館長!これどうするんですか!?
現在、祐天寺のアクセサリーミュージアムでは、“館長!これどうするんですか!?”が開催されています。
アクセサリーミュージアムのコレクションの大半を占めるのは、
もちろん、コスチュームジュエリーやファッションに関するものです。しかし、館長夫妻のご自宅を改装した館内や収蔵庫には、お二人の個人的なコレクションも、まだまだ数多く眠っているのだそう。
なお、公式のプレスリリースによれば、
「(それら)単なる土産物と呼ぶには玉石混交すぎるアイテムたちは、時に学芸員を泣かせ、時に笑わせ、そして時にぎっくり腰を発症させてきた」
とありました(笑)。
そんな学芸員さん泣かせ(笑わせ?)で、ぎっくり腰の原因ともなったコレクションを蔵出しする展覧会です。
最初の展示室で紹介されていたのは、1910年頃のものと思われるフランスのポスター。
高さは約6m、幅は約2m。まず何と言っても、その大きさに圧倒されます。なんでも館長がネットを見ていた際に見つけ、サイズをよく見ずに、ついポチッと購入したのだそう。
普通のサイズのポスターだろうと思い込んでいたら、後日、このサイズのものが美術館に届いて、ビックリしたとのこと。しかも、11枚も買ってしまったそうです。
ちなみに、この巨大ポスターを目にした際に、学芸員さんの口から自然と飛び出た言葉こそが、本展のタイトルにもなっている「館長!これどうするんですか!?」だったとか。
また、この巨大ポスターを運ぼうとした際に、学芸員さんのぎっくり腰が、発動してしまったのだそうです。いろいろな念がこもった(?)コレクションといえましょう。
続いての展示室が、ある意味、本展のハイライト。
人形や剝製、ワインクーラーセット、トロフィー、水牛の角(?)、王冠などなど、館長夫婦がただただ「欲しい」「気に入った」で集めたものが並べられています。
それらの中には、実際に使えるという小型の砲台や、館長が“私の恋人”と呼んでいる金子國義の絵画もありました。
まさしく、ヴンダーカンマー。これぞ、驚異の部屋です。
展覧会ではこの他にも、館長自慢の鼻煙壷コレクション(のごく一部)や、
ミニチュアのコレクション(のごく一部)、
さらに、卵のコレクション(のごく一部)も紹介されていました。
学芸員さん曰く、展示作業中に、館長があれもこれも展示したいと、新たなコレクションが次々を持ってきたそうで。
当初の予定から何度も変更を余儀なくされたそうです。準備中、いくどとなく、あの言葉を口にしたのでしょう。
「館長!これどうするんですか!?」と。
そんな学芸員さんの心の声は、キャプションにもダダ洩れしていました。
いろいろと抑えているであろう感情が、文面からひしひしと伝わってきます(笑)。
一方、館長も言い分があるようで。
館長曰く、この展覧会を通じて、いろんな恥を白日の下に晒すことになったそう。
学芸員の嫌味がさく裂した展覧会とのことです(笑)。そんな2人の丁々発止のやり取りが、
なんだかんだで微笑ましく、実に楽しい展覧会でした。このような展覧会を開催できるミュージアムは、日本広しといえども、きっとここアクセサリーミュージアムだけ。
学芸員さんには大変申し訳ないですが、これからも館長にもっと振り回されてほしいものです。
で、第2弾を期待しています!
⭐️⭐️
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