「面白きこともなき世を面白く すみなすものは心なりけり」 高杉晋作
上の句だけの印象から、「面白くもない世の中を、面白くしてやるぜ!」と高杉晋作が言ったという解釈があるが、それが大間違いだということは、下の句「すみなすものは心なりけり」を読めばよく解かる。面白くもない世の中を面白くするのは心の有りようだと言っているのである。あの動乱の幕末時代を怒濤のごとく生きたからこその下の句、そして道半ばで散ったことも加わって今の世にまで残るのである。
私の生活は原発事故の直後から大きく変わった。コロナは2度目の危機なので再び似たような政府の対応、そのまずさも嘘も了解している。『安倍政権の7年余りとは、日本史上の汚点である』との総括はきわめて正しいと思うし、お粗末な言葉を連発する政治家にはもはや哀れしか感じない。損得勘定に忙しい連中に、豊かな言葉を内包し育てる感受性などそもそもあるはずがない。...........そなたら、なにが悲しゅうてそこまで愚かなるや。..........
オバマ元大統領が「トランプは大統領として育たなかった」と批判した鬼気迫るスピーチをCNNニュースで観た。ただ攻撃的な批判なのではない、冷静に解りやすい言葉で思いを語り、未来のために何が必要なのかを問うもので .......... 古くはジョン・F・ケネディの有名なスピーチがあるけれど........伝えたい対象(国民)に向けて真剣に語るのだから、その言葉には嘘がない。言葉とは内側から生まれ出てくるものなのだ。
世相を風刺するとき、思うのはいつもモンティ・パイソンのユーモア。彼らのように、今の世を生き抜く言葉を持ち、批判や皮肉を表現にまで高めるセンスが欲しいものだ。ただ非難、否定で応酬するだけでは心が細る。その先にあるものを信じること。見つめ続けること。諦めないこと。その源にあるのは愛なのか....... ?
.......... 面白きこともなき世を面白く、すみなすものは心なりけり.........
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