自己破産について…

例えば、予備試験で倒産法にしようかなと思っている人にイメージを持ってもらえば幸いです。
また、自己破産を考えてる人に…
私も倒産法にしようと思っています。
ちょっと値が張るけど伊藤塾にしよっかな…

さて、私は法テラスを使って弁護士さんに依頼しました。法テラスに電話をかけて相談予約をします。
3回までは無料なので安心してください。
代理人はその日担当してくれた弁護士になりますので
選べません。

あらかじめ自分で債権者と債権残高、ローンの用途と
公共料金などの必要経費や食費など一ヶ月の家計の状況をまとめて弁護士に見せればよいでしょう。特に旅行や高価な買い物、ギャンブルに使ったお金、キャッシュレスの電話料金合算払い(d払いやaupayなど)や後払いシステム(ペイディなど)は注意が必要です。キチンと金額を掴めればベストです。

破産の方針が決まると暫くして大量の資料や陳述書の用紙が送られてきます。必要書類も要求されます。
家族全員の住民票の写しから登記簿謄本、戸籍の写し、課税証明に源泉徴収票。現在加入している保険証書と解約返戻金の確認書類。
過去二年に遡って加入していた保険証書や解約返戻金がいくら払われたかの証明。
各債権者との契約状況と支払い明細に残高証明。
自家用車があったので車検証と車の査定を最低2社で。

なお、通帳レスタイプの口座や買い物の履歴など、PDFで発行できる場合が多くあります。
通帳の表紙などは既に使用済みの通帳であったり
口座証明などがPDFで出せる場合がありますので、
分からなければ銀行や債権者に相談してみてください
その際聞かれたら破産する旨話をしていただいても構わないと思います。たまに弁護士は誰?としつこく聴いてくる債権者もいますが、債権者に弁護士から受任通知(破産者の代理人になったことを債権者に知らせる通知)が届かない限りは話さない方が得策でしょう。

さらに送られてきた陳述書の作成(雛形があるので大丈夫)と家計状況の作成…できるだけ領収書を頼りに正確に…(あとで結構突っ込まれる)それを証明する書類もつけます。

これに法テラスの民事扶助制度申請を出します。
一定の収入以下でないと受けられません。

これを持って約一ヶ月後に再度面談をして、申し立てに移ります。担当弁護士の方針で書類がすべて揃わないと申し立てはしないとのことだったのでこちらも必死に書類集めをしました。
やはり書類作成や収集は大変なので、途中で投げ出す人もいるようです。スマホ代の滞納があった場合強制解約となるので連絡もとれなくなるようです。
(この点、早めに審査レスのSIMフリーキャリアに変えておくことをお勧めします。スマホ代の滞納が増えると厄介ですから。)

というわけで仕事をしながらの資料集めは難しいと判断し、休職しました。
精神疾患もあったので傷病手当の受給に踏み切りました。
私はいわゆる制限職種といって破産者であるうちは
その職業で働くことはできません。後に述べる免責決定を受ければ復帰できます。
仕事は辞めなくて良いと弁護士にも会社にも言われましたが、疲れていたこともありまた会社に迷惑がかかると考えそのまま退職しました。
退職したので、ハローワークへ行ったり公的年金保険の手続きを済まし、会社天引きがなくなった残りの市民税の額を確認します。
傷病手当金と失業保険は同時に受けられませんので、
退職日から30日にあたる日に失業保険の受給期間延長申請をしておきます。
傷病手当金は退職後も頂け、基本的には医師の証明があれば1週間程度で振り込まれます。最長通算で1ヶ月半です。

11月末に申し立て、12月すぐに破産手続開始決定並びに廃止決定が同時になされました。これが同時廃止ってやつで、裁判所に払うお金も官報掲載料に切手代などで済みます。今回は法テラスの費用内で賄えたようです。(因みに官報確認しました。)
但し、資産が残っている場合や車にローンが残って所有権留保になっているとき、また浪費ギャンブルで貸金が膨れ上がっている場合、後払いの金額が尋常でない場合など後に出る免責決定ができない可能性があるときは破産管財人が入って調査します。
このときは裁判所におよそ20万円程度予め納めなければなりません(管財事件)。

で、免責決定がおりるのが2カ月後。その間に債権者から異議あるか待ちますが、個人間のお金の貸し借りやない限り異議は出ないだろうとのことです。
破産手続開始決定当日付で債権者から残高証明など請求もしていないのに送られてきます。念のため大事にとっておきましょう。あと、口座振替で返済している債務については残高不足にするかサブバンクに口座変更しておくのが無難です。実際1ヶ月分抜かれてしまい、弁護士を通じて返金手続きをとりました。
免責不許可になる原因だけでなく、債権者も破産手続を妨害する行為となりかねませんしね。
↑イマココ

手続き中は特定の債権者に返済したり、旅行やギャンブルは制限されます。バレたら免責決定おりません
ということで今年は毎年必ず遊んでいたKEIRINグランプリもクイーンズクライマックスも遊べません。
まあ、他の楽しみを見つけるのみです。
どっかへ初詣もいいかななんて思っています。

再就職を果たすべく障がい者職業センターにお世話になることとしました。年齢のこともありますし司法試験一本は余りにもリスクが高すぎます。

以上、依頼者の視点から破産手続きの大枠を書いてみました。
司法試験で倒産法をとる皆さん。実務に出たら、法テラス使って安く依頼する人が圧倒的に多いことを忘れないでください。着手金が安すぎると思います。
そして必ず依頼者と密に連絡を取って下さい。
私も色々質問しましたが、なかなか弁護士が忙しく
十分にコミュニケーションがとれたとはいえません。
(家計の状況は相当突っ込まれましたし)
ただ、それも含めて書類もうまくまとめてくださいました。弁護士さんには感謝です。

自己破産を考えてる皆さん
自転車操業になったら迷わず相談して下さい。
まだ、免責決定までは至ってませんが、同時廃止になりそれだけでも気持ちが楽になります。
書類を集めるのは大変ですがそれができれば手続きは始まったようなものですからね…

※追記
実は自宅に借地権が設定されているため、大家さんに月々地代を払わなければいけないのですが、2カ月程遅れていました。契約者は父親なのですが私が代行して払っていました。

その分は本当は債権者名簿にあげなければならないそうですが毎月1ヶ月分は納めていることや大家さんから特に催促などがないこと、大家さんとの関係悪化(過去に100万以上の滞納があったこと)を考慮し、私が父親に援助して父親名義で払うこと(という体にして)で今回は破産手続に加えませんでした。こういう事例もあるので分からないことがあれば弁護士に相談しましょう。

もちろん借地権の契約書などは提出済みです。
また、その辺の事情も補足説明して裁判所に陳述しております。正直に話をすれば相手も人間ですから何らかのアドバイスはしてくれますし、追加資料の提出もアドバイスしてくれます。