現代のクリエイターは「正当」に評価されているのだろうか?
こんな素朴な疑問から、"世の中からゴッホをなくす"をビジョンとして掲げる、Artriggerのサービス開発はスタートしました。
日本におけるクリエイターの位置付け
「クリエイターしてます」と言うと「カッコいいね、どんな作品作ってるの?」という反応がある一方、二言目には「残業多いんでしょ?稼げるの?」なんて聞かれることも少なくありません。
本来、世の中にまだ無いものを創造する、可能性とワクワクに満ちた職能のはずなのですが、薄給・激務というイメージが常に付きまとっています。
この状況では、まだ世界のどこにもない「評価されるべき」作品を作っているクリエイターがいたとしても、その人の作品が正しく評価されているとは限りません。もしかすると、生前その絵画の価値を評価されず、困難の中で生涯を終えてしまったゴッホの現代版が世の中に埋もれている状態なのではないでしょうか。
このような仮説から、アーティストやクリエイターをはじめとした、創造的な仕事をしているすべての人が「正当」に評価される世の中にするためのArtriggerの取り組みが始まりました。
クリエイターは何を持って評価されるべきなのか?
とはいえ、何をもって「正当」な評価と言えるのでしょう。
全世界何十億人に届いた作品でしょうか?
数十億円を売り上げた作品でしょうか?
数字ではなく有識者が認める作品でしょうか?
はたまた個々の作品ではなく、作家として見るべきなのでしょうか?
これは芸術作品全般、もしくはビジネスパーソンの評価にも共通することかもしれませんが、単一・共通の指標で評価をすることは、そもそも不可能だと我々は考えています。
ただ一つ言えるのは、評価は、自分以外の他者が下すものであり、その評価軸は制作者から指定できないということです。少なくとも、個々の作品にしろ、作家自身のプロフィールにしろ、他者に正しくコミュニケーションできない限りは、評価しようがない、ということです。
「評価されている」クリエイターの共通点
では逆に、「評価されている」著名なデザイナーやクリエイターは、なぜ評価されているのでしょうか。我々はさまざまな分野の著名なクリエイターの本や対談、記事を調査する中で、「評価されている」クリエイターは自分の作品の評価してほしいポイントを、隅々まで自分で語ることができるという、仮説にたどり着きました。
彼らは見てほしいポイントや、なぜこのような作品が生まれたのかについて、誰にでもわかりやすく丁寧に説明できます。著名なデザイナーほど、良い意味で流暢に「よく語る」といえるでしょう。「俺だけがわかればいいんだ、お前らにはわからないだろう」という態度のクリエイターは今のご時世、絶滅危惧種のように思います。
他者に評価してもらうためには、万人にわかる言葉で、クリエイティブな創作物を言語化して、コミュニケーションする必要があるのです。
当たり前のように聞こえるかもしれませんが、クリエイターへのインタビューを繰り返す中で、それができていない、あるいは、その必要性を感じていないクリエイターが多いこともわかってきました。
クリエイティブ作品の言語化のためのポートフォリオサービス「FOLLY」
"世の中からゴッホをなくす"という我々のビジョンを実現するために生まれた「FOLLY」は、クリエイティブな創作物を、世の中に伝える橋渡しをすることに注力しています。
我々はクリエイティブ人材を必要とする企業にもインタビューを繰り返し、彼らがどのような評価をしているのか、クリエイターのどんな情報を見たいのかを抽出し、ポートフォリオに掲載できるようにしました。
これまで言語化がうまくできなかったクリエイターも、画面に従って入力していくだけで、「世の中に伝わる」ポートフォリオが出来上がります。
「すぐれた作品があるのに、仕事につながらない……」
「転職を考えているが、どんな見せ方をしたら良いかわからない……」
そんな悩みを抱えている、"現代版ゴッホ"のみなさんにぜひ使っていただきたいサービスです。
クリエイティブ作品の言語化のためのポートフォリオサービス「FOLLY」の詳細はこちら
編集:Artrigger