或る音楽会の進化 〜コミュニティと理念~
コミュニティマネジメント?
昨年の春、私は「今後の自己研鑽の為に、音楽コミュニティを運営する人や組織の繋がりを造れる何かをしていきたい」と、「音楽を地域に根ざす第一人者・前編」で取り上げた歌声喫茶伴奏者の廣瀬めぐみさんに相談しました。
廣瀬さん自身もこうしたコミュニティ運営を行った経験があるからです。そして廣瀬さんは私に〝コミュニティマネジメント〟を勉強する事を勧められました。
コミュニティマネジメント…団体運営、職場といった組織や地域の中でのマネジメント、簡単な様で難しい事であると思っていました。
廣瀬さんは私に廣瀬さん自身も学ばれた〝コミュニティ塾〟の事について教えて貰いました。
学びの始まり
コミュニティマネジメントを教え支援するNPO法人CRファクトリーが主催する塾であり、7月から9月までの約三ヶ月の間、オンラインで学ぶ事となりました。
全部で8回の講座で2度プレゼンテーションがありました。私は第9期生であり他の塾生と合わせて6人の方と学んでいきました。
他の塾生たちは皆素晴らしい方ばかりでした。
外国人が多く住む横浜市鶴見区のコミュニティカフェの運営者、高校生の教育活動を対象にした社団法人に携わる方、不妊治療に対する問題に取り組むNPO法人に携わる方、伝統あるタオル会社に勤める方、北海道で育児コミュニティを創ろうとしている方…五人の方はとても素晴らしい取り組みをなさっていて、私自身が大きな刺激を受けました。
私は〝或る音楽会プロジェクト〟をこれから作ろうとするものとして参加しました。
コミュニティ塾での決まり事(グランドルール)として「①自身が成長・変化する姿勢を持つ事、②学ぶだけでなく意欲的に実践する事、③相互研鑚・共成長する仲間になる事」があります。
毎回の講座の前に話す決まり事ですが、どれも大切な事ばかりでした。こうした言葉と5人の方々との関わりが、私が変わるきっかけとなりました。
コミュニティ塾ではミーティングの方法や組織の年間計画の立て方など団体運営に関する基本的な事から、組織理念の立て方まで学んでいきました。
様々な学びの中で私は「どの様にしたら人に興味を持ってもらえる組織になるのか?愛着を持ってもらえる組織になるのか?」といった事を考える様になりました。
そして「何のためにこの活動(私でしたら或る音楽会)を行うのか?」最初の〝客観的理由〟を考える事となりました。
理念を考える
講座の中間で「理念発表」というものがありました。自らの所属する団体の理念の説明、そしてその理念が如何にして組織に浸透するかの方法をプレゼンするという内容でした。
私は「これから創ろうとする或る音楽会プロジェクト」の理念と浸透方法をゼロから考えました。
これが一番の最初の壁で、〝私のなぜ?〟を改めて問われました。
これまで行ってきた事を振り返ったり、自分の心に何度も問いただして、そして出来上がった理念が〝誰もがステージで主役になれる日を造る〟と言う事でした。
初めてのプレゼンはとても緊張して発表までに友人や恩師などにも練習として聞いてもらいました。今となっては良い思い出です。
実はこの理念、最初の発表時と今現在とでは内容は同じにしても、「なぜこうした理念なのか」を説明する客観的理由の内容は更に増えたものになっています。
コミュニティ塾後の学びからブラッシュアップして更に進化したものになりました。それはこれからもです。
架空を現実に
そして「ドリームミーティング」というワークショップの取り組みの中で、実際に〝或る音楽会の未来〟を考えました。
他の塾生の方からもいろんな意見や感想が出る中で、私は「このドリームミーティングで出た意見を必ず実現したい」と思いました。
架空を現実に。そんな思いで学んできたコミュニティ塾での学びは、いつしか〝必ず現実〟にしたいと思う様になりました。夏の暑い三ヶ月は、私にとって或る音楽会というダイヤの原石を磨いた日々となり、自分と他者、そして組織について意識する様になりました。
そしてコミュニティ塾での〝グランドルール〟の実践は、私の住む高松へと移行していきます。
コミュニティ塾での学びは、いつの日か、「或る音楽会がしっかりとした組織とした団体運営が行え、他の地域の音楽コミュニティとの繋がりが持てる日が来る事」を目標にしたいと思います。
参考リンク
NPO法人CRファクトリー公式サイト
https://crfactory.com/