていた。見頃過ぎとはいえ、まだまだつつじは美しかった。
その場所では猿回しをやっていた。猿回しを見るなんて、何年?何十年ぶりだろう。ほっこりする時間だった。
しかし、ほっこりしている場合ではない。僕は陶器市に行きたいのだ。目指すは逆方向。
あまりに歩き過ぎて、足が痛くなってきた。歩いて足が痛くなるなんて新入社員のときに参加した歩け歩け大会以来だ。
途中で休憩しながら着いた会場は想像以上の広さ。でも、陶器を見ながらの周回は足の痛さなんて全く気にならなかった。意識が陶器に向かっていれば、足の痛みさえも忘れてしまう。
何万点という陶器が並んでいたのだが、僕がほしいものは見つからなかった。残念だが、楽しみが先延ばしされたうれしさもあった。
帰り道もてくてくと歩いて、この日だけで徒歩での移動距離15キロ。実に健康的な5日間であった。
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