【統合と解釈各論】【全体的な文章】【起立】

 ここから,本来の統合と解釈かと思います.
 と言うか,一般的には学生の頃からここばかりを求められます.個人的には前半部分をクリアしてからと思っていますが,,.

 理学療法士が対象とする目標は基本動作です.

 起居動作,端座位,起立,立位保持,歩行の5つが大きな課題となります.これに階段昇降,床上動作,自動車乗降,屋外歩行,自転車…などが,個人の能力やニーズによりフォーカスを当てた動作になります.

 例えば,起立.起立が上手にできない患者さんは,脳血管疾患だけでなく運動器疾患や廃用症候群の症例でも良くみます.
 起立は一般的に,①体幹前傾,②臀部離床,③下肢体幹伸展などの層に分けて観察され,そこに筋電図や座高,支持物などを変えた分析がなされています.例えば星先生の文献では床半力や筋電図から運動分析をしています.

星文彦, et al. 椅子からの立ち上がり動作に関する運動分析. 理学療法学, 1992, 19.1: 43-48.

 統合と解釈における問題点の抽出の第一ステップは,症例の動作は,一般的な正常動作と比較してどこに問題があるかを記載することです.そして,その動作を可能とする機能のうち,どこが足りないかを挙げることで,動作障害と機能障害との「関連性」(因果では無い)を見出していきます.

 とは言え,そのようなルールアウトを細かくするのは新入職や学生の段階では難しいと思います(そもそもケースレポートはそこはデザインに内包されると思います).ですので,自分が興味を持ったところ,例えば立ち上がりであれば,筋肉か,体幹機能か,環境設定か,,,などに着目してそれについて述べている文献を探し,症例の動作や機能を比較して問題点を抽出してみましょう.

 統合と解釈の始めの一歩は,症例の観察を通してふと疑問に思ったところ=なぜできないんだろう?この動きは何でだろう?と,興味を持って読んでみた文献や教科書からの知識なんだろうと,最近は思います.

 知識が無いと考えることはできませんからね.

 ここまでで,少なくとも起立にフォーカスを当てた統合と解釈は記載できるのでは無いかと思います,が,次回は一つの答えとして,例文を書いてみます.

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