30歳になりました。
ぼーっと生きていたら、いつの間にか10の位が変わってしまった。
20代最後の日は精神科の診察日だった。主治医に「20代最後の日に僕に会いに来てくれてありがとう」と言われたが、来たくて来たわけじゃないんだけどな、と思った。でも別に嫌な気はしなかったし、むしろ開き直って「20代最後の日が精神科なんて私らしいじゃないか」と思ってもいた。
「大人になると誕生日なんてどうでもよくなる」と昔聞いたことがあるけど、今年の誕生日はあらゆる方面からかつてないほど盛大に祝われた。こんなに祝われて大丈夫かと心配になるほどだった。夫からはkate spadeのお財布をもらった。くたくたの財布をずっと使っていたから嬉しかった。新しい財布を使うときはいつも嬉しい。いつもは気にしないお札の向きもしっかり揃えた。どのカードポケットに何のカードを入れるかを吟味し、財布がパンパンにならないように四苦八苦した。それも全部嬉しかった。
義妹からはスタバのチケットをたくさんもらった。期限があるのは分かっているけれど、嬉しくて、もったいなくて使えない。期限切れにならないようにしないと。
「生きていていいのかな」と思うけれど、「頑張って生き延びてよかった、あの時死んでなくてよかった」と思うことも増えたように思う。もちろん30歳になったからと言ってベースは何も変わることはなく、私は死にたがりで生きたがりのめんどくさい女だ。相変わらず病気に振り回されて、めそめそ泣いて、勝手に発作を起こして勝手に倒れる面倒な女。でも、少しだけ、自分のことを大切にすることを覚えたように思う。一進一退どころか3歩進んで5歩くらい下がってしまうこともあるけれど、夫と笑いあっている自分が好き。子どもたちに冗談を言う自分が好き。猫に相手にされない自分も嫌いじゃない。自己肯定まではまだまだ届かないけれど、少しずつ、日々を楽しめるようになれたらと思う。
30代の抱負:生き延びる。死なないように頑張る。
とりあえず、30歳の目標:精神科に入院しない。