フジロック予習その17 ~GOGO PENGUIN~
幾重にも重ねられたパターンは、複雑でありながら聞いている内に彼らの世界に入り混んでしまう。
テクニカルさと冷静さを感じられるドラムとピアノに、そこを下支えしバンドの深みを与えるベースサウンド。
現代JAZZという枠組みを越えて、クラバーやロック/エモ、クラシックにも通ずるそのバンドサウンドはライブでもスタジオでも家でも、様々な状況にフィットする心地よさ。
日本のmouse on the keyと同様に変拍子を多様したパターンに流れるようなピアノ旋律が重なり、その化学反応が人の心を揺さぶるエモーショナルな曲となる。
彼らもエレクトロへの傾向が高く、新たな技術を得る知的探求心が高い人達なんだと。
それを感じるのが6月にリリースされるセルフタイトルのニューアルバム。
各人の洗練された演奏と、Albetonを利用したエレクトロニクステクノロジーにより、空間が広がりダイナミズムがとても感じられる作品となっている。
たしかに先行シングルを聞いても、音の奥行きを感じる。
彼らの究極を求めた形が現れてるかと。
聞いてると、そのテクニカルな演奏とも相まってかバンドとして演奏しているのに、打ち込まれたエレクトロミュージックのようにも感じる。
彼らのライブや曲はいかなるとこにもフィットすると感じたのは、多分、ロック好きやクラバー、クラシックが好きな人、それぞれの好きなジャンルの人達によって聞き方が違うのだと。
エレクトロ好きな自分としては、bonoboとかに近い感じにもなるし、フォークトロニカ/エレクトロニカと同列の人達なんだな、と感じる。
多分また年月が経ち、聞く音楽のジャンルが変わってくる事によって彼らの曲の聞こえかたもまた変わってくるかもしれない。