墓と坂道、糞漏らしの平穏⑫ 糞漏らし

あれは、夏だった。

帰宅の時間の帰りの会が終わり、日直が号令をかける。
「起立!」「気をつけ!」「礼!」
「先生、ありがとうございました!」
私は、立ち上がれなかった。
脱糞をしてしまったのだ。
半ズボンの隙間から漏れ出す茶色の私の糞。
「せんせー!浅田くんがうんち漏らしました!」
隣の席の水本が手をあげて叫んだ。

他の児童たちは先に帰宅し、担任の女性の先生が私の漏らしてしまった糞の掃除をしてくれた。
替えの下着がないので、とりあえず女子のブルマーを履かされた。なんだか変な気分がした。
しばらくして、母が替えの服を持って迎えに来てくれた。

私は、教室で脱糞してしまったのだ。
しかも2度。これが1度目だった。
2度目は、これから1年半が経ってからだった。

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