『アースデイグローバルサミット2023ネイチャーポジティブから始める生物多様性⑤生物多様性と社会起業家』イベントレポート
皆さんこんにちは!ARUNにインターンとして参加させていただいています分林です。今回は3月18日にアースデイ東京事務局と共催で行われたイベント『アースデイグローバルサミット2023ネイチャーポジティブから始める生物多様性⑤生物多様性と社会起業家』の概要と感想を紹介します。
1.概要
アースデイとは
民族・国籍・信条・政党・宗派をこえて、だれもが自由にその人の方法で、地球環境を守る意思表示をする国際連帯行動です。1970年アメリカのG・ネルソン上院議員が、4月22日を”地球の日”であると宣言、アースデイが誕生しました。学生運動・市民運動がさかんなこの時代に、アースデイを通して環境のかかえる問題に対して人々に関心をもってもらおうと、それは当時全米学生自治会長をしていたデニス・ヘイズ氏による、 全米への呼びかけへとつながりました。そうして、1970年の最初のアースデイは、延べ2000万人以上の人びとが何らかの形で、地球への関心を表現するアメリカ史上最大のユニークで多彩なイベントとなりました。
アースデイグローバルサミットについて
国内外の横断的なネットワーキングを目的として2022年に始まりました。“地球のことを考えて行動する”をコンセプトに環境問題や社会課題の普及啓発をおこなってきた「アースデイ東京」が主催となり、日本国内外の環境活動団体のネットワーキングを目的として開催するサミットです。グローバルで行われている様々なソーシャルアクションの活動内容及び成功事例を日本国内のNPO・NGOを中心とした環境団体が容易に学び、繋がれる機会を創出することで、国内で環境及び社会課題に取り組む個人、団体の活動をサポートすること目的とします。2023年度は、生物多様性にフォーカスし、『初心者でも分かる ネイチャーポジティブから始める生物多様性』シリーズを展開しています。今回はARUNSeedの代表功能さんとトラテン・グリーンズ代表リンジンさんをお招きいただき開催しました。
イベント内容
前半はアースデイの説明、功能さんによる社会起業家支援についてとCSIチャレンジ4の投資先であるトラテン・グリーンズの代表リンジンさんによる生物多様性と起業についてのセミナーなどが行われました。(トラテン・グリーンズ:インドのシッキム州で就業機会が少ない辺境女性のエンパワーメントと自立を目指し、エコフレンドリーなスキンケアブランドを構築中。地元産ハーブ等を使った石鹸やクリームなどのオーガニックなスキンケア商品を製造、販売している。)リンジンさんはシッキムという場所は生物多様性の宝庫で起業家の方々や政府が様々な取り組みを行っていること、伝統と自然のつながりや自身のブランド"agapi"などについてお話されていました。
後半ではブレイクアウトルームへ移動して3,4人ごとに別れて意見交流を行いました。
2.感想
シッキムで活動されているリンジンさんのお話は大変貴重なものでした。シッキムという場所の自然の豊かさとは裏腹に、環境破壊が繰り返されて多様性が失われていく現状。そしてそれに取り組む方々のお話をお伺いし、普段は身近に感じられない自然の大切さを感じました。功能さんのお話にも出てきましたが、自然により近い生活をしているのは途上国の方たちで影響も受けやすく、逆に環境を無視して開発を続けてきたのは高所得の国です。ならば私達は環境保護に対して真摯に向き合う責任があると感じます。自分たちには影響がないからで済まされないような今の社会の現状に対し、日本など先進国に住んでいる人の意識をどう高めていけばいいのか、そこも深く考えさせられました。
プランテーション農業のお話も出てきました。社会で習った程度でしたが生物多様性が失われるという問題があることを知りました。もともとその地域にあった植生が失われ、大規模なゴム農園が開かれる。そして住んでいた人たちは安い賃金で働く。多様性の面でも労働の面でも問題があったように思われます。
シッキムなどインドで行われている政府による自然保護の動きは、住んでいる人はその恩恵を感じているため彼らも積極的に参加されているそうです。そこで思ったのは日本で支援を普及するには実際に体験するということも大切になってくるのではということです。後ほどまた触れますが、社会問題に対して社会全体が動く必要性があると考えます。
後半のブレイクアウトルームでは意見交流に加えて少し自分の話もさせていただきました。私が今重要視しているのは社会起業家支援の輪の広げ方です。参加してくださった方の中にもいらっしゃいましたが、何気なく覗いてみたら深く聞き入ってしまう、そういう体験が必要なのです。今回の生物多様性の保護など普段はあまり意識しませんよね。実際に国へ足を運ぶのは難しくても、こういうイベントに参加して実際に活動している方の話を聞く、それだけでも見る世界が変わると考えます。シッキムの方々は自然の恩恵を感じて自然保護に取り組んでいます。日本でも自然保護のムーブメントを起こそうと思ったら実際に体験してもらう必要があります。イベントに参加する、その地域の人と話してみる、SNSやホームページを覗くでもなんでも、そうやって支援の輪が広がっていってほしいです。社会の現状を変えるには消費者意識を変える必要があるという意見もお聞きしました。今の日本もそうですが、何をするにも言っているだけで実際行動することが少ないように感じます。現状に問題意識を持ったところでそれを行動に移すことが難しいのです。私も高校に入るまでは途上国の貧困問題も環境問題も見て見ぬふりをしていました。ここで大切なのが支援できるという環境、つまり社会支援のプラットフォームの構築とその普及です。どこかのタイミングで社会に対して問題意識を持ち、社会問題解決のための支援を行う場所がある、そういう社会を作っていきたいです。
3.最後に
今回のイベントの様子はyoutubeにも上がる予定です。興味を持たれた方はぜひ覗いてみてください。
また、ARUNは現在クラウドファンディングを行っております。みなさまのご支援お待ちしております。
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