2021年上半期ボカロ5選
ネタ曲投稿祭、ボカコレ2021春とビッグイベントが続いたり、『合成音声音楽の世界2020』に記事を書かせていただいたり……とバタバタしていたらあっという間に今年の上半期が終わりました。
というわけで、2021年上半期ボカロ5選を紹介していきます。
前回(2020年ボカロ10選)は半月遅れでしたけど今回は早くてえらいでしょう? まあ、たまたまこのタイミングでやる気が出ただけなんですけどねー。
先に選出曲リストを見たいというせっかちな方は、以下のリンクをどうぞ。
なお、選考対象、選考基準はいつものように、今年公開されたソフトウェアシンガー(VOCALOID、UTAU、CeVIO (AI)、Synthesizer V (AI)、Neutrino等)歌唱楽曲のうち「印象に残った曲、私自身が好きな曲」です。
それでは、いざ。
1. 水永ここ / "春空恋模様" (2/1投稿)
ややポップス寄りの爽やかロックです。
水永ここさんの初投稿作品なんですが、これは初めて聴いた瞬間に上半期5選候補だなと感じました。
優勝メロ&リフ、青春ど真ん中の歌詞、キュートなイラストと動画……どこをとっても目を引く傑作です。
2. 文無 / "[voice]" (2/14投稿)
文無さんのことは結構何年も前から知っていて"mallow"とかは当時結構好きだったんですが、まさかここに来てこうして5選に選ぶほど好きな曲を書かれるとは嬉しい予想外でした。
本作は美しさ、それも小さく儚い美しさが、じわりと静かに心に沁み渡っていく作品です。
派手な音ではないですが、後半に行くにつれてどんどん盛り上がっていく音楽的緩急はきっちりと付けられている点も素敵ですね。
3. ハン / "イケメンのヒモになる" (2/20投稿)
ネタ曲投稿祭からコミックロックを1曲。
「社会のバーカバーカ、アホ、間抜け、猿〜」とシンプルな罵倒が繰り返されるのが小気味よくて、リラックスして聴ける上にストレス解消にもなるのですよね。
私など、今でもふとした拍子にひとりで口ずさんでしまいます。
ちなみにネタ曲投稿祭の最高金賞と違う曲を上半期5選に選んだのは、そのようにあれから4ヶ月経った今でも口ずさんだりしている点が大きいですね。
(というか4ヶ月経っても日常的にウンコ歌ってたらヤバいでしょw いやあれもいい曲なんですけどね……)
4. Noz. / "ヘッジホッグ" (4/24投稿)
こちらはボカコレ2021春から、そして今回選出の5曲で唯一の殿堂入り曲です。
Noz.さんは今まで10選などに選んだことはなかったんですが、この数年は鏡音曲を代表するPの1人としてかなり存在感がありますよね。
この曲はボカコレ期間のラストに行われた公式VRクラブイベント「ボカコレナイト」で流れた時の楽しさが尋常でなく、そこで惚れたと言っても過言ではないです。
サビの最後の繰り返しからの最高音へ抜けていくフレーズの気持ちよさや、Dメロのラップの痛快さが、強烈なんですよね。
5. Adeliae / "ユモレスク" (6/25投稿)
上半期最後にやってきた超大型爽やかロック。2021年上半期の私的最高金賞作品です!
今までの10選や5選で選曲期間最終週の曲を選んだことは1度も無いのですが、本作は選出だけでなくいきなり私的最高金賞作品に選んでしまいました。今週はほとんどこれしか聴いてないと言ってもいいくらい猛烈にハマっています。
テンションノートの洒落っ気、リードギターのキラリと光るアクセント……基本的にどこを取ってもハイクオリティな万能型なのですが、特に優れているのはカタルシスの与え方だと思います。
「あと1歩欲しい」と思わせたところで0.9歩だけ出しておいて、「あと0.1歩欲しい」と思わせたままお腹いっぱいにさせないような上手さがあります。
その腹八分目感ゆえに聴き終わってはもう1回、もう1回といつまでも聴き続けてしまい、聴くごとに好きポイントを見つけてしまう無限ループにはまってしまうんですよね。
まだ聴いていない方は全員聴いてほしい、近年屈指の名ロックです!
以下、あとがきです。
……なんかロックが多いですね。いつもこんな感じでしたっけ、それともこの半年はロックばかり聴いていたんですかね、私?
3作あるミリオンヒットも、話題のAI合成音声も、1つも選んでいないあたり、ちゃんと最新のボカロシーンを追えているか不安になりますねえ。
まあでも、ネタ曲投稿祭とボカコレを拾えているので良しとしましょう。
何よりも、ここで選んだ曲は他の何にも劣らない大好きな曲ばかりですしね。
それではまた!