ARUYOで生まれるローカルドリブン CASE1
【自分探しカメラマン×コミュ勇者系起業家】がARUYOで出会ったら
「しごとも、くらしも、まるごと本気で楽しみたい人のための出会いと発見あふれるクリエイティブワークスペース」をコンセプトに、街の地域資源をつかって事業や人生がドライブしていく「ローカルドリブン」の起点となるべく運営されているARUYO ODAWARA。
でも、そもそも「ローカルドリブン」ってナニ? 人との出会いがポイントみたいだけど、コミュニケーション強者ではない私なんかが関わっても大丈夫?? という皆さまの疑問にお答えすべく、2人の「ローカルドリブン体現者」にインタビューしてみました。ARUYOで出会ってARUYOから人生が広がったお2人の、「いままで」と「これから」とは?
自分探しの迷路で見つけたカメラマンの仕事
──ARUYOに出会う前のお2人について教えてください。まずは番場さんから。
番場 萌さん(以下番場):私は足柄上郡大井町出身で、高校を卒業してからは、アパレルなどいろいろなお仕事を転々としていました。初めてちゃんと就職したのは21歳のときで、建築業の経理。そこで3年半勤めたあとは、田舎が好きなので、リゾートバイトをすることに。それから2年くらい、26歳の頃まで地方で働いていました。コロナ禍になってからは、地元に戻ってまたアルバイト。しばらくそんな生活を続けていましたが、やっぱり地方に行きたくなって、今度は北海道にアルバイトに行きました。牛が好きだったので牧場で働いていたのですが、そこで、趣味として仕事風景を撮らせてもらってたんです。
──のっけから情報量が多いですが(笑)、とにかくいろいろ転々とされて、そこから北海道で、カメラマンとしての活動開始、と。
番場:いえ、写真はあくまで趣味で、当初は牧場で働きながらWEBライターをしていました。
──WEBライター! 思いの外、迷走されたのですね。なぜライターを?
番場:どこかに住んで、そこで「雇われる」ことに縛られたくなくて。ライターならノマドワーカーになって、いろいろな町に行ける!と考えたんです。
──カメラマン志望ではなかったんですね! そこからどうやってカメラマンに?
番場:北海道から戻って、今度は友人とルームシェアするために横浜に引っ越したのですが、次は「食っていくため」の仕事だけじゃなくて「自分の好きなこと」も仕事にしたい、と思うようになり、去年(2022年)の夏ごろからカメラ学校に通い始めました。北海道で撮影した写真をアルバムにまとめて牧場の方に差し上げたときにとても喜んでもらえて、感動したのがキッカケです。「好きなことで人に喜んでもらえるのって嬉しいな」と。学校は2022年11月にカメラ学校を卒業して、12月から業務委託でカメラマンの仕事をするようになりました。
思い立ったら即アクセス!で夢を実現
──ようやくカメラマンにたどりつきました(笑)。ありがとうございます。では、次に鳩村さんのご経歴を教えてください。
鳩村加奈子さん(以下鳩村):私は関東を拠点に競馬や犬のライターとして活動しているのですが、高校の頃は、なにも考えていなくて……。働きたくない、社会に出たくない、なにもしたくない! と(笑)。とはいえ一応、法律系の専門学校は卒業しました。でも、当時は就職氷河期。専門卒、しかも女性だと就職先がほとんどなかったんです。そこで公務員試験を受けて公務員になって、総務省の統計局に勤めました。国勢調査とかそういうことをする局ですね。そこの研修でプログラミングを習って、プログラマーとしてカンボジア支援に出たりしていました。
──不況に強い公務員、しかも総務省、研修の知識でプログラマーになり、海外で支援活動。「なにもしたくない」という言葉と裏腹に、とてもしっかりされていますね。
鳩村:母子家庭育ちで「就職浪人はヤバい!」という危機感がありました。でも8年くらい働いてみて、つまらなくはないのですが、「やりたい」とは思えなくて。ある日、1人で中山競馬場にいったら「競馬、楽しいじゃん!」と衝撃を受けて、即「私、競馬の仕事します」と総務省を辞めてきました。
──驚きの行動力! ちなみに、競馬のどこに魅力を感じたのでしょうか。
鳩村:競馬場に行くと、馬が芝の上を走っている姿が目の前にあって、芝を蹴る音が聞こえたり、とても臨場感があるんです。馬が生まれてたくさんの人に育てられ、成長して、デビューして、大きなレースを勝ち抜く。そういう馬のストーリーを身近に感じられることが、とにかく楽しくて。それまで好きなことがなかったので、初めて心の底から好きだと思えた競馬を仕事にしたい、と思ったんです。
──なるほど。しかし、総務省出身の人に競馬の仕事はあるのでしょうか。
鳩村:ないですね。それで競馬関係者に直接電話しました。
──いきなり!?
鳩村:はい。求人広告に30歳の未経験が行っても、断られるんですよ。それに、以前思いつきでお店を経営したことがあるのですが、人脈がない状態で暗中模索だったので、まったくうまくいかなかったんです。だから、「競馬の仕事をやりたいなら競馬関係者に電話するのが近道だ」と思って。その電話で、人が足りていないという現場を教えてもらったので、そこに問い合わせをしたら「本来は採用しないんですが、データベース分析ができるなら」と。私、総務省にいたときに……。
──統計局ですものね! つながるものですね……。鳩村さんのスピード感に若干飲まれ気味ですが、いよいよお2人の「ARUYOとの出会い」についてお聞きします。まずは、番場さんから。
ARUYOのSNACKイベントが物語の始まり
番場:カメラマンにはなったものの、依頼が少なくなかなか暮らせるようにならなくて。ライターの仕事をくれていた会社も潰れてしまい、今年の4月でルームシェアの契約も切れる予定たっだので、地元に戻りました。またアルバイトでしのごうかと思ったのですが、ARUYOのスタッフであるあみちゃんに色々と相談していたら、ARUYOに誘われました。
──長いもやもや期を経てやっと「やりたい仕事」に就いたのに、なかなかスッキリいかないものなのですね……。
番場:そうですね。コロナ禍で予定外のタイミングで地元に戻ったり、ライターの勉強したのにクライアントの会社がなくなってしまったり、やっとカメラマンになったのに仕事はない……と思い通りに行かないことが続いて、かなり行き詰まっていました。
──あみちゃんの誘いで実際にARUYOに来てみて、どうでしたか?
番場:「オシャレできれいなところだな。めちゃめちゃいい!」と思いました。鳩村さんがママをやっているSNACKイベントが開催されている日で、会場に着いたらすぐにあみちゃんから鳩村さんに紹介してもらったんです。「カメラマンやってる友達なんですよ」って。そしたら、鳩村さんがいきなり「躍動感のある犬の写真、撮れますか?」って(笑)。
──またいきなり(笑)。
鳩村:そのとき、ちょうどカメラマンさんを探していたんですよ。当時はARUYOを通じて小田原市とつながって、4月から市の委託でドッグランを契約できたところでした。他のドッグランと差別化するためになにかイベントをできないかと考えたとき、「ワンちゃんの撮影会やりたい!」と思いついて。
スルーされても気にしない!DM活用法
──そもそも鳩村さんは、なぜその日、SNACKイベントを?
鳩村:私はそれまで競馬やキャンドルの制作販売など、「好き」を仕事にしてきました。犬も大好きで、今は3匹の犬と暮らしているのですが、「犬と飼い主さんが一緒に楽しいを共有できる場を提供できるビジネスができたらいいなぁ」と思っていて。それで「何をしよう」と考えたとき、「犬が喜ぶ、自然が豊かな環境がいい」と思いついたんです。小田原は東京からのアクセスがよく、海も山もあって、特産品もいろいろある。この豊富な資源を活かしてなにかをしたい、と。ただ、その頃は小田原にツテがなかったので、いろいろ検索してARUYOのコアゼさんのX(Twitter)アカウントを見つけて、DMを出したんです。
──また直接! 本当に行動的な方ですね。コアゼさんの反応は?
鳩村:返事は来ませんでした(笑)。
──え!? なんかすみません!
鳩村:そこで、ほかの人にもアプローチしてみよう、と小田原魚國商店にDMを送りました。「小田原の地場食材を使ってワンちゃんのおやつを作ってみたい」と思っていたので、地元の魚屋さんとつながろう、と。魚國さんから小田原とつながり、コアゼさんとも交流する機会ができたんです。
──返す返すも、素晴らしい行動力ですね。DMの返事が来なかった時点で、私ならくじけそうです(笑)。
鳩村:なんでですか? 電話で罵倒されたならまだしも、DMの返事が来なくても痛くも痒くもないじゃないですか。
──たしかに。しかし、実際に小田原に来る前に地元のキーマンにアクセスするのは、とても戦略的ですね。
鳩村:やはり、過去のお店経営の失敗と、競馬のお仕事をいただいたときの成功という2つの経験から、なにかを始めるときは「人脈」が最重要だということを痛感していました。小田原ではARUYOとつながれたことで、自分が望んでいたような人と次々出会うことができています。これは、ひとりではできなかったことだと思いますよ。
ARUYOの信頼、ARUYOだからできたこと
──お互いの第一印象は?
鳩村:かわいい娘だなあ、と。若くてかわいい女の子が大好きなので(笑)。
番場:鳩村さんは、きれいな方だなあ、と思いました。
──なるほど、両思いですね(笑)。ただ、外見が気に入っても信頼関係がないと、お仕事にはつながらない気がします。お互いに初対面で信頼ができたのは、なぜですか?
番場:うーん、あみちゃんの紹介なので、信頼できるだろうと思っていました。自分だけだったらまず来れていないし、来ても話しかけたりできなかったと思います。
鳩村:私もあみさんを信頼しているので、そういう意味での不安はなかったです。「あみさんが連れてきた人なら大丈夫」と。
──(初回のDMスルーはさておき)まさに狙い通りの展開ですね。一方、番場さんはたまたま友人がARUYOのスタッフだった、という意味では、戦略ではなくなりゆきでしたね。
番場:そうですね。私はそれまでほとんど人物しか撮ったことがなく、動物も家畜だけだったので、ワンちゃんを撮るのは自分の中には「ない」選択肢でした。やってみて「これだけ需要があるんだ」と知り、今後の選択肢が増えました。ARUYOで自分の仕事の幅、そして自分自身の枠ががすごく広がったんです。ここでしか得られない出会いだったな、と思います。
2人の今後は
──今鳩村さんとやっているドッグランでの撮影から、次のお仕事へつながったということはありますか?
番場:まだ話の段階ではあるのですが、ドッグランの撮影がきっかけで、市内の公園を管理する方たちとつながることができました。秋にわんちゃん撮影会をもう一度やってはどうかというお話をいただいてます。それと、ドッグランで撮影したお客様の口コミから、お仕事をいただいたこともありました。
──すごいですね。ARUYOで出会った仕事がさらに新たな仕事を呼び込む、これぞローカルドリブンですね。理想的なスパイラルだと思います。鳩村さんは、今後どのような展開を?
鳩村:やっぱりワンちゃんのおやつを作るという夢を実現したいですね。先日、小田原市のSDGsパートナーに申し込んで採用されたこともあり、食材はすべて、小田原の食用にはならない特産品を使おうと思っています。農産物や水産物の硬い部分などをパウダーにして、ドッグフードにかけるふりかけに。ワンちゃんも、味変してあげると喜びますよ。パッケージには、コアゼさんの娘さん、まほちゃんのイラストを使おうと思っています。
──お2人ともやるべきことを行動に移し、しっかり「好き」を仕事につなげていますね! とってもカッコいいです。でも憧れる一方で、私は初対面の方とお話すると緊張して話せなかったりするので、もし自分ならお2人のような展開にはならないかも……などと考えてしまいます。特技もなく、ARUYOから情報をもらうだけでは申し訳ない気もするだろうし。
鳩村:ARUYOのスタッフさんが私のために時間を使って情報をくれた、というのはとてもありがたく思っています。だからこそ、私も誰かに相談されたときには、時間を割いて情報をシェアして、次につながるサポートをしようと思うんです。誰かにもらった時間や労力はその人に返さなければいけないわけではなく、どんどん循環させればいいと思いますよ。
──なるほど! 心が軽くなるアドバイスです。そのマインドを多くの方に伝えて、みなさんにARUYOを利用していただけるようにしたいです。番場さん、鳩村さんの、新たな展開も楽しみにしています。今日はありがとうございました!
まとめ
行動力と前向きさを兼ね備えた番場さんと鳩村さん、そこにARUYOのあみちゃんやコアゼさんが状況に応じたサポートをすることで、最短距離で人と人とが繋がり、面白いようにビジネスが加速していく。まさにARUYOを起点とした「ローカルドリブン」の理想的な形と言えます。
なぜ今回番場さんと鳩村さんは「ローカルドリブン」を起こせたのか。全くパーソナリティの異なるお2人ですが、共通しているのは「なりたい自分像と、やり方にこだわりすぎない柔軟性を持っていること」だと感じました。今回のお2人は「自分は最終的にはこれがやりたい」「こういう生き方がしたい」という理想をお持ちでした。一方で、そこに至るプロセスや手法には固執せずに、「ドッグランを経営してみよう」「ドッグランで写真を撮ってみよう」など、提案されたことに柔軟にチャレンジしています。
他人から自分の仕事に関して提案を受け入れるためには、強い信頼が必要ですよね。例えば家族とか長年の友人のような。そんな本来長い時間をかけて培う信頼関係が、ARUYOでは超短期間で醸成されているように感じました。「この人なら大丈夫」と相互に思える関係性ができることで、ARUYOメンバーは惜しみないサポートを、番場さんと鳩村さんはそれに全力で応えることができたのではないでしょうか。
ARUYO訪問者とARUYOメンバーの人柄が絶妙にマッチしたときに起こる超短期間での信頼関係構築と、それが生み出す高速のビジネスマッチング。それが「ローカルドリブン」の正体なのでは。どんな時にそれが発生するのか、この連載を通して解明できるといいな。
もし今「やってみたいことがある」「実現したい生き方がある」という人は、迷わずARUYOへ来てください。一択です。また、そこまでじゃなくて「なんとなくやりたいことはあるけど、まだ漠然としている」という方も、ARUYOに来て、誰かと話すことで一歩進むことができるかも。コアゼさんもあみちゃんも、「そんな方こそ超ウェルカム!」とのことです。
お話する勇気が出ない日は、「カフェにコーヒー飲みに来ただけだよ〜」というテイでも大丈夫。そして、もう一歩踏み出せそうだったら、スタッフに「ドッグランの記事読みました。」とひとこと投げてみてください。スタッフが、皆さんに合うARUYOの使い方や役割をナビゲートします。
次の「ローカルドリブン」を起こすのはあなたかもしれません!
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