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【1年間で50】展覧会に行った動機を分析してみた

 2019年は、ひたすら美術館に足を運んだ1年だった。
 焦燥感に突き動かされ、気づけば訪問した展覧会は50に上る。1週間に1回のペースである。
 なぜ各展覧会に行ったのか。その動機を振り返り、分析してみたいと思う。

《2019年に行った展覧会50》

 具体的に行ったところは以下の通り。
1東京国立博物館 特別展 三国志
2国立新美術館 クリスチャン・ボルタンスキー展
3同 話しているのは誰? 現代美術に潜む文学
4森美術館 塩田千春展 魂がふるえる
5同 バスキア展
6同 PIXARのひみつ展
7パナソニック汐留美術館 ラウル・デュフィ展
8同 ルオーとジャコメ~複製されるイメージ~
9富士フィルムフォトサロン東京 田頭真理子写真展 夢えっと
10同 アフリカ、胎動する大陸
11同 山下いくよ写真展
12フジフィルムスクエア 写真歴史博物館 企画写真展 鹿島清兵衛物語
1321_21 DESIGN SIGHT 虫展 デザインのお手本
14同 TUKU IHO 受け継がれるレガシー
15ペロタン東京 EMILY MAE SMITH個展
16WAKO WORKS OF ART ミリアム・カーン 美しすぎることへの不安
17オオタファインアーツ マリア・ファーラ「Too late to turn back now」
18京都国立博物館 佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美
19京都国立近代美術館 円山応挙から近代京都画壇へ
20京都文化博物館 横山華山展
21同 洛陽三十三所4―信仰のかたち―
22福田美術館 福美コレクション展
23何必館・京都現代美術館 時代の証言者MARC RIBOUD展
24京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA 複眼と対称のノード
25同 ぼくらとみんなは生きている5 〜持続可能な愛のステージ〜
26美術館「えき」KYOTO 京都市美術館所蔵品展 動物パラダイス
27京都精華大学kara-S 巻田はるか個展
28国立国際美術館 ジャコメッティとⅡ
29同 ウィーン・モダン クリムト、シーレ、世紀末への道
30大阪市立美術館 オーバリン大学アレン・メモリアル美術館所蔵 浮世絵コレクション
31同 油絵祭り2019―静かに成長する洋画コレクション―
32大阪市立東洋陶磁美術館 フィンランド陶芸 芸術家たちのユートピア
33あべのハルカス美術館 ギュスターヴ・モロー展 サロメと宿命の女たち
34大阪浮世絵美術館 歌川広重 東海道五拾三次展
35大丸心斎橋店 北館14階イベントホール トムとジェリー展
36大阪大学総合学術博物館 四國五郎展~シベリアからヒロシマへ~
37同 佐治敬三”百面相”
38逸翁美術館 青と赤の煌めき 美術工芸品を彩る色の世界
39ART COCKTAIL  RAINBOW WAVE
40GALLERY H.O.T 巌佐純子展―Link―
41天野画廊 李先鍾'展'
42ondo gallery 「祈りの断層」藤川さき個展
43LADS GALLERY 山本恵作品展
44マサゴ画廊 木村正紀油彩展
45ギャラリー白 日田直希展
46同 竹田恵子展
47同 山内亮展
48浜崎健立現代美術館 究極の絵画展
49伊丹市立美術館・工芸センター ルート・ブリュック 蝶の軌跡
50大分県立美術館 岡本太郎展

《その展覧会に行った動機》

・公立美術館や規模の大きい美術館の展覧会
 こういうところは、よほど興味が無い場合を除いて行くようにしている。基本を押さえておきたいというのもあるし、キャンパスメンバーで安く鑑賞できるのも大きな理由である。国立国際美術館、大阪市立美術館などが該当する。

・以前行ってよかったところをリピート
 「ここの展示なら間違いない」という信頼関係が出来ているので、全く知らない作家であっても迷わず行く。森美術館、京都文化博物館が該当する。

・展覧会そのものに惹かれた
 至極明快な理由。チラシ・ポスターやネットで展覧会の情報を得て、面白そうだと思ったから行った、というものである。もっとも、面白そうだと思っても実際に行ったものと行かなかったものに分けられる。両者の違いは交通アクセスだ。遠方の展覧会は行きたくても行けないことが多かった。また、公共交通機関からのアクセスが極端に悪いところも忌避してしまった。だが、どうしても行きたいと思わされれば多少の不便さは許容できた。美術館「えき」KYOTO、何必館・京都現代美術館などが該当する。

・新しくオープンしたところ
 2019年に開館した美術館があると知ったので、せっかくなので行ってみようという発想。話題性があると興味をもちやすい。福田美術館が該当する。

・SNSで話題になっていた
 人間は単純である。SNSで話題になっている展覧会には行きたくなってしまうものだ。森美術館、トムとジェリー展が該当する。

 これからは写真撮影OK&SNS共有OKの展覧会が増えていくと思う。森美術館がその筆頭である。森美術館では可能な限り作品を撮影可能にすることで、来館者1人1人をメディア化することに成功している。実際、塩田千春展でもバスキア展でも館内は満員で、写真を撮影する人が多くいた。

・LINEオープンチャットで薦めてもらった
  2019年8月よりサービスを開始したLINEオープンチャット。共通の趣味を持つ者同士で匿名で交流できる。私は、美術好きが集まるオープンチャットに参加している。夏に東京に行く用事があったので、東京ギャラリー巡りをすることにした。グーグルマップでギャラリーの所在地を調べたところ、数が多いのは銀座かなと思ったので、当初は銀座巡りになる予定だった。だが、オープンチャットで東京のアートスポットについて尋ねたところ、六本木のギャラリーのほうが目新しいものがみられるとのことだった。また、他の人が六本木の個展の写真をアップしていたのもあり、六本木アート巡りをすることにした。この理由は既出のSNSにおける話題性と似ているかもしれない。

・ついで
 ついでにも2種類ある。1つ目は、目当ての展覧会と同じ館内でやっていたので、というもの。PIXARのひみつ展、洛陽三十三所4―信仰のかたち―などが該当する。もう1つのついでは、小規模のギャラリーが密集しているから、どうせなら全部回っちゃおう、というもの。六本木や中之島エリアのギャラリーが該当する。どちらも文化的な街として認識されている。

《まとめ》

 2019年は50の展覧会に行ったが、訪問動機はいくつかに集約することができた。まず、展覧会自体の良さ。コンテンツが良くなければ行こうと思わない。しかし、いくらモノが良くても情報がなければ訪問に至らない。広告も重要である。現代では、SNSや個人による宣伝のウェイトが増えていることが、私自身の経験からも推測できた。その展覧会の満足度が高ければ、美術館のリピートにつながる。「またあの美術館に行きたい」と思えば、自分から情報をつかむようになる。
 美術館の立場からみると、やはり広告でいかに成功するかが重要だと分かった。個人の立場からみても、広告、特にSNSを用いた広告は重要だと思う。私は、今はまだ知らない展覧会を、楽に知りたいと思っている。SNSを使ってるだけで湯水のごとく展覧会情報が流れてくれれば大変ありがたい。

 

 

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いくみん
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