去年の司法試験のやらかし集(民事系科目編)
1、はじめに
こんにちは。
今回は民事系科目編です。
民事の3科目もきちんと全部やらかしています。
よろしくお願いします。
2、民法
この年は、設問2で契約の性質を問う問題がありました。
作問者としては、これは準委任か請負かという問題だったようです(↓)。
しかし、私は請負か雇用かという問題だと考え、雇用契約であると性質決定してしまいました。
ここで、請負契約としていればまだマシだったのですが….。
上記のように雇用契約とする答案もあったようですが、低い評価にとどまっているようで、民法の理解不足が露呈してしまいました。
加えて、この設問は契約の性質を決定したうえで、これを踏まえて未払いの報酬と損害賠償請求の可否を検討することが求められており、適切な性質決定ができなければ、その後の上記請求の出来不出来にも直接関わる(適切な根拠を示さなければならないので)ため、このミスは致命的なものとなりました。
また、設問2までに多くの時間を費やしてしまったため、設問3は実質的途中答案(以上、とまでは書いているが内容としては薄い)になってしまいました。
加えて、焦って問題文をきちんと把握することができなかったため「丙の売買代金100万円分につき支払を拒むことができるか」のうち「分」がないと読み間違えてしまい、「丙の売買代金100万円につき支払を拒むことができるか」と勘違いしてしまいました笑
そのせいで、Fは丙の売主でも代理人のような立場でもないのに、なぜこのようなことを問題にするのか、意味が分からないまま一応そのように一言論述したのを記憶しています。
また、最後の小問は、他の保証人と主たる債務者に対する求償額を問うものでしたが、焦りに焦りどちらも同じ求償額になってしまいました(死)。
あと、この年は(模試も含め)、途中答案を恐れて、解けそうな問題から設問の順番を無視して論述した科目が多くありました。
民法も設問3は小問2を先にとき、小問1を最後に解いていました。
なお、問題の順番を入れ替えて論述しても特定答案扱いにはならず、きちんと採点はされるようですが、設問の順番に意味がある問題もあるので、このようなことをするのはできるだけ避けた方がよいと思います。
民法の評価はCでした。これだけミスしていれば当然の結果と言えますね。
3、商法
強烈に覚えているのは設問1の論点落としです。
間接取引の問題は気付けたのですが、「多額の借財」(会社法362条4項2号)該当性の問題には全く気付けませんでした。
また、設問2は全く解いたことのない類のもので現場問題というやつでした。とにかくヒントになりそうな条文を探して、事実をたくさん使って論述したのを覚えています。
実質説・形式説の話は有名な論点なんですかね?
ちなみに私は全く知りませんでした。
会社法は評価Bでした。自分の成績の中だけで見れば、悪い評価ではなかったです。
4、民事訴訟法
まずは形式面で言うと、先の民法と同様に民訴は論述する順番を入れ替えました。
特に民訴は激しく入れ替えており、設問3→設問2→設問1の順番で論述しました笑
中身で言うと、基本的にどの設問もよく分からないまま解いていました。
設問1は、立退料が借地借家法28条の「正当な事由」を補完する一事情であるということを全く知らないまま、原告の申し立てた額より少ない金額を認定したら当然処分権主義違反だろと考えて論述していました。
設問2は訴訟承継における承継人(民訴法50条1項)該当性が問題になっていましたが、既判力の場合と同様に依存関係説で論じようとしたところ、依存関係説の中身をど忘れするというアクシデントが起こってしまいました。
なので、その規範部分の記述だけでなく、あてはめ部分もかなり曖昧に書いてしまったなというのをよく覚えています。
また、設問3は現場思考の問題だと当時感じました。
なので、時機に後れた攻撃防御方法の趣旨と訴訟承継の趣旨をとりあえず書いて、問題文の事情を拾いつつ、それっぽい文章をでっちあげました。
特に民事訴訟法は理解が甘かったことを実感させられました。
理論面もそうですが、実体法的な観点からの考慮も大事になってくるので、民法の正確な理解も必要だと思います。
民訴は評価Aでした。直前のTKC模試でも民訴はAだったので、一応相関関係があるということですが、はっきり言って手ごたえは全くなかったし、上記のように理解が曖昧でもAは取れてしまうときは取れてしまうようです。
5、最後に
民事系科目は3科目あるので、3000字以上の超大作になってしまいました。
もちろん科目が多いというのもありますが、このようにやらかしもその分大量にあったので長くなってしまいました。
ここまで冗長な文を読んでくださった方がいるかは分かりませんが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
それでは。