絶望短歌 その2
・いつだって今が嫌いな僕らには今年の夏が一番暑い
・はじまりは覚えていない 終わりなど来る気がしない 「イマ」は見えない
・大学の休学届 理由など特にはなくて「心の病」
・ぬるま湯の心地のよさに満たされてソフトに死んだ幸せな人
・それでもなお生きようとする肉体に慈しみさえ覚える不眠
・酒なんて飲みたくないの本当は それでも夜中 気絶するまで
・才能のある人たちを遠ざけてチャチなプライドひとつで死ねる
・自意識は俺も貴方も同罪で償うように生きる 死ぬまで
・大勢が集まりあって最適な距離を必死に探し 窒息
・世の中を太陽に透かしてみるとその血の色は赤ではなかった
・陽の光 遥か宇宙の彼方からわざわざ届き僕らを生かす
・宇宙船自分号の操縦席に座っているのは誰なのでしょう
・天国も地獄もなくて絶望も希望もただの現実にある
・「夏なんて来なくていい」という君の光る首筋だけをみていた
ありがとねー
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?