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リフさえ作れなかったサラリーマンが実践した作曲で大切なたった2つのこと。

どうもこんにちは。ニュアンス王子です。

皆さんはいかがお過ごしでしょうか。私は長期休みをもらい、ずっとぼーっとしていました。笑

普段、働きながら作曲をしていると、仕事が忙しくてアイデアがなかなか出てこないときありますよね。
そんなときは何もしない余白を作ってあげるのが大切だってばあちゃんが言ってました(誰)
最近は仕事が深夜に及んだ後、動画作ったりとかミックスしたりとかいろんな調整をしたり、色々しんどかったのでゆっくり休みました。笑

本題に入ります。
今日は作曲をする上で大切なことを忘れないうちにノートに書いていきたいと思います。

このページを見ていただいている方は作曲に何かしら挑戦したことがある方だと思うので、巷で溢れているテクニックや心構えについては省略します。
断りを入れておくと、僕はDTM作曲の学校(バークリー式)に1年間通っていたので、ある程度、的を得たことは言及できると思います。

ちなみに、この記事はスタジオミュージシャンの方にもぜひ読んでもらいたい記事です。
テクニックから一旦離れて、クライアントから提示された曲に合うフレーズを引き出すにはどうすれば良いか。それは作編曲家がどんな思いで作編曲に立ち向かっているのかを知ることです。大きなヒントになると思います。
それでは進めていきましょう。


①プロの作編曲に近づける一番の近道は「音を言語化する」こと。

結論から申し上げると、
作編曲が上手くなるための方法はズバリ、『音楽を言語化しながら分析すること』です!!

…?
抽象的すぎて意味わかんないですよね。笑
そう言われても仕方ないと思います。笑

しかし、僕がオリジナルのフルコーラス曲を4日で仕上げられるようになった秘訣は間違いなくこれを徹底的に叩き込んだからだと自信を持って言えます。

それでは「音を言語化すること」とは一体どういうことなのか?

作曲者は、無意識のうちに言葉で表現しづらい感情を音で表現しています。
(これは作詞家の仰木日向さんが著書「作詞少女~詞をなめてた私が知った8つの技術と勇気の話~」で描いた一説です。)
これは逆説的には、感情を文章や絵、演劇よりも、音楽として表現することが得意だから作曲家をしている、とも取れます。

この前提に基づいて、素人が音楽表現のプロである作編曲家に近づくにはどうすれば良いか具体的に考えてみましょう。



どうですか?結論は出ましたか?



私は以下2点

①曲の感想を言葉で記し、

②その音楽的要因(メロディの動き、各楽器の音色、楽曲構成、スケールやフレーズ等)を洗い出し、読み解いていく

に答えがあるという結論に至りました。作編曲家の頭の中を読み解いていくんですね。

まだまだ抽象的だと思うので、具体的な例に基づいて、話していきましょう。

②星野源―「不思議」を分析。


以下に星野源さんの「不思議」という曲をあげます。
取り上げた理由は純粋にいい歌だなと思ったからです。笑
この曲はTBS系火曜ドラマ 『着飾る恋には理由があって』主題歌で、星野源自身が「自分にとってのラブソング」ってなんだろうという想いから作り上げた曲みたいです。

この曲を聴いた私個人の感想は、3つの要素に分けられます。
① 浮遊感
② 身体が勝手に躍ってしまうミドルテンポグルーヴ
③ それでいて落ち着く曲調

次に、それぞれ要素について、なぜそう感じるのかの音楽的要因を分析していきます。

① 浮遊感について
⇨途中でさりげない転調する。(捉え方にもよるが、4度転調が入っている。)
⇨ピアノの音にコーラスがかかっていて、90年代のシティポップ、ソウル感が感じられる。
⇨イントロやサビなどでmoogシンセ等フワフワ、キラキラしているシンセの音が入っている。曲に奥行きや広がりが出ている。

② 身体が勝手に躍ってしまうミドルテンポグルーヴ
⇨8ビートをシャッフル気味で叩いているが、ハイハットは16分で刻んでいるため、リズムに繊細さが出ている。
⇨電子ドラムのような音もサビで入ってきている。
⇨全楽器でのユニゾンフレーズのキメなどが途中で入り、ソウルのグルーヴが感じられる。
⇨ギターのオブリカッティングがドラムのハイハットのグルーヴをブーストしている。
⇨ベースラインが音数が少なくメロディアス、コードの構成音もしっかり入っており、メロウだけどグルーヴィーになっている。


③ それでいて落ち着く曲調
⇨星野源が得意とするあまり高すぎない音域で歌っており、ハモリも字ハモ(主旋律の歌詞のハモリ、)のみでボーカルが曲の雰囲気にマッチし、透明感が増している。
⇨派手なソロや無駄な間奏がなく、歌をしっかり聴かせるアレンジとなっている。
(サビ後はいきなりDメロに入って、そのまますぐサビ。)

ざっとまとめると、こんなかんじになります。
皆さんそれぞれ、他にも感じる部分があると思います。ぜひご自身の言葉で音楽的要素を書き出してみて下さい。

③「音楽理論」は「音楽を言語化した後に溢れ出る疑問を解消するため」に学習するものである。

ここまで分析したら「浮遊感があるけど、グルーヴィーで落ち着く不思議な曲」という部分を言語化することには成功しました。


しかし、本番はここからです。
作編曲スキルを上げていくためには、これらの要素を自分の中に取り込んでいかないといけません。
以下にそれぞれ要素をマスターする上で必要な知識を考えていきます。

① 浮遊感について
転調の知識(コード理論)
シンセ、ピアノの音作り

② 身体が勝手に躍ってしまうミドルテンポグルーヴ
ドラムの知識(シャッフルビートの構造、R &Bで使われるドラムパターンの採譜)

③ それでいて落ち着く曲調
コーラスの知識(メロとコード進行に対する和声付)
曲展開の知識(AメロBメロとかの構成の引き出し)

ざっとこんな感じになります。

ここまで問題意識を明確化してやっと、音楽理論を勉強する価値が出てきます。
音楽理論を学ぶ人は、「こういう表現がしたい!」というところが出発点ではなく、音楽理論しらなきゃ曲作れない、とりあえず学んでおけば良いだろう。ぐらいの感覚の人が多いと思います。
実際、ここまで固まっていない人はDTMスクールを途中でやめたり、学びきったとしても曲の完成度が高くないことが多いようです。(DTMスクール講師体験談)

というか、それは至極同然のことで、音楽理論にもいろんな種類がありますから、目指す音楽が違うと学ぶ内容の比重も変わってきます。
ハードロックがやりたいのに、ジャズ理論の勉強をしたりするのなんか違いますよね??劇伴とか映像音楽やらないのに、モードの勉強に力を入れても、ポピュラー音楽の分野ではそれほど役に立たないのが良い例で、とにかく自分が表現したい音楽を明瞭化し、自分に足りない音楽表現知識や技術を知ることがまず大事なのです。モチベーションの維持にもつながってきます。


④最後に

今日は作編曲をするには、まず表現したい音楽の音楽的要素を言語化、分析し、自分の好みを把握することが大事だという話をしました。

ただ、「こんなめんどくせえ作業やってられるか」という気持ち非常によくわかります。
ましてや働きながら作曲していると尚更。

そこで、次回はこれらのアナライズをより順序よく効率的にやる方法をお教えします。私がよく使っているフレームワークをご紹介します。
お楽しみに。


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