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空気を読まないでください
私は長年グラフィックデザインの仕事をしてきて、関わる人は殆ど広告代理店のアドマンだ。
彼らは鍛えられているせいか、ものすごく空気が読める。
…というか、勝手に空気を読んでくる。
アドマンという仕事を日本で続けていく上で、絶対的に必要な能力なのだろう。
私は新しい仕事の打ち合わせをしている時などに特にそうなのだが、話を聞きながら人には見えない紙面が目の前に浮かぶ。そして、その見えない紙面でレイアウトやデザインを妄想し始める癖がある。それをすることで、確認する必要があるものなどが明確になってくるのだ。
でもそのことに夢中になると、アドマンが伝えたい「次の話」が上の空になってしまう。
無言で宙を見つめる私の表情を見て、彼らは勝手に空気を読む。
あぁ、コイツ、この仕事やりたくないんだな…って。。。
「やりたくないなら言ってよ。他のデザイナー考えなきゃならないからさぁ!」
なんて、妄想中に唐突に言われて我に返り
「待って、待って!私、もう自分の仕事に取り掛かっちゃってるんです。やりたくないなんて、とんでもない!」
「取り掛かってる???何言ってるの?」
それで揉めたこと数知れず、、、、、、
で、妄想が始まりそうになったら
「今内容を頭の中で整理してるんでちょっと待ってくださいね。すみません、頭の回転が鈍くって…」
と言うようにしたら、次の言葉を待ってくれるようになった。でも、あまり長く無言でいると
「ねぇ、やりたくないの〜?」が出てくる。
彼ら、忙しいものね。私の妄想にそんなに長々と付き合えないよね。
こんな私に何十年も仕事を任せてくれること、心から感謝しています。ありがとうございます。
ただ、お願いがあります。
世の中、みんな『察してちゃん』ばかりじゃないんです。
どうか、どうか、勝手に空気を読まないでください。
その空気、そちらの思い違いなんで。。。。。