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《番外編》上五島の教会巡り記 ラスト
教会巡りのラストです。
時間切れ間近に前回行けなかった教会にトライしました。
上五島と橋で繋がっている若松島の西端を目指します。
この辺りは海岸線が複雑で、リアス式海岸を見慣れている私でも目を見張るものがあります。しかも内海になっているので波静かで湖のようです。
若松島に渡って山を越えて、さらにそこから橋で繋がった小さな島へ渡り、そこからさらに堤防で繋がっている小さな島へ。そこからは堤防と山の斜面に挟まれた車一台通れるほどの道を進みます。厳しい環境の集落を見てきた私もこの先にあるんか?とちょっと不安になるような道で、山にへばりつくように廃屋が並び、合間に車が置いてある現役の家がポツリポツリ。
その道のどんつきから見上げるとその教会はありました。
入り口の坂の脇には小さな畑があって、おばあさんが黙々と畑仕事をしてます。
その周りはやはり廃屋。そのお婆さんが住んでいる家がどれかは判然としません。
急な坂を上がると白く小さな有福教会が近づいてきます。飾り気のない清楚な姿です。
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ここまで来る観光客は少ないでしょうが、コロナ禍の影響で閉鎖され、中を見ることはできませんでした。小さな木造教会ですが、老朽化対策でサイディングが貼られていてその風情も半減してます。それでもこの教会の美しさは印象に残ります。
教会の前に白いマリア像が海に向かって立っています。
その背の足元には
「うみのほしの聖母」
と銘記されていました。
私も真紀もここが教会巡りの最後にふさわしいと感じました。
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ここは海に開けているとはいえ、島の端の端で、こんなところにまで追い詰められて、そうして守った信仰も、時代の変化でここから消えつつある、なんとも言えない感慨が残ります。
(白濱雅也記 2021.7.17転記)