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[ Decode : Art ] Fabian Society / フェビアン協会:後編

 本件は[ Decode : Art ] Fabian Society / フェビアン協会:前編の続きとなります。前回はこの団体の創設や技に関して綴りました。本件は主にわたくしの得意分野の象徴のDecodeになります。読み終えた後、きっと世界の見え方が変わりますよ。では「イギリス最古の政策研究所」が大切に所蔵するステンドグラスの解読に参りましょ〜


フェビアンの窓

 このステンドグラスは、フェビアン協会の記念としてジョージ・バーナード・ショーにより1910年に作成されました。その後、色々と奇妙で象徴的な事があってからLSEのショー図書館に寄贈されました。


数奇な流れ

 このステンドグラスはベアトリス・ウェッブ・ハウスに寄贈されていましたが1978年に盗難により行方不明となりました。その後すぐに発見されるのですが、その場所がまた奇妙。イングランドから遠く離れたアメリカ・アリゾナ州"フェニックス"だったのです。

アリゾナの州章

 ここアリゾナ州の語源は「Aryans Zone / Arizona」という説があり、州都であるフェニックスは北緯33度ジャストの都市。どでかいステンドグラスがイングランドで盗まれてアメリカで発見されただけでも色々と怪しいのに、発見された街がまた象徴的ですから、何らかの意図を感じますね〜。そして驚くことに、再び盗まれ表の世界から姿を消します。


サザビーズ

 そして2007年に再び表に現れます。しばらくのあいだ姿を消していたステンドグラスは、突如サザビーズに出されたのです。これをウェッブ記念信託が買い戻し、LSEのショー図書館に寄贈され現在に至ります。

 そういえば、サルバトール・ムンディはクリスティーズでしたわね。

『ダ・ヴィンチコード Salvator Mundi : 世界の救世主』https://note.com/and_translated/n/n6e49402b4cd6

 どういう理屈かは分かりませんが、美術品に数奇な流れを辿らせることで歴史や権威、価値を創造または付加するのでしょうね〜。

デジタルなこういう所までこんな感じ


数奇な流れを辿ったステンドグラスのDecodeに参ります。


Decode

 ではいつもの如くパスをとった状態から。

 全体の比率の構成はこんな感じ。重要なものはパスに乗っかっているのでDecodeが楽でしょ?更にわかりやすく黄色い丸でハイライトした魔女仕様♪では順に象徴の意味を解いて行きましょ〜。


赤いシールド

 黄金螺旋の渦中に位置する赤いシールドに描かれたモットーは、

Pray devoutly, but hammer stoutly
敬虔に祈りなさい。しかし強く槌を打ちなさい

John Ray

 イングランドの博物学者ジョン・レイの言葉です。この言葉はフェビアン協会のモットーですが、真に理解するためには、先に理解しなければいけない事がいくつかありますあります。



F.S シールド

  F.S はFabian Societyの頭文字。このシールドはフェビアン協会の昔のロゴです。

 昔のフェビアン協会のロゴは「羊の皮を被った狼」です。これはマタイの福音書7章15節を皮肉ったもの。

"Beware of false prophets, which come to you in sheep's clothing, but inwardly they are ravening wolves."
偽預言者たちに気をつけなさい。羊の皮をかぶってやって来るが、内心は猛り狂う狼である。

Matthew 7:15 KJV

 このロゴの意味は彼らの技「浸透」をよく表しています。羊(大衆)の群れに同化し紛れ込み誘導し、いざとなったら一気に食い殺す狼という意味。

 もう少し噛み砕いて申し上げますと、自分たちの思想をあたかも我々にとって良いことのように広め、いざとなったら一気にやるということです。

 ただ、この羊の皮を被った狼のロゴは流石に露骨すぎるということで変更されます。

怒った亀

 マタイの福音書の一節を皮肉った「猛り狂う狼」から「猛り狂う亀」に変更されました。カメのようにゆっくりと思想を浸透させ、いざとなったら強く打ち付けるという意味です。カメの足元のリボンに書かれたモットーを理解すれば納得します。

When I strike, I strike hard
打つ時は激しく打ち付ける

1番最初の赤いシールドのモットーと同じでしょ?

Pray devoutly, but hammer stoutly
敬虔に祈りなさい。しかし強く槌を打ちなさい

では何を打ちつけるのか?



鋳造

 熱して赤化した鉄を鍛冶屋がハンマーで打ち付け鋳造するように、浸透でゆっくりと変容させた世界を、時が来たら強く打ち付け作り直すということです。真っ赤に熱された地球がよく表していますでしょ?

ではどのような形に鋳造し直すというのか?



心のままに

 どのような形に鋳造し直すかについてはステンドグラスの最も最上段に記されています。

Remould it nearer to the heart's desire
心の望みに近い形に作り変える

 心の望みに近い形とは、フェビアン協会員の心の望みのままにということ。つまり世界中をフェビアンの思想で作り変えようというのです。そういうモットーを持ったシンクタンクなのです。

その象徴はいまだにちらほら見かけますのよ。

2015のエコノミストの表紙の下の方に怒った亀。


いつかのトランプのメンタルアドバイザーは
狂ったかのように打ち付けまくリング。



スコットランドの象徴?

 この象徴からは「物書きのヤバさ」が理解いただけます。

 あなたはこの民族楽器を持つ男を見てスコットランドが思い浮かびますよね?ですからこの男の象徴を見て「スコットランドを示している」と答えを出します。フェビアン協会のルーツであるデイヴィッドソンがスコットランド生まれですから、あながちハズレでもないのですが、よく考えて下さい。

 露骨すぎるからと「怒った亀」にわざわざ変更したのに、このステンドグラスには露骨な「羊の皮を被った狼」です。つまりエグい象徴が刻まれているということ。なぜか失踪していた期間もありましたでしょ?……… ものすご〜く奥歯にものが詰まった言い方してますがそういうことなのです。え〜とですね……… この世には言っていい事と悪い事がマジで存在します。これは後者にかすっちゃってますので誠に言いづらいのです。ゆえに引用します。

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