アナログ時代の紙焼き写真をセルフお焚き上げ
先月アナログカメラ時代の紙焼き写真を供養した。つまりシュレッダー。いわゆる断捨離。
若い頃はあっちに住むこっちに住むそっちに住むといちいち転職しながら移り住む引っ越し貧乏ライフ。ひとり暮らし、ふたり暮らし、3人暮らし、4人暮らし、みんなでご近所暮らし、同マンションの別部屋、数ヶ月で退去なんて部屋もあったなぁ。
当時はちゃんと通勤するタイプの仕事だったし、それぞれの職場仲間さんなんかとの交流も広がったりして、とにかく撮影機会が多かった。
やれメシだ釣りだバーベーキューだボウリングだドライブだスノボだキャンプだ旅行だ打ち上げだ祝い事だとそれはそれはわらわらしとる。焼き増し文化もあってかとにかく写真が多い。しかしもう名前や関係性が思い出せない面々も・・・。
この量マジでどうにかせんとなーと思いつつ、整理が面倒でどんどん積み上がったまま何度も引っ越し屋のトラックに載せ続けてきた。
あまりにかさばるので途中で冊子型での保管をやめて、すべてをバラした覚えはあるんだけど、その時は仕分けまではやらず。何年も経ったこのタイミングで突然成仏の機会が訪れた。
きっかけは過去4度ほど同じ屋根の下で暮らした同級Cからの「アルバムを処分するけど要るのあるかな」との声がけ。
おーやろやろー。うちにもいっぱいあんでー。
何度も一緒に暮らしていたので共有物が多く、その時代時代によってあっちとこっちに分散しているのだ。
ひと通り持っていくからひと笑いしてから処分しよかー。ということになり、先月行ってきた。犬らの留守を考えて長年うちにお越しいただいてばかりだったので、数年ぶりにこちらから出向いてみた。
旦那も旧友なのでお構いなしに休日に突撃。なぜか米積んで突撃。玄米のつもりが買い間違えて同銘柄の白米だったので開封前に押し付けた。助かるーと喜ばれた。坂の街だからかな。なにより。
うちだと1.8kg一旦開けたら消費に2カ月くらいかかっちゃうもんでと伝えたら旦那がええっ?!ってなってた。米に頼らんひとり分の自炊なんて、そんなもんよ。
Cとはお互いの帰省に付き合うほどの仲で共通の体験が多く、わー誰某だー懐かしい。このシャツ覚えてる。いやー若い。ここどこ?これ誰?こんなとこ行ったっけ?等々、遠い記憶の引き出しをこじ開けてもらったりした。
当時を振り返ってやいやい思い出話をする。脳にも刺激。これぞ供養だな。選ばれし数枚をC邸に置いて、両家の残りはうちで回収。あとは「我が家の買ってよかったNo.1」シュレッダーKOKUYO君に働いてもらう。
今は紙焼きをスキャンしてデータ化なんて簡単に委託できてしまうけど、それはもういいかなと。なんせ「撮るのは好きだけど撮られるのは苦手」な自分の顔を見返し過ぎてうへぇー・・ってなってる。胸焼け。満腹。
それにこの後のデジタル期なんか我が宝(犬達)だけでごーっそり何万枚とあるんだから。到底見返し切れない選り分け不可能な記録量。せめて紙の分くらいは軽くして生きましょう。
KOKUYO君は放熱のために定期的に稼働を止めるのでお別れ作業も休み休み。昼やって夜やって日をまたいでまた昼やって夜やって。広げて仕分けて片づけて食事してまた広げて仕分けて。
自分の顔はもうえーわーと飽き飽きしながら、数日かけてようやくある程度のところまで漕ぎ着けた。
印画紙のシュレッダー屑はなんだかずっしりしている。あたし史上最も濃ゆい時期のものだからか。業務のコピー用紙なんかと違って、物理的な重量以上に思い出の分どっかり存在感がある気がする。
過去の引っ越し先を全軒制覇している我が姉の写真も結構あった。彼女の黒歴史?(とある元カレ)など、もうひと笑い用に少量残して一旦裁断作業は終了。
そのうち一緒に供養しましょう。
引っ越す度に見て見ぬフリをしてきたエリアを念のため掘り起こしたら、なんと元ネタのネガやカートリッジがごそっと何十本も出てきた。これを残すといつでもすべてを復元できてしまう。この一連の作業が丸っとなかったことになる。恐ろしや。君らも併せてさようなら。これまでありがとう。
自分の思い出は視覚で残さなくてもいいのよ。共通の話題でわいわいできる人がいればそれで。
最近この当時チェキを持ち歩いていた年下の友人とやり取りをしたんだけど、言葉ではもうたぷんたぷんのおっさんだよとか、こっちもめっきり引きこもりのおばちゃんよだとか伝え合うけど、もうずーっと会っていないからお互いの印象はあの頃の写真のまんま。
懐かし写真はたしかにいいきっかけになるけれど、人とのつながりは記録より記憶をたぐる方が楽しいんだなと思った。
で、それはそうとよ。
供養といえば、断捨離といえば、シュレッダーといえば、まだあります。
写真なんかよりもよっぽど恐ろしい、これ残したまま勝手には死ねませんわよねの筆頭、よそ様からのしたため系。年賀葉書くらいなら問題ないけど、中にはあるよね。きっと。相手さまにとって他人に目を通されたくないだろうやつ。私信。そう、それは、内密の通信。
お焚き上げ。感謝して手放すこと。
引き続きがんばれあたし。
ご支援ありがとうございます!凪こたの供養サポート、あるじの水分サポートいずれも大感謝であります🐶😄