やりたいことがわからない

やりたいことがわからない

私は仕事柄、学生の将来の仕事を決める場面によく触れています。

学生に対して、「どのような仕事をしたいですか？」との質問をすると、

・何をしたらいいかわからない
・やりたいことが見つからない
・わからない（考えることが嫌）
・そもそも仕事をしたくない

と、いう答えが返ってくることが多いです。

「やりたいことが分からない」という答えの奥には、もうすこし深い意味がありそうです。

授業の休憩時間や休みの日に、全く何もせず過ごしている人はほとんどいないでしょう。スマホの画面を見ているのなら、自分の興味のあるものがそこには映っていることでしょう。

ただ単にやりたいことを言うのであれば、そのスマホの画面に映っていることを答えれば良いわけですよね。

しかし、仕事に関するやりたいことを聞かれた場合は、今すぐやりたいことではなく将来やりたいことは何なのかを聞かれたように感じ、答えに戸惑ってしまいます。

多くの人は遠い将来のことは、ぼんやりとしか思い浮かべられないでしょう。

仮にハッキリとした理想を持っていたとしても、それを周りの人が認めてくれるかどうかの心配が浮かんできて、声に出して言うことをためらってしまいます。

その結果、考えることが先延ばしになり、将来の仕事に対しての行動が遅くなってしまいます。

今回は、将来の仕事について考える時期になってしまった方へ、

「こういう風に考えると、無理なく動き始められるよ」

と、いうお話をしたいと思います。

５年後、１０年後の姿

自分の将来５年後、１０年後にどうなっていたいのか。
何をしている姿であれば幸せと感じられるのか。

それを想像することから始めると、今の自分がどう動けばいいのかが見えてきます。

例えば。

「５年後にはグラフィックデザイナーとして、広告会社でポスターやフライヤー制作をしていたい。」との思いがあったとしたら。

どうのように考えていくか？

（もちろん直接広告会社を目指して、就職活動をすることも良いと思います。）

ただ、自分の中の心配事として、

・デザインについての実力（学習）がない
・広告についての知識も経験もない

などの思いがあったとしたら、この部分を解決することが必要です。

（繰り返しとなりますが、もちろんそれでも直接広告会社を目指して、就職活動をすることも良いと思います。）

解決する方法は、その分野においての実績を作ることです。
実績を作ることで、実力、知識、経験の全てが手に入ります。

ここで採用する企業の担当者の見方を紹介しておきます。

採用面接などにおいて、「これから頑張ります」の言葉より「これまでこんなことをしてきました。これからも頑張ります」の方が信用できることは明確です。

ここで話せるような実績を手に入れることは、自分の自信にもなり、相手への信用にもなります。

先ほどの自分の中の「心配事」というのは、できればこれまでの行動によって解決できていれば一番よいのですが、さすがに難しいですよね。

これまでの学生生活の中で、５年後の将来のために時間を費やしてきたかと言われたら、ほとんどの方は黙ってしまいます。

今の自分を満たすことを精一杯に頑張り、そこに自分の時間を使ってきたはずです。ただ、この時間も立派な経験となり資産となっていますので、決して無駄ではないです。

これからは、もっと具体的に５年後の自分のためになるものは何なのか。
そのことをよく考えて行動を選んでいければ良いですね。

動き始めよう

今すぐやるべきことが見えてきたでしょうか？

・実績を作ることが必要なのですが、自信がない
・不安があるのなら、その不安を取り除いていく
・知らないことが不安なら、調べてみる
・出来ないことが不安なら、とりあえずやってみる

例えば、先ほどのグラフィックデザイナーを例にします。

グラフィックデザイナーとして、広告会社でポスターやフライヤー制作をしていたい。
でも、デザインについての実力（学習）や広告についての知識も経験もない。

そこで、まずは直ぐにできることとして、身の回りにあるチラシやポスターを片っ端から見ます。

気に入ったものがあったら、ファイリングしておくと良しです。

そして、そのチラシやポスターと全く同じものを作るようにします。

初めのころは、コピーを作るだけで大丈夫。世に出回っているすべてのチラシやポスターが教科書だと思ってひたすら作り続けてください。

分からないことが出てくれば、調べます。
インターネット、本、自分が探しやすいものを利用すればいいのです。

学生の時期の失敗は、経験という名前の成功です。

どんどん作っていくことが大切です。

作り続けたものが自分の実績になります。

ここまでで、難しいことは話してません。

「えっ、そんなことでいいの？」

というようなことです。

お腹がすいたら、近くのコンビニを探すような感覚です。

どうですか？今すぐ動き出したくなりますね。