島原城の愛憎
島原城の天守閣は後期型の層塔式天守といって塔のようなシンプルな形で、破風などの飾りが一切ないミニマリズムスタイルです。
色白でスリムで飾らない美人さんのようで、なかなか魅力的で、幼い頃結構好きな城でした。
ところが、当時の島原城は黒板張りのガングロ系だったようで、これも美白フェイク疑惑でかなり驚きました。
現地に行って感じたのは、五層の大天守、三層の復元小天守が並ぶ様子から、辺境の小藩には分不相応の豪華な城であること。
この豪華な城が領民を苦しめます。それが後に天草の乱の一因になっていきます。皮肉なことにこの城が反乱軍の総攻撃を耐え抜きます。
もしこの城が落ちていたなら、反乱軍はどうなっただろうか。
質素な城であったなら天草四郎は歴史に登場していただろうか。
そんなことを思いながら、複雑な感触を残して足早にここを後にしました。
(2021.7.13転記)