イラストと変態
変態と言っても色々あるので
特殊性癖に絞っての話ですが・・・
私は今もアホですが
昔はさらに輪をかけたアホだったので、
「大人の世界♡」
「何かスリリングでエキサイティングでびっくりするようなもの」
というような幻想を持っていたこともあります。
しかし現実はその逆です。
変態とは、鍵のかかった檻から一歩も出ない囚人のようなものです。
なぜなら、ある特定のものに強い執着やこだわりがあってこそ変態と呼ぶにふさわしく、
毎回バラエティー豊かな内容を求める人がもしいたら
その人は変態でも何でもありません。
ただの好奇心旺盛で物好きな人です。
BLマンガの中で変なことや不思議な行為を描いている人々
あんなのも変態でもなんでもありません。
読者に買ってもらうために
作家が手を変え品を変え知恵をふり絞って
工夫を凝らしているだけのことです。
実際の変態とは、ああいうものではないと思う。
趣味の絵描きさんで「自分は変態だ」と公言している人をフォローしたら
すばらしく絵が上手なのに、あっという間に飽きてしまったことがあります。
特定のパーツやアングルに強いこだわりを持ち、変化を嫌う性質があるからです。
もちろんそれが悪いとは言えません。
同じ性癖を持ち、同じように変化を嫌うファンを集めたら
根強い人気を保つこともできるのかもしれません。
女性的な性質の持ち主はストーリーや文脈を重視し、
ロマンスやサプライズを好みます。
特定の人物に忠誠を誓うことはできるかもしれませんが
行為そのものや物体に忠誠を誓うことはできません。
私の考えでは、女性性とフェティシズムは水と油であり
相容れることはできません。
相容れないが、一人の人間の中に同居していて
その人の中にどちらの成分が多いかによりその趣向が決まります。
(なので女のフェチや変態が存在しないというわけではない)
それで絵の話に戻ると
たとえば「エロ絵の注文お断り」と表記している、絵描きに、
「薄暗い部屋に置かれた冷蔵庫のドアが、まるで誘うかのように半開きになっているところを描いてください」という注文が来たとします。
これはエロ絵でもなんでもありません。
冷蔵庫の絵が必要な理由はなんとでも言えるし
冷蔵庫がその人にとって「俺の嫁」なのかは誰にもわかりません。
もしいろんな人にひたすら半開きの冷蔵庫だけを依頼したり、
扉の開き具合に事細かな注文があったりと、
常人には理解しにくい行動をしていたら
そこではじめて変態の可能性が浮上します。
たぶん半開きの冷蔵庫じゃないとダメで
全開になっちゃったら萎えるとか、謎の地雷を持っています。
なので私は「エロ絵お断り」の表記はあまり意味がないと考えています。真の変態にとって、世間一般でいう性的な絵だとか成人向けの内容かどうかは、関係あるかもしれないし無いかもしれないからです。
特徴はその強い固着というか執着であり、物体に対し(あるいは人間を物体化したうえで)興奮すること
不確実なものや流動性のあるものに対する拒否
人間関係に不可欠である、「変化し、影響を与え合い、混ざり合う」ができない
それらこそが変態の問題の本質ではないかと思います。
(日記20180213)
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