中国史上、最高の名君の一人が大事にしていた【3つの鏡】とは?

平成31年3月4日 毎日ARUYO通信第198回
中国史上、最高の名君の一人が大事にしていた【3つの鏡】とは?
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三鏡
ってご存知でしょうか?
ライフネット生命の出口社長の書籍【人生の教養が身につく名言集
で、紹介されていたものです。
めちゃめちゃ感銘を受けましたので、ご紹介させていただきます。
ちなみに、この本は、いわゆるスキル本の類とは違って、深い部分での学びが多いです。もちろん、僕が出口さんファン&歴史好きってのは多分にあるとは思いますが…

三鏡
中国史上、最高の名君の一人と呼ばれている、太宗(たいそう)が大事にしていたという【3つの鏡】のことです。
それらは、
銅、歴史、人です。
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太宗(たいそう)、嘗(かつ)て侍臣(じしん)に謂(い)ひて曰く、
夫(そ)れ銅を以て鏡と為(な)せば、以て衣冠(いかん)を正す可(べ)し。
古(いにしえ)を以て鏡と為せば、以て興替(こうたい)を知る可し。
人を以て鏡と為せば、以て得失を明(あきら)かにす可し。
朕(ちん)常に此(こ)の三鏡を保ち、以て己(おの)が過(あやまち)を防ぐ」
〈原文抜粋〉
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この3つの鏡さえ持っていれば良い意思決定を下せる
逆に言うと、リーダーはこの3つの鏡を持っているべし
というものです。
銅の鏡:いわゆる鏡のこと。鏡に映し出された自分の顔や姿から、自分の心身の状態をチェックしなさい。
意思決定には大きな集中力が必要なのだから、いつもいい健康状態でいなければいけないよ。
ということ。
古の鏡:歴史のこと。将来何が起こるのか?誰にもわからないのだから、過去の歴史を学んで、大きな物事の流れを類推出来るようにする。
もっと言うと、人類の歴史で、自分にしか起こらない、全く新しい経験なんてものはない。だからこそ、過去の出来事を学んで準備をしておくことが大切だよね
ってことです。
人の鏡:人のこと。率直に「あなたは間違っている」と言ってくれる仲間を周りに置きましょう。それを鏡にしましょう。
というものです。

この3つ目の鏡に関して、太宗という名君は、魏徴(ぎちょう)という参謀を置いていたそうです。

この魏徴を参謀に決めた時のエピソードが非常に面白いのです。
元々この魏徴という男は、太宗の兄に仕えていた、教育係だったそうです。
その兄はおっとりしていた人物で、皇帝になるにはちょっと物足りない男だったようです。
だからこそ、この魏徴は早くから、
「弟の太宗を早く殺しなさい。そうしないと、自分が殺されてしまうよ」
と進言していたそうです。
結果的に彼の予言は的中して、実際に太宗は兄を殺し、皇帝になったそうです。
その直後に、太宗は、魏徴を罪人として死刑をしようとしました。
その時に、彼は魏徴に、
「私の兄に私を殺せと言い続けたのはお前か?」
そう、質問すると、
「そうです、私はこうなると思っていたから、早くあなたを殺せと言い続けました。あなたのお兄さんがもっと分かる人であったならば、私はこのように、死ななくて済んだのに…」
と答えると、
太宗は、
「お前は今後、俺のそばにいて、俺の悪口を言い続けてくれ」
と言って、殺すどころか、参謀として採用したそうです。

そして、この太宗は、【大唐世界帝国】と言われる、一代国家の基盤を築くわけですが、魏徴が死んだ時に、
「人を鏡としてはじめて、自分の行為が的を得ているかどうか?わかるものだ。私は鏡とする人物を失った、もう二度と自分の本当の姿を見ることができないのだ」
といったそうです。

また別の話ですが、
古代ギリシャの哲学者で「万物の根源は水である」と唱えた、【古代ギリシャの七賢人】のタレスには次のようなエピソードがあるそうです。
「何が困難なことですか?」
と問われると、
「自分自身を知ることだ」
と答え、逆に、
「何が簡単なことですか?」
と聞かれると、
「他人に忠告すること」
と答えたそうです。


この二つの話は、
素直であること
と、
謙虚であり続けること
の大切さを改めて、教えてくれます。
「そんなこと、小学校の時から教わっているだろ!?」
と思う人がいるかもしれません。
はい、確かに幼い時分から言われ続けてきましたよね。
このように、2000年も前から言われていることなのです。
でも、それは簡単ではない。
って同時に言っているようにも思うのです。
簡単だったら、どこにも書かれていないですし、そもそもこれらのエピソードは、語り続けられませんから。

だからこそ、上手に人の力も借りながら、
素直で謙虚であり続けれられるように、努めなければならない
と言っているように思ったのです。

繰り返しここでも書いてきましたが、仲間には大変恵まれています。
毎朝ヒゲを剃っていますから、鏡も見ています。
でも、自分の心身の状態がいいのか、自分はいい顔をしているのか?
という観点で見ていることは少なかったように思いますので、そこの意識を高めてみます。
引き続き、時間を見つけては本を読み、歴史を学び、見識を広げていこうと思うのです。
素直で謙虚であれるように努めていきます。

書いてて思ってきたのですが、
この3つの鏡ってのは、ある意味でシステムって考えることもできますね!?
人と道具(鏡・書物)を活用して、自分をモニタリングし続ける。
うーむ、凄いですね。
このシステムについては、もうちょっと考えて、整理が出来たら書きたいと思います。
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 中田雅之

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