[ Real Magic ] Madonna's Ritual / 聖母の儀式.2012
はじめに
Strike a Pose…Strike a Pose…Strike a Pose…Strike a Pose………
この記事を書くためにライブを見まくってたら、「Strike a Pose」が脳内ループしちゃって困っちんぐ。音楽という魔法の威力を再確認した次第です。分かっていても避けられないのが魔法。そんな魔法を喰らいながら綴った本記事。ダメージを食らったぶん、素晴らしい切れ味の記事となりました。
こちらは前回の記事。
今回の儀式について
前回の記事で綴った儀式の7年3ヶ月14日前の2012年2月5日に行われた「第 46 回スーパーボウル・ハーフタイムショー」は、前回のような「未来の暗喩」はありませんが、ある意味教科書になるような儀式です。
どのような教科書になるのかと申しますと、現実の象徴を見る概念の教科書。例えば、あなたの住むあなたが現実世界と認識している世界は、様々なものが逆に置き換えられています。その一つが「秘密」の概念。
秘密の隠し方
薔薇十字(Rosi Crucian)の象徴画にあるくらい古きハンドサインですけど、大衆は”出所”も知らずにこのサインを使用しますよね?
こちらの団体のサインにもあります。Royal Master's Degreeのポーズは人差し指を唇にあてるポーズで、意味は沈黙の維持です。
このように結社の秘密のサインが常識の中にあり機能しています。
一般常識では「秘密は隠すもの」という概念ですが、上記のことからもわかるように実際は「秘密は目の前にある常識の中」に紛れています。しかもそれらは幼少期から刷り込まれますので、目の前の秘密を伝えられたとて「そんなことはあり得ない」と思考から外してしまいます。
結果、"秘密は保持"されるのです。
ですから目の前で堂々とサインを使いたい放題。
信じられません?
皆さんが平和の「ピースサイン」と思っているものは、例の騎士団のサー・ウィンストン・チャーチルが発案した、とある女王に捧げられたサイン。☮️これがピースマーク。✌️これは「V / ヴイ」
あちら側に「Veni Vidi Vici」と古代ローマの勝利の言葉を見せつけられ宣言されているのです。そして見せつけられている大衆はというと、意味も分からず喜んで”あちらのハンドサイン”を使用する始末。出所も古さも知らぬから。
また、こんな見方もあります。「V」は22番目のアルファベットです。古き時代に22文字の言語的象徴を生み出した民族は何でしたっけ?
さらに深く
「バフォメットは悪魔崇拝の象徴だ〜」って言いながら、カメラ向けられたらバフォメットと同じハンドサインをする。滑稽だと思いませんか。
このように秘密はいつも目の前にありますが、概念が曲がっておりますと視界に入っていようとも見えません(スコトーマ)。
しかし、目の前にある秘密ですから概念が変わりさえすれば丸見えになります。今回のマドンナの儀式は、多くの「象徴」と「その表し方」がはっきりと分かります。「こうやって象徴するんだ〜」と理解できる教科書的儀式と言えます。では早速始めましょ〜。
it's Show Time!!
儀式
入場
古代ローマ兵士のような装備に身を包んだ剣闘士たちがエジプシャンな玉座付きの神輿を引き登場。玉座は巨大な複数の羽で覆われ、女神の姿は見えぬまま。そのまま焦らすように行軍が続き、音楽の節目が来ると、華やかな光と共に複数の羽が開き女神が現れます。
登場
この場面が示す象徴は「幻視者の智天使」で綴ったケルビム。多頭で複数の羽を持つ智天使。
智天使はセフィロトの「ケテル・コクマー・ビナー」の原始の3神の前に置かれた障壁。ゆえに、智天使が現れたらセフィロトも現れるのが道理。
セフィロトが見えますか?
きちんと「ダアト」のところに「M」が重なってますでしょ?ダアトを通るパスは「13」です。「M」は「13」番目のアルファベットです。
地上を意味する「マルクト」の部分には、金色に輝く女神の玉座。「羽」と「玉座」を象徴に持つ女神はひとり。
女神の象徴
もう少し詳しく見てみましょう。我々の概念とあちら側の概念の決定的な違いが理解できます。
イシスの象徴に包まれて登場したマドンナが身につけている象徴はイシスとは別の女神の象徴です。
シュメール神話の女神イナンナ。なぜこの女神か?イナンナは「冥界下り」の神話を持つ女神。一度冥界に下り生還した女神。つまりオシリスとイシスの「死にゆく神の物語」で示される「死と復活の物語」を違う形で表現したものが「イナンナの冥界下り」。上図をご覧になればお分かりの通り、しっかりとポイントを押さえ表現しております。
我々の概念とあちら側の概念の決定的な違いが分かりましたか?よくわかっていない人々は「これはイシスだ」「いいやイナンナだ」「いやいやバフォメットだ」「エジプシャンだ」「シュメリアン」だと言い争い本質を見失います。
あちらは「死にゆく神の物語」を、古き神話の密儀を利用し演じます。神話や宗教の密儀は基本的に同じですから、密儀を知る者が見ればイシスでもイナンナでもバフォメットでもエジプトでもシュメールでも同じです。死にゆく神の物語をどの密儀を使用し演じているか?が重要。
これが我々の概念とあちら側の概念の決定的な違いです。こちらは表面的な顕教でモノを見させられ、あちらは真理の密教でモノを見ます。
太陽は太陽、光は光
燃える剣
セフィロトの番人であるケルピムは「燃える剣」を保持しています。曲りくねった赤い剣。この象徴の意味は「セフィロトの通り道」です。
ですが燃える剣の象徴は見当たりません。セフィラの通り道を示す、ひいてはセフィラを示す象徴がありません。前回は以下の画像のように六本の柱で示されてましたが、今回は背後の金色のバナーで象徴された2本の柱だけ。
しかし密儀は永遠普遍ですから変えられません。象徴の仕方は変えても”象徴しない”ということはありません。ここが今回の儀式のポイントです。
「燃える剣をどのように象徴したか?」
Strike a Pose
「Strike a Pose / ポーズを決めろ」はマドンナの1990年の曲「Vogue」のフレーズ。今回の儀式も「what are you looking at / 何を見ているの」をきっかけに羽が開き、巫女の一言目の言葉は「Strike a Pose / ポーズを決めろ」です。
ポーズとは「姿・形・姿勢」です。本件の1番最初にVサインをご説明した理由はここにあります。ハンドサインも大枠で捉えればポーズで、古くから結社で使用されている秘密のサイン。つまり手で示す象徴があるのなら「体で示す象徴」があっても不思議ではないということ。ボディランゲージってありますでしょ?そして、皆が知らないだけで「セフィロトを示すボディランゲージ」というものがあったとしたら?
あるんですよ。
今回の儀式の燃える剣の象徴は
巫女自身の体。
ですから古い象徴画のように2本の柱を掴んで
自分自身を3本目の柱に見立ててますでしょ?
そんな巫女が Strike a Pose と言うのです。
Decode a Pose
体で象徴
Strike a Pose の言葉通り、ポーズを決めまくりです。見方を知らなければダンスの振り付けの一部として流してしまいますが、そう言うものだと知っておりますと、象徴が目白押しです。またセフィロト以外の象徴もあります。では見てゆきましょ〜♪
嘆きのイシス
"嘆きのイシス"のポーズは古いものと少々違いますが、セフィロトに描かれた"元イメージの卍"をイメージして下さい。女神の巫女だけあって要所要所でめっちゃ”嘆きのイシス”のポーズをとります。このVogueって曲の元々の振り付けが”嘆きのイシス”のポーズをテーマに作られたと思います。
ステージ自体がイシスの象徴ですからそりゃそうなんですよ。
ゾロアスターのアフラ・マズダも重なってるわね。彼は最高神であり「智神」です。もう一人の「智神」もおりますよ。
片目の智神オーディン
"智慧"の獲得に自らの片目を差し出した北欧神話の主神であり"智神"オーディン。マドンナの頭文字でもある「M」は13番目のアルファベットでありセフィロトの「ダアト / 知識」と繋がっています。故に、アフラ・マズダもそうですが、マドンナが智神を象徴するのは自然なことなのです。ついでにオーディンの足のポーズの意味も調べてみて下さい。嘆きのイシスと重なりますでしょ?
↑オーディンの右手と右足に注目して下さい。右手の先は波紋が広がる湖で、右足の先は波紋のような宇宙です。何を示すかわかりますね?↓
As above So below / 上の如く 下も然り
Matrixから脱出するには象徴の理解は不可欠なのです。
目の前でやられたって分かりませんから。
バビロンの大淫婦
キリスト教的概念ですと「大淫婦バビロン」「赤い女」「売春婦」と散々な言われようですが、それは「キリスト教的概念」です。古代のツノの生えた多神教の神々を悪魔と定義したような、ただの「キリスト教的概念」です。その概念でマドンナを見ますと「ふしだらな女」ですが、とある民族の神話の女神ですと概念は真逆になります。これについては後述します。
M字
ライブの最中にこの"ふしだらなポーズ"のダンスを何度も繰り返しますでしょ?ゲストまで。
日本ではM字開脚として面白おかしく広まってしまっている古き象徴。
その古さは『象徴の威力シリーズ』で綴った通り。生の象徴はとても古いもの。現代ではヴェシカと呼ばれる女性器の象徴は、もう一つの古い呼び名があります。それは「Yoni / ヨニ」。
「生の象徴」を「性の象徴」と勘違いし
卑猥と考えるのがこちらの概念で
古き時代のように「生を神聖」なもの
と考えているのがあちらの概念
数学的にも幾何学的にもとても大切な象徴。
↑ヴェシカの中の子を抱くイシスのように
↓ヴェシカからマドンナ
「ただの組体操がたまたまそう見えるだけ〜」
なんて考えちゃダメですよ〜
体は神聖な神殿なのですから、神聖なサインを体で表現するのは至極当然のこと。神殿は人体であり、人体は神殿です。お忘れなく。
ゴルゴン三姉妹
女3人でポーズを決め、巫女は「アペプ&テュフォン」のポーズです。
アペプとテュフォンはどちらも「蛇」です。あなたが連想しやすく重なる象徴で申し上げますとこれですかね。2匹の蛇が中心の柱に巻き付いた象徴。
2匹の蛇の片割れテュフォンを産んだのは女神ガイアです。
女神ガイアは「蛇の象徴を持つ有名な3姉妹」も産んでいます。
現実と象徴を重ねるとこんな感じ。
きっとメデューサの悪いイメージが強すぎてきちんと連想できないと思いますのでこちらの北欧神話の三女神を参照ください。同義です。
ラスト
最後の曲が始まる前のステージのプロジェクションマッピングは、いつもの象徴「Sphere Within Sphere」
歌と共に変化する映像。ちょうど「I close my eye」の歌詞とともにフロアーには歌詞と真逆の巨大な「One Eye / 閉じぬ目」
この儀式の最後を締めくくる曲は1989年"3月3日"にリリースされた「Like A Prayer / 祈るように」
巫女は一緒に連れて行きたいみたいですよ、
"新世界"へ。
I wanna take you
"there"
儀式の最後。またまた贄のように地下に吸い込まれる巫女ですが、その時の一瞬のポーズにご注目ください。煙に包まれて落下する際、立ち上がるオシリスのポーズで落ちてゆきます。
あなたの住む現実世界は劇場だって認識してもらえたかしら?
しっかり両眼で演者を見てやりましょうよ!
13分
公式ではパフォーマンスの時間は12分となっておりますが、Youtubeの再生時間を確認すると13分です。
46と64の繋がり
今回の儀式は「第46回スーパーボウル・ハーフタイムショー」です。前回の儀式は「第64回 Eurovision Song Contest 2019」です。時系列的には今回の儀式が先で、前回の儀式が後。
第46回の最後の曲は1989年"3月3日"にリリースされた「Like A Prayer / 祈るように」
第64回の最初の曲は1989年"3月3日"にリリースされた「Like A Prayer / 祈るように」
同じ曲でしょ?
まるで続きかのように。
一つの物語かのように。
一つの木のように。
上段のケテルからマルクトまでが第46回。逆さまのマルクトからケテルまでが第64回。マルクトを「Like A Prayer / 祈るように」に置き換えると、二つのライブの全体的な象徴が見えますでしょ?
まとめ
さて、いかがだったでしょうか?多くの象徴が丸見えになった事と思います。また、象徴はいつも同じものを違う形で示しているだけだと言うこともご理解いただけたのではないでしょうか?でも一つ謎が残っていることに気づいております?
なぜ巫女は卑猥なことを率先して行うのか?
これはあなたがキリスト教圏の概念で見ているからそう見えるのです。巫女を「女神バアラトの巫女」として見ますと、そこの教義通りの正しい行いをしています。
これ面白いんですよ。世界は「キリスト教的概念」と「女神バアラトの概念」の拮抗状態で成り立っているのですから。ユリとザクロの対。
と言うことで来週は「女神バアラトの神話」についてです。この神話については本でもネットでも海外サイトでも見たことがない神話。ご自分で調べても絶対に出てこないですよ。
そしてそう言う神話にこそ意味があるってわかるでしょ?
2本の柱のもう一つの意味。
バアラトの巫女の教義。
そして「イスラエル」と言う国の名前の意味。
来週は久々に魔女の本気よ〜。
お楽しみに。
では本件はこれにて締めとさせて頂きます。あなた様の心にわたくしのDecodeが届きましたなら引き続きお付き合いをお願いいたします。
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