パーフェクト・カモフラージュ展 私はアートになりたい
現在、ワタリウム美術館では、
コレクション品を中心に紹介する不定期企画、
“アイラブアート”の第18弾が開催されています。
展覧会名は、“パーフェクト・カモフラージュ展”。
サブタイトルは、“私はアートになりたい”。
「日常にカモフラージュする」、「自然にカモフラージュする」、「記憶にカモフラージュする」、「空間にカモフラージュする」の4章仕立てで、ワタリウム美術館コレクションを中心に、約80点が紹介されています。
それらの中には、マン・レイの写真群や、
アンディ・ウォーホルによるシルクスクリーンの数々、
さらには、クリスチャン・ボルタンスキーの代表的な作品も。
また、意外なところでは、
キース・へリングによる壁画も展示されています。
実はこちらは、ワタリウム美術館の前身「ギャルリーワタリ」にて、日本初のキース・へリング展が開催された際に、来日したへリングが、当時の「ON SUNDAYS」の建物の内外にスプレーで描いたもの。
その建物は壊されてしまいましたが、こうして壁画は切り出され、ワタリウム美術館のコレクションとして大切に保管されているそうです。
それから、個人的に見慣れた作品も展示されていました。
ヨーゼフ・ボイスの《フェルト・スーツ》です。
以前、このブログでも報告したことがありますが、
『シン・アートテラーの衣装を作ろう』それは、今年2月初旬のこと。ワタリウム美術館のミュージアムショップ、オンサンデーズにて、実に気になるスーツと出逢いました。 TAGS WKGPTY: SUIT…
ここ近年は《フェルト・スーツ》をモチーフにした衣装を着ることもあり、自宅では、このように吊るした状態で衣装のスーツを飾ってあるために、《フェルト・スーツ》が目に飛び込んできた瞬間に、「あれ?俺の??」と思ってしまいました。
美術作品を私物と思ってしまうとは!
我ながら、どうかしていました。
と、それはさておき。
ワタリウム美術館コレクションの層の厚さを、改めて、実感できる展覧会だったように思えます。
原美術館が東京に無い今、
現代アート専門の美術館の老舗として、これからもワタリウム美術館には頑張っていただきたい!
そんな期待と感謝を込めて2つ星です。
⭐️⭐️
さてさて、今回の“アイラブアート”では、ワタリウム美術館のコレクションだけでなく、ゲストアーティストの作品も併せて展示されています。
1人目のゲストは、写真家の野口里佳さん。
本展では代表的な写真作品以外に、
「虹は生き物」と名付けられたドローイングも出展されていました。
続いてのゲストは、画家の杉戸洋さん。
さつま芋を型取りして作ったという、
《さつま芋ランプ》がミュージアムショップに吊り下げられています。
なぜ、画家なのに立体作品なのか?
なぜ、そもそもさつま芋なのか?
キャプションにはその答えとなりそうな、杉戸さんの言葉が紹介されていました。
「絵を描くということは芋を洗っている時のように同じこと。」
・・・・・・・だそうです。
そして、3人目のゲストは、映像作家のさわひらきさん。
今回の展覧会では、さわさんの実際のアトリエを、再現したかのようなインスタレーション作品が展開されていました。
この作品のいたるところに・・・・・
さまざまな形式で、さわさんの映像が流れています。
意外な場所に意外な形で映像があるので、ちょっとした宝探しのようなワクワク感がありました。
なお、展示されているのは、すべてさわさんの私物とのこと。
映像作家らしく、カメラやビデオなどの機器や、
そして、彼の作品によく登場する飛行機の模型も数多くあります。
個人的に親近感を覚えたのは、漫画のラインナップ。
僕の人生を変えた漫画と言っても過言ではない、浦沢直樹さんの『MONSTER』が机の上に並んでいました!
そして、同じく浦沢直樹さんの『20世紀少年』も!
よく見ると、21巻が無い代わりに、6巻がダブっていました。
その隣にある『呪いのホクロ』という漫画も、26巻だけある『浦安鉄筋家族』も、地味に気になります(笑)。
そうそう、気になったと言えば、大量の鍵も。
これだけ数があると、中には大切な鍵もあるのでは??
ワタリウム美術館での展示期間中、さわさんの実生活に支障がないことを願っております。