見出し画像

【スト6】起き攻め期待値と安定する択の選び方について

格ゲーの攻略を調べてると一度は言われたことがある文言、
「起き攻めされてる時は防御択をバランスよく散らしましょう」

これ、実際にどれくらいの比率で受けたらいいか?の正解って知りたくないですか?

知りたいですよね。

実際、正解の理論値計算なんてできるのか?と思って色々調べてみた所、
じゃんけんグリコ( グーで勝ったら「グーリーコ!」って言いながら階段を登るアレ ) で最適戦略を計算している記事を見つけました。

んじゃ同じノリで計算したら行けるんでね?
…ってことで、机上で理論的な正解が出せないかをゴリゴリ計算してみたら、結構色んなことがわかって捗った、というお話になります。


結論から

まずは理論計算で得られた結論から。導出とかはアホみたいに長くなっちゃったので別記事にまとめます。

期待値の理論計算の結論としては、

  1. 「常にこの比率で受けてれば最強!OK!!」みたいな
    夢のような比率は流石に無かった

  2. が、「相手がどういう傾向で起き攻め/防御してるか分からない時」に、「いったんこう防御/起き攻めしてると期待値が良い感じの値に安定する」という、「安定択」は存在した

  3. で、相手が「安定択」からどれかに偏ってるな~って事が分かった場合、
    自分は最も期待値の高い択1つを100%選ぶのが期待値上最強

でした。

ただ、実践で「以降100%同じ択を選びます」ってやると相手にも対応されちゃうので、実践としては

  • あらかじめ「安定択」を計算しておいて、
    「相手の傾向がわかるまで」は「安定択」を選び続ける

  • 相手の傾向が分かったら、「安定択」をベースに、
    相手の偏ってる択に勝てる選択肢の比率を上げる

  • 相手も気づいて選択肢を変えてきたら、
    また変化後の択で選択肢の比率を変えてあげる
    ( 読み合いを回す )

というのが良いと思います。

「な~んだ結局最後はいつもと同じ読み合いじゃねーか」と思うかもしれませんが、こちらには「安定択」が分かっています。

「安定択」は、自分の選択肢の変な偏り防止になりますし、この択で受けるつもりであれば、初手で噛み合っても「仕方ない」と割り切れます。

もし、対戦中に相手の傾向が分からなくなってパニックになってもいったん落ち着くために「安定択」に戻す、ということもできちゃうワケです。

…どうでしょう、結構メリット大きくないでしょうか?

「安定択」の計算について

「安定択」は択の種類(正確には択ごとのリスク/リターン)で変化します。
例えば「打撃/投げ/シミー」の3択を「ガード/遅らせグラップ/最速バクステ」で受けるのであれば、だいたい

▽攻撃側:
 打撃:投げ:シミー = 22%:53%:25%
▽防御側:
 ガード:遅らせグラップ:最速バクステ = 53%:25%:22%
※いずれも小数点で四捨五入

で攻める/受けるのが「安定択」になりますが、
これを「ガード/OD昇竜/最速バクステ」で受ける場合は

▽攻撃側:
 打撃:投げ:シミー = 17%:41%:42%
▽防御側:
 ガード:OD昇竜:最速バクステ = 60%:14%:25%
※いずれも小数点で四捨五入

で攻める/受けるのが「安定択」になります。
※↑のダメージ期待値は「キャミィミラー・中央起き攻め・打撃/シミーではドライブラッシュを1回吐く・SAは吐かない」で計算してます。

じゃあ、「対ベガ/マリーザみたいな高火力キャラの場合は?」とか、「ODストライクがある場合は?」とか、「CAが絡む時は?」とか計算したくなるわけですよね。

はい。
というわけで、誰でも計算できるようにスプレッドシートを作りました。

3択×3択、4択×4択に対応してるので、コピペしてあれこれポチポチ入れてみてください。

値感によっては 安定択がマイナスになる可能性がありますが、
その場合はそのN択が選択肢として成立してないので、選択肢を調整いただければと思います。

ここはスプレッドシートを触っての肌感覚になりますが、
リスクリターンが変化した時の安定択の変化としては、
だいたいは「その択のリスクが上がった場合はその行動は控えめになる」「その択のリターンが上がった場合もその行動は控えめになる」という感じでした。

後者は直感的には「?」となりますが、
おそらく理屈としては『自分のリターンが上がると、相手の「安定択」は、それに負ける選択肢を減らして他の選択肢を増やすことになるので、結果的に自分の「安定択」としては、リターンの上がった選択肢は減る』ということだと思います。

キャミィはアプデでOD昇竜のリターンが減ったので、前よりもいっぱい撃って良いってことになりますね!

副産物として分かったこと

混ぜるべき/捨てるべき選択肢が計算で整理できる

「安定択」よりもこっちの方が恩恵が大きいかもしれません。

上で「安定択」って呼んでいるものは、実は
『相手がどの比率で各選択肢を選んでいたとしても、自分が「安定択」を選んでさえいれば、期待値が必ず一定になる確率』です。

そう。「相手の選択肢によらない」ので、起き攻めの「期待値」が計算できちゃいます。で、3択/4択の「期待値」が計算できるので、どちらの3択/4択の方が良いか?という評価を感覚に頼らずできるようになります。
これがまぁすごい。

例えば、「画面端のキャミィの逆択、ODストと弱ストだとどっちが強い?」とか、「起き上がりジャスパは混ぜるべき?」とか、だいたい「こうじゃね?」という話が自分で計算できるようになるわけです。

例題1:キャミィの逆択問題

例によってキャミィミラー。
端で打撃とシミーが通った時にDRコンを選択するとして、
ODスト選択と弱スト選択の差分は下記とする。

◯ODスト
・投げにパニカンした場合
 → コパアローで起き攻め( 1830ダメージ )

◯弱スト
・投げにパニカンした場合
  リフトアッパー > TC > 大ナックルで入れ替え+起き攻め
  ダメージが1540、入れ替えがダメージ2000点相当で、
  合計3540点ダメージとれてるくらいのリターンとする。
・シミーされてた場合
  5F確反からのDRコン( コパ大pラッシュ4大K4大K中アロー大スパイク )で
  2845ダメージを取られる

という条件にして、期待値を計算すると…

上:ODストライクの場合 下:弱ストの場合

となる。期待値で見ると、ODストの代わりに弱ストを打つと相手の起き攻め期待値を300点ほど増やす(防御視点だと損)という結果になってしまっている。

「投げに噛み合った時のリターンの上昇」よりも「打撃のみならずシミーにも負けるようになる」方がめちゃくちゃ痛いようだ。

試しに、入れ替えのリターンが何点相当なら弱ストの方が有利か?を調べてみたら、11000点という無慈悲な値が出た。入れ替えられたザンギエフ君がびっくりして即死してくれたらやっていいらしい。

例題2:起き上がりジャスパを混ぜるべきか

こちらもキャミィミラー。

中央起き攻めを想定。打撃埋めだった場合に100%ジャスパ成功できるとして、ジャスパ側の差分は下記とする。

◯打撃をジャスパできた
 大P >大ナックル > コパアロー ( 1255点 ) 取れる
◯ジャスパを投げられた
 パニカン投げで2040点喰らう

こちらも期待値計算すると…

上:ガンガードする場合 下:ジャスパする場合

となり、ジャスパを選ぶ方が50点ほど相手の起き攻め期待値を上げてしまっている事がわかる。

ただ、弱スト問題と違ってジャスパ成功時のリターンがあと800点伸びるとジャスパした方が相手の起き攻め期待値が少なくなるので、端入れ替えなどの大きな理由がつくのであればやっても良いかも、という程度になっている。

ただ、相手がシミー時にパリィを見てから投げられる人の場合は、ジャスパすると却って期待値が悪化してしまうので、ジャスパはほぼ選択できなくなる模様。

シミー時に見てからパリィを投げられちゃう場合

他にも応用は利くよ

↑で示した例の他にも3択vs4択、みたいな時にも比較はできるので、気になった選択肢はポチポチ入れて計算してみるとサッと結論がでて攻略が捗りそうですね。

ちなみに筆者は、
キャミィの中足や2中Pラッシュ後に何も考えずにラッシュ2大P大Pタゲコン中アローを選んでたんですが、ちゃんと整理して起き攻め期待値を計算してみたらJ中pスト後の起き攻めに比べて300点も損していると分かってしまい、端到達しない場合はちゃんとラッシュ2大p~じゃなくてラッシュ大p > リフトTC > J中Pスト 選ばないとなぁ…となりました。

終わりに

以上です。

スプレッドシートが壊れてたり計算ミスしてたりしたら優しく教えてもらえると嬉しいです。

補足の別記事は↓になりますが、ダラダラと安定択の導出をしているので、物好きな方がいればどうぞ…


いいなと思ったら応援しよう!