こんばんは、アルです。いつも私のマニアックな記事を読んでくださり感謝しております。
前回は「葬送のフリーレン」の第1話を参考にしながら、
幸福ホルモンである「オキシトシン」を作品づくりに活かす方法を記事にしました。
オキシトシン優位の作品の方が時代に合っていますが、やはりドーパミン系展開特有の熱い展開、謎が解けたときのスッキリ感、恐怖体験などを味わいたくなるときありますよね。
ということで今回は近年の作品の中でお手本のようにドーパミンを出してくれる「進撃の巨人」第1話を参考にしながら、記事を作ろうと思います。
進撃の巨人第1話は構造や魅力の構築が複雑なので、
・ドーパミンが作品の魅力をどのように向上させてくれるのか
・どう自分の作品づくりに活かすか
ここにフォーカスを絞りたいと思います。
今回はこんな方に向けて記事を書いています。
▶ドーパミン系の作品づくりのコツを知りたい方
▶AIを作品づくりに活用したい方
ドーパミンとは?
おさらい
まずドーパミンがどんな幸福ホルモンなのか、おさらいします。
簡単にまとめると
・強い刺激や快感を与える
・量が多すぎると依存症になり、少なすぎると心のエネルギー不足になる
・効果が持続しづらい
このような特性を持っています。
どんなシーンでドーパミンは分泌される?
続いて、どのようなシーンでオーディエンスはドーパミンを感じるのか、GPTに訊いてみます。
けっこう多いので、飛ばしてくださって大丈夫です。
こんな感じです。
進撃第1話を振り返る
次に、進撃の巨人の第1話のあらすじをざっと振り返りながら、上記のリストを参考にそれぞれどうやってドーパミンを出しているのかを書いていきます。
まとめ
この脚本の優れている点をまとめてみます。
・ほとんどのシーンでドーパミンが出るようにされている
しかもほとんどが負の感情から起こるドーパミンばかりで構成されています。コミカルなシーンはアルミンが不良に絡まれているときにミカサが怖い顔して走ってくるところくらいでした。
話を通じて「視聴者にどんな感情を抱かせるか」が非常によく練られていることがわかります。
また、負の感情から起こるドーパミンは前振りがあまり必要ないことも重要な点です。巨大な生物に食べられる危険は本能的に恐怖を感じるので、1話からいきなり盛り込んでも成り立ちます。
一方、困難を乗り越えるなどの展開でドーパミンを出すためには、前振りにかなりの描写を使う必要があるため難しいです。なので、ドーパミン系が多い少年誌の作品でも、オキシトシン系の感動を織り交ぜて第1話を作ることが多いです。ONE PIECE、NARUTO、金色のガッシュなどが典型例ではないでしょうか。
・説明的なシーンが非常に少ない
説明的というのはドーパミンもオキシトシンも出ないが、作品について理解してもらうために仕方なく入れるシーンと考えるのが良いと思っています。
出来れば入れたくないシーンです。一部、設定描写がとにかく好きだと言う方もいますが、少数派であると思います。
進撃1話では、宣教師が熱弁するシーンとアルミンが政府について少し話すシーンの2つのみです。
・伏線まで織り交ぜている
ここまで感情を高揚させるシーンを敷き詰めながらも、
謎めいた要素(エレンの夢、父の秘密、地下室の謎)などが視聴者の好奇心を刺激します。厳密にはこれらは伏線ではなく布石ですが、話が進むにつれて忘れる視聴者も多くなると思うので伏線で良いと思います。
これらは後の話でドーパミンを出すための投資になります。
つまり視聴者の感情という収益を得ながら同時に投資もしているわけです。
自分の作品づくりにどう活かすか
おすすめの方法は自分の作品をシーンごとに管理し、それぞれのシーンがどのような役割を持っているか明確にすることです。
役割とは「オーディエンスに感情を抱かせること」です。
料理をたとえにしてみます。
なぜ料理なのか詳しくは前回記事の「幸福ホルモンで検証:長寿のエルフが仲間と再会したらなぜ面白いのか」をご参照ください。
①作品全体を通じてどのような感情を持ってほしいのか考える(どんな料理を作るのか)
②そのためのシーン(具材)を配置する(リストを活用)
③必要であれば②のシーンを際立たせるための描写を入れる(調理する)
こう見ると進撃の巨人第1話は、「最低限の調理で具材の味を引き立たせる『壁と巨人』という調味料がとてもよく効いている料理(作品)」だとわかります。
今回はこれで終わります。いつもマニアックな話ばかりですが、最後まで読んでいただけた方、本当にありがとうございます。
面白いと思っていただけたら、スキやフォローよろしくお願いします。
ではまた次回の記事でお会いしましょう。さよなら!