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パラコレ冬優子を恐れるなかれ 移籍の経緯と紆余曲折のハッピーエンド

パラコレ冬優子のコミュと手紙を読んで

今回のコミュでもっとも気になる

なぜ283プロを離れたのか。という理由が直接語られないことから、
コミュの中で意図的に配置された台詞や展開から分かる移籍理由をメインに感想込みでメモ


①あんたが私をいらないなら 

どこに生きる意味があんのよ!


冒頭からログに表示されることもなく、そして心の叫び的な迫真さで飛び出す台詞からスタート



ここでわざわざこんなことを言わせているのが、ただ驚かせるためだけなわけもなく、ログや劇中劇の台詞として鍵括弧もついていない音声だけであることから

シャニPに対して実際に放ったのか、心の声なのかのどちらかなのでしょう…


ブレイクしてからの冬優子は休日にアニメ消化や何か買いに行くでもなく、何も考えていないことから仕事は充実しているも空虚さを感じさせ、充足には程遠いことをここで見せています。



②「これで合ってたのよね、ふゆ」
 「ケチ」

ここで自問自答のように冬優子とふゆ、実像と理想の対話が行われます。

途端に有り体な言い方になりますが、ここで恋と夢の二つを秤にかけた結果

夢を選び取ったために、実像である冬優子は理想であるふゆに確認を取るように自問自答をしていますが

問題はこの問答に入るときの「ねぇ ねぇって」と、まるで拗ねていたり、はっきりしていない相手に対しての呼びかけのようになっている点です

つまり”ふゆ”は、冬優子に対して距離が出来てしまっている、解離している。ということが提示されます。

ここで図りかねるのは「ケチ」と言ったのは誰から誰へのもの何なのか。
真っ先に思い至ったのは

実像と理想のどちらも手にすることがまさに”理想”であるにも関わらず
実像は伴わなかったことに対しての「ケチ」なのではないかな。と考えます。




そこに偶然なのか、引かれ合うのかシャニPが現れるもばつが悪そうに避けてしまう。明らかに冬優子に対して引け目や負い目を感じている描写でありながら、しかしかつてのように労うことは忘れない。

その後の同級生との飲みでは「一番充実してた"瞬間"が~」と言いながら「あんまり"近くにいる"と」と明らかに時期や体験のような不定形ではなく、何かしらそこにあるものを指していることでシャニPのことを想起させ

再びシャニPが現れ


「邪魔しちゃ悪いな」

それを受けての冬優子の一言目は「え….」

”邪魔”というワードに引っかかったのは一体なぜなのか。
過去にそれに類するようなことがあったのか…

そして最後の冬優子の言い聞かせるような「大丈夫」
こういう時の大丈夫は大丈夫じゃないことが定番です。


「元気そうで安心した」

互いに体調を気遣う、話したい事がいっぱいだけど、何一つ言葉は出てこず時間切れ。

「またどこかで」と冬優子は未練を残す。


「たまには顔を出してくれ」

「冬子はずっと283プロのアイドルだと思ってるから~いつでも歓迎だよ」
とこちらではシャニP側から未練を残す。


どれも共通して”マスク”をかけたままシャニPと会話しているのが、まさに素を出せないことの演出にもなっているのが気が利いてて良いですね。


ここでパラレルの未来の描写は終わり、現実へ



ここからは、冬優子とシャニPのありきたりな雰囲気の会話が繰り広げられますが

ここで

③「今どき自己犠牲なんて流行らないわよ」

と言わせており

今はこうして冬優子からのアプローチや要求に嬉々として応えていますが、これがこのまま続いていった時、シャニPは体力的、技術的に彼女を支えられ続けるのか…?と反語的な疑問が湧いてきます。


それまでのパラレルな未来はあくまで

二人で見に行く「アイドル界でトップを極めた子が突然、引退しちゃう話」の映画を調べていた時にみた夢。であることが最後に明かされますが

④公式4コマ

こちらで明かされた、アイドルフェスの大トリに起用されていることから何もアイドルをやめたわけでもなければ、283にいた頃はまったくダメだったことから
(4コマがどれくらいコミュのライターとの情報共有されてるのか分かりませんが)

何も映画と強く結びついたパラレルというわけではないようです。


とこれまでの①~④を踏まえると

当然ストレイライトを組むこともなく、自己犠牲的なシャニPとの二人三脚で頑張るも冬優子のポテンシャルを自分では活かせず、大手への移籍を打診する中で

「あんたが私をいらないなら どこに生きる意味があんのよ!」と冒頭の言葉が出るも

疲弊していくシャニPのこと、そして冬優子自身の理想である”ふゆ”を選んで283から出ていった結果

”冬優子”は広いと思っていた空を見て「こんなに狭かったっけ」と窮屈な思いをしており


だからこそ手紙には追伸として「体、労わっていますか?」と書かれているのではないか。



と、以上が

あえて直接語られていない移籍の理由を
わざと浮かせた台詞や、最後の何気ない会話の意図を考慮しての予想でした


夢オチかい!!!と安堵の涙を流しましたが
あくまでこのパラレルは

このまま283プロで売れなかったらどうしよう。プロデューサーが自分と一緒じゃなかったらどうしよう。といった不安から来るものでありながら、
しかし社会的な成功は収めている。

この構成は個人的には非常に好みでしたし、あくまでも最悪の結果として
完全にあり得ない未来というわけではない。という多少のほろ苦さを残しているのもとても好きです。



「三文ノワール」

を踏まえての、アイドルの非永遠性、それに伴うシャニPとの関係性の”たられば話”

その中の「冬優子がアイドルでいようと思い続けるかぎり 俺としては全力でサポートしないわけにはいかない」という台詞

こちらで分かるように彼は自身を顧みず、例え義体になっても…
ということを冬優子も理解しています。

そして冒頭で出てくる(冷めてしまった)紅茶といった小道具の使い方等々

かなり三文ノワール→紅茶夢現

が意識されてはいるものの、直接時系列がどうこうに固執しても意味はなくいつか終わりが来る二人の関係の一つの可能性でしかなく、しかしただただ崩壊で終わりでないことがパラコレの手紙から読み取れます。


もちろん聖典というか史実…?はストレイライトというユニットの存在や、SHIBUYA109で黛 冬優子 POP UP SHOPが開催されるほどの説得力があるので

ある程度人気も現実的な実績もあるから出来る、侘しい if(!黛 冬優子)だったのかな。と思います。


手紙の内容

を鑑みると
結局283のプロデューサーとアイドルとして二人は上手くいかなかったけど

これからは黛 冬優子とシャニPの二人がそれぞれ大人として向き合って、
寄り添うことになることもシャニマス運営は責任を持って匂わせているので、なにもあの夢は悲しいだけじゃなく

人生の少し苦い部分を切り取っただけで、再び「甘い生活」…
というと不穏な響きですが


あれだけお互いに未練たらたらで、特に冬優子の窮屈さの描写からも
いずれ283プロに立ち寄ってマスクを外し、やまほどしたい昔話に花を咲かせて

タスクとしてではなく、冬優子をサポートするシャニP。という関係に戻るのでしょう。

あり得るかもしれない少しほろ苦い未来にも、多少形は違えどまたいつもの二人に戻るだけのパラレルの先のまたパラレルが見える程度には、
今回のコミュと手紙にしっかりと構成されていると思います。

いや~シャニマスっていいですね

さよなら さよなら さよなら



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