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[ Human ] Lose Yourself / 我を忘れるほど

You better lose yourself in the music the moment, you own it, you better never let it go
You only get one shot, do not miss your chance to blow,
This opportunity comes once in a lifetime,

我を忘れるほど"Music"に捧げてチャンスを掴め。
絶対に見逃すようなヘマはするなよ。
お前の人生で1度だけのチャンスなんだからな


はじめに

 聖母の儀式シリーズを通し「Vogue」と「Music」の概念に変化が訪れたことと思います。しかしながら、Musicについてはきちんと説明しておりませんでしたので、本件のエミネムの曲を通しMusicをご説明申し上げます。読了いたしますと、上記のリリックの意味が変わってくると思います。





エミネム

 HipHopというものはこういうもので、エミネムは上記の画像のような感じで、N.W.Aのドレーがプロデューサーですからお察しです。よくあるアイドル神話映画の中でも当たった方ですので冒頭の曲をご存知の方も多いはず。映画『8mile』から。


 よくあるアイドル神話映画というのはアイドルをアイドル(偶像)たらしめる権威付けの物語のこと。失敗しちゃった神話は以下。

 余談ですけど、わたくし昔は大ファンでしたのよ、、、 いつの頃からか叶姉妹みたいになってきちゃって悲しかったなぁ〜。わたくしの中ではDreamloverの頃がピークだったかな〜



ダブルミーニング

「盲人の国では片目が見えれば王」

 なんでもそうですが、あちら側とこちら側では概念が真逆です。ゆえに同じ言葉でも意味が変わってきます。たとえば、詩の全体に関わる一単語の意味が違ったなら、その詩全体の意味が変わります。

 本件のポイントはこれであり、その単語とはMusicです。


 余談ですが、2022年のスーパーボウルハーフタイムショーはドレーファミリー。もちろんエミネムも本件の曲で登場します。そしてこのショーの実質時間はマドンナと同じ13分。前奏やCMを入れると14:40。144は13番目のフィボナッチナンバー。

 付言しますと、緋色の女が出てくる黙示録には「144000人」が出てきますね。



Music

 ここからタイトル画像の象徴に繋がります。きっとあなたは、ただなんとなく「女神と音楽」がつながっていることでしょう。美と女神が繋がっているからでしょうか?それとも女神+ハープのイメージからでしょうか?

 実際、そのイメージはあながち間違いではありませんが、曖昧なままでは真の理解は得られません。次の項で女神ミューズを通し理解を深めてゆきましょう。



9人の女神

 Musicの語源はギリシアの女神ムーサにあります。彼女が司るはムーシケー(技芸)であり、現代風に申し上げれば「総合芸術」です。ここに含まれるは「科学的音楽理論に関連する芸術全般、さまざまなリズムによる時間芸術(音芸術・詩の朗誦の芸術・舞踊など)です。ここで覚えて欲しい事は、芸術とは「女神が司るほどの智慧である」ということです。

 時代や文明によってムーサの表現の仕方は様々ですが、わたくしがお伝えしたきことがよく現れているのはギリシア神話。女神ミューズは芸術と科学の女神で、特に詩、音楽、ダンス、歴史、コメディ、宇宙学などの様々な芸術と知識の分野を司っていました。9人それぞれの名前と芸術科目は以下です。

  1. カリオペー(Calliope) - 歴史を司るミューズ

  2. クレイオ(Clio) - 叙事詩を司るミューズ

  3. ウラニア(Urania) - 天文学を司るミューズ

  4. テルプシコレー(Thalia) - 喜劇を司るミューズ

  5. ミューソー(Melpomene) - 悲劇を司るミューズ

  6. テルプシコラー(Terpsichore) - 踊りを司るミューズ

  7. エラトー(Erato) - 愛の詩を司るミューズ

  8. ポリュヒュムニア(Polyhymnia) - 吟遊詩人を司るミューズ

  9. エウテルペ(Euterpe) - 音楽を司るミューズ


 この9人の女神の芸術科目を見て「あの階段」が思い浮かびませんか?



階段

 人間が洞窟から出るために必要な階段が記された象徴画。こちら側では蔑ろにされ、あちら側では大切にされる智慧。前述の「9人の女神の芸術科目」は「7段の階段」と重なります。分かりやすくしてみましょう。

  1. カリオペー(歴史) - 文法、論理、修辞学

  2. クレイオ(叙事詩) - 文法、論理、修辞学

  3. ウラニア(天文学) - 天文学、幾何学、数学

  4. テルプシコレー(喜劇) - 文法、論理、修辞学

  5. ミューソー(悲劇) - 文法、論理、修辞学

  6. テルプシコラー(踊り) - 舞踏、舞踊(トリヴィウムには直接含まれていませんが、修辞学や芸術に関連)

  7. エラトー(愛の詩) - 文法、論理、修辞学

  8. ポリュヒュムニア(吟遊詩人) - 音楽、文法、論理、修辞学

  9. エウテルペ(音楽) - 音楽、幾何学、数学


 トリヴィウムがほとんどですが、自由七科目(リベラルアーツ)と重なるのですよ。自由七科目の象徴画を覚えておりますか?

 こちらは"7人の女神"で象徴されます。古代ギリシアの女神ムーサの概念に磨きをかけ、分類し直し再構築したものが"自由七科目"だと考えます。そんな自由七科目とはこういう学問。

  • 文法により人は高尚かつ適切な言語を用いて最も深い思想と理想を表現する術を教えられる。

  • 修辞学により両義的な言語と言葉のあやと言う隠れ蓑に乗じてこっそりと自らの思想を隠すことができる。

  • 論理学により生来賦与されている知的才能の組織化の訓練を受ける。

  • 数学により宇宙秩序の神秘ばかりでなく、数、量、比例を解く鍵が与えられる。

  • 幾何学により形相の数学、角度の調和とリズム、組織の哲学の世界へと誘われてゆく。

  • 音楽により宇宙が天体の調和の法則に基づいており、その調和とリズムが万物に浸透している事を想起させる。

  • 天文学により人は時空の無限、自己と宇宙の適切な関係、大空の無数の星を広大な空間の中へ追い立てるあの畏怖に充ちた「未知の力」に関する理解が得られる。

  • それゆえ、こうした教養科目に親しむことにより授けられた知識を備え、学問熱心なフリーメイソンが対処できないような問題に直面すると言うことは少ないのである。

『カバラと薔薇十字』より引用

 ですからイルミネートされた人々にしたらMusicの意味が変わってくるのです。階段を上る為に必要不可欠な智慧ですから。故にリリックの意味はこうなります。

You better lose yourself in the music the moment, you own it, you better never let it go

我を忘れるくらい"女神ミューズ"に捧げてチャンスを掴め。
絶対に見逃すようなヘマはするなよ。



チャンス

ここからが本件の本題です。

 この世の仕組みを理解する学問が自由七科であり、それらに分類される知識をわたくしは「智慧」と呼びます。この智慧に気づくチャンスは誰の人生においても平等にあります。ただ、そのチャンスは、一秒毎にくるものもあれば10年に一回しか来ないようなものもあります。つまり時間のスケールによりチャンスの大小が変わってきますし、もちろん付随する結果の大小も変わります。


時間

 時間は「螺旋」を用いて表せます。この円の一周に要する時間を定義すると螺旋の長さが示す時間も変わります。一周が一分でしたら螺旋の長さが示すは五分。螺旋が5つありますでしょ?では次に、一周を一年で考えてください。螺旋の長さは5年になります。このように「時間」というものは同じ図形を用いてもスケールを変えることで認識が変わります。

 至極当然のことを申し上げておりますが、本当に理解しておりますか?



大衆の時間

 現代の洗脳であまり取り上げられない部類ですが、この「時間の概念」も刷り込まれておりますからね。

 一般大衆は概ね「太陽暦の一年」で物事を繰り返し考えるよう設定されております。明治から採用された太陽暦に合わせ季節ごとの祝祭日で時の移り変わりを体感させ、12.31をもって古い年は終わり新しい年になると。新年に心機一転し新しい年を始めるぞと。



賢者の時間

 古き賢者が土星の周期を観察したと仮定します。土星の公転周期は約30年で、最低でも「記録と確認」の2回をしなければなりませんから、最短で見積もっても60年の年月を要します。星の知識を積み上げるにも相当の時間を要するでしょう。土星の公転周期を記録しようとしたら、当時の平均寿命を考えても 3、4世代を要することは明白です。では太陽系の惑星全部の周期を出そうとしたなら、どれほどの年月を要するか?気が遠くなりますね。



時間の違い

 現代の大衆と古代の賢者とでは時間の、ひいては人生のスケールがまるで違うことをご理解頂けましたでしょうか?

なんでも一年毎に新しくするでしょ?

 大衆は「1年」の繰り返しで「人生80年」と考えますから「時間潰し」という概念が発生します。なんでも一年毎のスケールで考えますし、あまり時間を労せずとも達成感の味わえる娯楽が溢れておりますから、飽きたらポイで時間を無駄に消費し続けます。その結果なにが残るのかと申しますと、虚無感です。

 積み上げたなら積み上げたなりに、消費したなら消費したなりに。この世は等価交換ですから積み上げずに消費し続けたら残るものは虚無しかありません。これ若いうちは分かりませんが中年過ぎた人は実感するのではないでしょうか?10代、20代で積み上げてこなかった人は、40、50過ぎても10代の頃と同じことを繰り返しているのをご自分の周りで見ているはずですから。

 また近年では個人主義が極まり「自分さえ良ければ」「自分が生きているうちさえ大丈夫なら」と、世代を重ねて種を繋ぐという、種として持つべき当たり前の時間のスケール感まで消失させられています。これが大衆の時間の概念です。



 一方、賢者は「人生」の繰り返しでやっと理解できるようなものを追っていましたから時間をとても大切にしました。こちらは「消費」ではなく「積み上げ」です。人ひとりの生涯を持ってしても積み上げきらぬ智慧があると知っているから。

 そして、先人から受け継いだ智慧を後世に伝えなければならないという使命感を当たり前に持っていました。ですから先人を敬い後世を大切に育てました。老人を「老害」と呼び、若者を「最近の若い者は」と言う現代とは真逆の概念であることは言うまでもありませんね。

 
時間の概念を短くすることで世代間の分断を促し知識の伝達を阻止しチャンスを奪い続ける。人々を盲目にさせ続ける現代のシステムの仕組みが垣間見えますね。



チャンス

 わたくしはいつも申し上げております。目覚めるチャンスは常に目の前に転がっていると。ただしこの言葉には続きがあります。

理・智慧に気づくチャンスは常に目の前に転がっている。
"理解できるかどうかは別として"

 例えを申し上げてゆきます。

 花弁は最も容易く理を解せるもの。理に気づくために目の前に転がっているチャンスの最たるもの。一秒毎に気付ける智慧。簡単な幾何学を知っていれば、その構造の不思議さに簡単に気づけます。故に古くからよく象徴化されておりますでしょ?


 二つの惑星が描き出す幾何学。これも目の前に転がっているチャンス。その構造に花弁と同じものが関わっていることは明白です。ただし、気がつくまでに幾らかの幾何学・天文学の知識を必要とします。


 目に見えない「音」も、数学と幾何学を用いれば花弁や惑星の構造に影響を及ぼしているものと同じ仕組みだと容易に理解できます。ただし、これもまた数学・幾何学・音楽の知識を必要とします。


 本当に古き建築物にも同様の構造が用いられており容易に読み取れます。ただしこれらを理解するには多くの知識と、異なる概念の受け入れが必要となります。


 CERNの大型ハドロン衝突型加速器の二つの円は、地球と月の比率と重なり、その円を使うプロジェクトの名前には、古代の神話の神の名と、お伽話の少女の名が付けられています。この不思議な組み合わせの理解にも、前述の知識と同様のものと、見つけるのも一苦労な真の歴史の知識を必要とします。



もう一度時間

 真の理に触れるチャンスは常に目の前に転がっておりますが、その気付きに関わってくる知識の習得には時間がかかります。それこそ10年単位の知識もあれば人生を賭けても足らぬ知識もあります。故に魔術師には「時間潰し」などという概念は存在しませんし、魔女のわたくしはいつも申し上げるのです。

メメントモリを忘れるなと。



最も大切なチャンス

 本件で最もお伝えしたきことはここから。

 上記の螺旋の一周を10年と仮定します。この長い周期で矢印が真上に来た時にだけ発生するチャンスがあります。以下の記事で綴った「上からの手」のこと。

 簡潔に述べれば「己を更に高める出会い」です。己と同等もしくはそれ以上に「智慧を有する者」との出会い。これ滅多にやってきませんし、逃すと向こう10年やってきません。大抵が自分の人生の転換期に訪れます。

 大切なことは、前述のいつも目の前に転がっているチャンスとは違い、「出会い」は長い周期で訪れる数少ないチャンスと言うこと。ですから、その不思議な縁を知っているイルミネートされた人々は言うのです。

You better lose yourself in the music the moment, you own it, you better never let it go

我を忘れるくらい"女神ミューズ"に捧げてチャンスを掴め。
絶対に見逃すようなヘマはするなよ。



まとめ

 古き象徴画に刻まれるほどの智慧ですから、ちょっとやそっと本を読んだくらいで理解できるものではありません。真の理解には概念の総取り替えが必要なくらい。それこそ人生を賭けての学びであり目的地の見えぬ旅。

 ですから、真の自由七科目を学んでいる人や、真の歴史に触れている人なんてごく少数ですし、滅多に出会うことはありませんし、驚くほど突然やって来ては、うっかりすると霞のように消えてゆきます

 故に、いつチャンスが来てもいいように、日々コツコツ己を磨くことを忘れずに。それこそ、、、

我を忘れるくらい女神ミューズに捧げて。

lose yourself in the music.

 本件はこれにて締めとさせていただきます。あなた様の心にわたくしのリリックが届きましたなら引き続きお付き合いをお願いいたします。 


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