離婚への準備と弁護士相談
離婚を決意した私は、まず弁護士に相談することにした。電話で予約を取り、翌週には初めての相談が始まった。弁護士は穏やかな女性で、私の話を丁寧に聞きながら、冷静かつ的確なアドバイスをしてくれた。
「離婚は感情的なものだけではなく、法的にも多くの問題があります。特にお子さんがいる場合、養育費や親権、今後の生活費についても考えなければいけません。まずは悠斗さんとしっかり話し合うことが必要です」と彼女は言った。
私は、悠斗と話すことに不安を感じていた。彼が冷静に話し合いに応じてくれるかどうか、まだ確信が持てなかったからだ。しかし、弁護士の言葉に背中を押され、少しでも前に進まなければいけないと感じた。
「まず、離婚するためにどんなステップが必要ですか?」と私は尋ねた。
「最初に話し合いで決めなければならないのは、以下の点です。親権、養育費、財産分与、そして住まいの問題です。特にお子さんの将来を第一に考えつつ、あなた自身が無理のない生活を送れるよう、しっかりと取り決めをしましょう」と彼女は説明してくれた。
弁護士のアドバイスに従い、私はまず悠斗との話し合いの準備を進めることにした。母にも相談し、具体的な要求をリストアップして、どんな形で話を進めればいいのかを考えた。例えば、美奈の親権は当然私が持つべきだと思っていたが、悠斗がどう考えているのかが不安だった。また、今住んでいるマンションは賃貸で、私はこのままここに住み続けたいと考えていたが、それも彼との話し合い次第だった。
夜、私は勇気を振り絞って、リビングで悠斗と向き合った。
「私たち、具体的にどう進めるか話し合いたいと思ってる」と私は言った。
彼は無表情だったが、しばらくの沈黙の後、うなずいた。「わかった。話そう」
話し合いと現実の壁
私たちの話し合いは、予想以上に冷静に進んだ。まず、親権についてだ。美奈の親権は私が持つべきだと、悠斗も同意してくれた。それが一番重要だったので、その点で衝突がなかったことに私は安心した。
次に養育費について。弁護士に聞いていた金額をもとに、月々の養育費を提示した。悠斗は、額について少し驚いた様子だったが、しばらく考えた後「分かった」と受け入れてくれた。しかし、彼の表情からは、彼自身の経済的な負担も重いものになることを察していた。今後の生活が彼にとっても厳しいものになることを考えると、私は少し心が痛んだ。
「それと、住まいについてだけど、私はこのマンションに住み続けたい。美奈も環境が変わらないほうがいいと思うし、引っ越しは大変だから」と私が言うと、悠斗は少し眉をひそめた。
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