森のレジェンドインタビュー_森林インストラクター
森林インストラクター 篠原誓治さん
森林を120%楽しむには
知ること、体験すること!
—森林インストラクターについて教えてください。
一般社団法人全国森林レクリエーション協会が定めた認定資格です。森林を利用する一般の方へ適切な知識を伝え、森林の案内や野外活動の指導を行います。全国で約3,000人、愛媛県内では約20名の方が森林インストラクターとして活躍しています。
—篠原さんは、いつ森林インストラクターを取得したのですか。
1994年に森林インストラクターの資格を取得しました。その頃は県職員として林業部門で働いており、個人的にも山を所有していたため、仕事でもプライベートでも役に立つと思い勉強をしました。退職後にえひめ森林公園(以下、森林公園)の園長として6年間活動をしましたが、森林インストラクターの知識がとても役に立ちましたね。
—森林公園で園長をされていた頃の様子について教えてください。
公園内に木製のおもちゃや楽しめる仕掛けを職員みんなで手作りしました。また、たくさんのイベントも企画し、時には幼稚園や小学校・中学校に出向いて出前授業をしたりもしました。
公園内でのイベントでも、出前授業でも意識していたのは、年代に合わせて提供する学びや楽しみを変えていくことです。例えば、幼稚園や小学校低学年には純粋に楽しむことを、小学校高学年から中学生にかけては知識を得ることを、さらに大きくなると、自分がどう森林と関わっていくのか、森林を守るためのボランティアをするとしたらどのような関わり方ができるのかといった仕組みを考えていました。
—参加者に合わせた企画をされていたのですね!
はい。さらに、どの世代にもいえることですが、私が企画する際に大切にしていたことは、”五感”を使って楽しむということです。見る・聴く・嗅ぐ・味わう・触る、これらを使って家ではできないような、森林公園だからできるような体験を考えていました。さらに、山で遊んでもらうには安全であることが大切です。安全面においては職員全員で危なくないよう万全の対策をとり、配慮しています。
—篠原さんから見た森林公園の魅力を教えてください。
一番は松山市内から近い、都市近郊型の公園であることです。数十分ほど車を走らせれば、この大自然が楽しめます。どの季節に来ても美しい自然とたくさんのレクリエーションがある場所です。県内最大の人口池である大谷池に隣接しており、水辺があることで野鳥観察も楽しめます。さらに大谷池は、“水源かん養機能”という山の働きによって、水を貯める仕組みになっています。国有林を活用した森林公園と昭和初期に地元の人たちが苦労をして造りあげた大谷池がセットでこの場所にあることは、すごく意義のあることです。また、私ごとですが、定年後、森林公園で園長として働くことで森林インストラクターとしての知識も十分に発揮でき、たくさんの子どもたちと触れ合うことができました。園長として働いた6年間は、私の人生の中でも非常に充実した期間でした。
篠原誓治
森林インストラクター。愛媛県庁を退職後、2012年から6年間、えひめ森林公園の園長として勤務。退任後も森林インストラクターとして、えひめ森林公園自然体験フェスタなどのイベントにおいて森林公園との交流は継続中。
【インタビュアー】ひめラー:中島佐知子、福原真季