離婚物語４揺れる決断

それから数週間が過ぎた。私は、以前よりも少しだけ冷静に物事を考えられるようになっていた。母と話して以来、離婚という選択肢を頭に入れながらも、毎日の生活は何とか「いつも通り」に回していた。

悠斗との関係は相変わらずだ。無関心な態度、短い会話、どこか遠くを見つめる彼。私は、もう彼との関係修復を期待していないことに気づいていた。ただ、美奈のために、そして自分のために、どうすれば最善かを考えようとしていた。

「ママ、今日はパパ遅い？」と、ある日美奈が夕飯を食べながら聞いてきた。

「そうね、きっと遅くなるわ」と私は答える。

美奈は何も言わずにコクンとうなずいたが、その表情に少しの寂しさがにじんでいるのを感じた。彼女はまだ小さいけれど、家の中で起こっていることを敏感に感じ取っているのだろう。私たち夫婦の距離が広がっていること、美奈の中に何かしらの不安を生み出しているのかもしれない。

それが私の胸に痛みを与えた。どうすれば美奈にとって一番良い環境を作れるのだろうか。私が一人で育てていくことが、彼女にどんな影響を与えるのか。その不安は消えない。

しかし、ある日、私は予期せぬ瞬間に気づかされた。