田舎の楽園Tenuta Campi Flegrei農園で考えるこれからのレストランのあり方
福岡県福津市、畑と山に囲まれた一軒家レストランに、愛媛県松野町森の国ホテルのみなさんとともに行ってきました。
博多から車で30分ほどの、田舎町。まさかこんなところにレストランなんてあるの!?っていうところにひっそりと別荘のように佇んでいました。
Tenuta Campi Flegrei農園とレストランA PUTEC FLEGO。
オーナーシェフはイタリアン人のシルヴィオさん。
もともとは船乗りだったそうで、日本人のアイさんと結婚し、あいさんの実家福津市にやってくる。
自分たちで古民家を改装してオープンしたFarm to Table(農場から食卓まで)を体現したオシャレなイタリアンレストラン。
ここはどこかイタリアの地方のようで、白を貴重とした空間でイタリアを表現しながら、日本の屋根や木、庭園をそのまま残しているので周りの日本の景色にも自然に溶け込む。
青空と畑と古民家。最高に気持ちがいい!(電線だけが唯一もったいない(T_T))
こんな何もない田舎に人が集まるとは思えないが、なんと店内は平日昼間にもかかわらず満席。
そしてお客さんも店員さんもとても素敵でここだけ時間がゆっくり流れているように感じる。
テンションが上がって興奮しながら敷地内を歩き回るひこたさんとほそばさん^^
店内は満席ということでテラス席で頂く。
今日は天気がとても良かったのでテラス席で大正解です◎
ランチは、ア・ラ・カルト、4000円のランチコース、2000~3000円のパスタ/ピッツァランチなど選べる。
今朝シェフ自ら漁港に行って貰ってきたという蛸がおすすめということで、前菜として頂いた。
上には隣の畑で採れたフェンネルとバジル?かな。
ワインを飲みたくなるような雰囲気だけど、ノンアルコールの種類も豊富で魅力的。
イタリアのオーガニックコーラを注文。
わたしはピッツァランチを頂きました。
じゃがいものコロッケ、カリフラワーのムース、紫人参のブルスケッタ。
野菜の味が優しく表現されていて最高に美味しい。
素材の味を活かしながらイタリアーンな感じにアレンジされていてマダムな前菜に様変わりしている。
(縞々の影が更におしゃれ度を増しています)
そしてこちらが畑の野菜をふんだんに使ったピッツァ。黄色いソースはイタリアンかぼちゃのソースで、日本の甘いかぼちゃとは少し違ってさっぱりしている。だからこそ上に乗ってる野菜の味も引き立つのかな。
ここの畑ではヨーロッパ野菜を中心に育てているそうで、ビーツやケール、紫人参などちょっと珍しい色鮮やかな野菜がたくさん。
ナポリスタイルのピッツァは大きくて自分でカットして食べるスタイルだという。
イタリアでは真ん中だけ食べたりすることもあったり、食べ方も自由なんだって。
デザートはティラミス。このティラミスは間にサヴォイアルディ(ビスコッティ)が挟まれていないタイプ。クリームも濃厚というよりかは優し目の味。
そしてこのあとサルヴァトーレさんがわざわざ車で会いにやってきてくれた。ここのオーナーのシルヴィオさんとはご友人で仲がとても良いんだそうで。
ピッツァをハサミで切るw。
じつはその理由もちゃんとあって、ポイントは空気。
「ナイフとフォークで切ると、潰れちゃうでしょ?ピッツァは空気なんだよ。だから潰さないようにしなきゃ。」
たしかに。ハサミで切ると断面が全然違う。フワッフワ。
『空気と水を売ることができないと話にならんよ、』とこちら大企業の経営者は語る。
料理でもなんでも、空気と水を使わないモノはない。そしてそれらがその土地の唯一無二のオリジナリティであり価値となる。
『どこどこ産のフォアグラですって出すよりも、こんな水を使って作ったんですって言ったほうが響くでしょ。』
なるほど…。と深く頷く一同。。
ここの凄さは外観だけではない。
店内も、ものすごく素敵な空間なのだ。
右奥のピザ窯の中まで丸見えのオープンキッチン。
窯の中でピッツァが焼ける様子まで見える。
この空間の中だと天井からぶら下がったニンニクですらおしゃれに見える魔法。
さらにさらに、物販もものすんごい良い。
目の前で育てたヨーロッパ野菜をきれいに並べて販売する。これは買いたくなるよね。
価格は高めに設定しているけれど、ランチを食べた奥様たちが並んで買って帰るのはとてもうなずける。この空間でこんな珍しい野菜が売っていたら買って帰りたくなっちゃう。
そしてなによりスタッフさんのサービスが素敵。サービスはみんな女性で、この辺りに住んでいるそう。
ストレスフリーな環境で働いている様子が伺えて、とても穏やか。
そんな幸せな空気感が漂っているので、ひこたさんとほそばさんがワインを飲みながらテンションマックスでずっとコント漫才のような会話を永遠に続けているのもうなずける。w
終始笑いっぱなしの幸せな時間でした。
田舎に、こんなレストランが増えたらいいな。食べるだけでは終わらないレストラン。自然と共生しながら、コミュニティを創る場所。
#森の国リパブリック構想 にも大きなヒントをもらえた日となりました。