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チノちゃんは私の嫁じゃない

よく、大好きなキャラのことを「○○は俺の嫁~」と表現する方がいる。私の場合はごちうさのチノちゃんだ。もし、嫁と呼べるまでに好きなキャラを選ぶのなら、チノちゃん以外頭に浮かんでこない。それくらい好きなのは確かな事実。

しかしなぜだろう。「嫁」という表現に対して違和感めいたものを感じるのだ。

チノちゃんに毎朝起こしてもらい、チノちゃんが作ってくれた朝食をとって、チノちゃんに見送られながら家を出発したい。そして、仕事でくたくたになって帰った時には、チノちゃんが優しく出迎えてくれるんだ。チノちゃんとともに夕食を食べながら、他愛もない会話を楽しんで、歯を磨いてお風呂に入って寝床に着く。
毎日チノちゃんの隣にいて、チノちゃんの笑顔を一番近くで見ることができる。そんな生活を夢見たことは私でもあるさ。

しかしだ。
それが本当に私が求めている理想なのだろうか。それが私の求めているチノちゃんの姿なのだろうか。やさしく微笑んでくれるチノちゃんと私は、虚偽のコンクリートでベタベタと塗り固められたような冷たさを帯びていた。まあ、紛れもなく虚偽なんですけどね。

私の好きなチノちゃんは木組みの街に住んでいて、マメちゃんたちと親友で、ココアちゃんをはじめとするたくさんのお姉ちゃんたちに囲まれながら、ゆっくり、あたたかい人生を歩んでいるチノちゃんだ。(チノちゃんの過去については割愛する。)私が好きなのは、私に微笑んでくれるチノちゃんではない。
他のキャラからの影響や、木組みの街の人や物、すべてがチノちゃんという人物を形作っている。すべてがチノちゃんの一部と言えよう。もちろん、ココアちゃんや他のキャラだってそう。すべてのキャラ同士がそれぞれ影響を与え合って、それぞれがそれぞれの一部となっている。どれも欠けてはいけない大切な要素。なんて絶妙なバランスなんだ。

調和のとれたあの世界は、少し触れただけでバラバラと崩れてしまいそうなほどもろく儚いものだ。そこに私が登場してキャラたちと関わったらどうだろう。何か余計なことを言ってキャラを悲しませてしまうかもしれない。客としてラビットハウスに入ったらどうだろう。本来そこに座るはずだった青山さんが、別の場所に座り、その影響で執筆によからぬ影響が出るかもしれない。「風が吹けば桶屋が儲かる」とはよく言ったものだ。どれが何に影響しているかなんてわからない。ほんのちょっと流れを変えるだけで恐ろしいことが起こるかもしれないのだ。あの美しい世界を崩してしまうなんて事は絶対に避けなければならない。故に私はあの世界に干渉できない。

「ご注文はうさぎですか?」という作品に、私は登場しない。

ラブライブ!(初代)を思わせる台詞だけれども、全くもってその通りである。私にとって、私の居ないあの世界こそが特別なのだ。あの世界に私は必要ない。

これからも私は、あの世界を静かに見守っていきたい。あの娘たちの関わりを、喜びを、悲しみを、成長を、すべて干渉せずに見届ける。(干渉したくてもできないけどねw。)

チノちゃんは私の嫁じゃない。


読んでいただきありがとうございます。
これはあくまでも私個人の感想であって、他の方に適用できるものではありません。いろんな人がいるように、いろんな「推し方」があると思ってます。どうか当記事のことなんか気にせずに、これからもご自身のやり方で大好きをさけんでいってください。

ちょうど良いヘッダーの写真がないので、2020年の公式様が作ったチノちゃんバースデーフラワーを貼っておきましたw。

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