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炎撮影とスチールウール撮影
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炎撮影。甘美な響きですよね。
関東では現在、Maaさんのスタジオ(https://twitter.com/maastudiogray)やコスナビさんのイベント程度でしか撮ることが出来ない。
スタジオのオーナーのMaaさんとお話をしたら、結構撮れない人が多いという事なので少しまとめてみたいと思います。
基本的な撮影情報
基本的な炎撮影の光量のお話から。
露出計を使ったことの無い人には分かりにくいかもしれませんが、構わずすすめます。
炎の光量自体はf/2.0~f/4.0(1/250 ISO-100)もあります。
つまりシャッター速度1/60程度で撮るならISO-100で十分f/8.0撮影ができるという事です。
ISO-200や400を許容するなら余裕と言えますね。
でもね。余裕じゃん!とか思っていると、これが結構な落とし穴になる。
炎撮影をするということは、ストロボ機器を隣接した場所に置けない状況になるわけですわ。
最低でも3mくらいはライトスタンドを離す羽目になる。
で、そこで最低3m離れた距離からf/8.0の光量を叩き出すというのが結構意外に大変な作業になる。
クリップオンの光量は至近距離でf/22.0程度だったりします。
そうなると3mではソフトボックスをかませてフル発光でもf/5.6程度を出すのも難しい。
そして炎は揺らめくf/4.0の光源であるという事実。
炎の模様などが被写体に入ってしまう事が多々ある。
それを打ち消さないと行けない。
まぁ最近のカメラマンはAD200以上のパワーを持っているので問題ないと思われます。
(クリップオンなら置き場所にもよるけど1/2~フル発光を覚悟することになるわけですが)
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でまぁそんなわけで、普通の炎撮影は意外と雑把に撮れるわけです。
炎自体がf/4.0もあるわけですから。
それ以上の光量をぶちこめば、炎の揺らぎ被りとか打ち消せますしね。
シャッター速度も1/60~1/250まで使える事を考えると手持ちでも十分に撮影が出来る。
スチールウール撮影の準備
ではいよいよスチールウールの話題に行きましょう。
まずは準備から。
スチールウールは、スチールウールと言われるたわしを燃やして撮影する炎の特殊撮影の事です。
まずは用意するものから。
1.スチールウール(当たり前)
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ダイソーにうってます。12個もはいってるけど、2個ずつ使いたい。
一袋6回分ですね。
2.泡だて器
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これもダイソーで100円で売ってます。カラビナ(100円)を付けておくと便利よ。
3.振り回すワイヤー紐
これが一番重要。ダイソーのソフトワイヤーでも十分に用途を成すのだけれども、素手でやると指の皮がズル剥けます。
高速で振り回すので皮膚が確実に耐えられません。
そこでワイヤー縄跳びを購入します。
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これなら確実に安全に扱えます。
これを組み合わせて作ります。
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具体的なスチールウール撮影方法
MaaStudioのまーさんが「やりたいって言う人は結構いるけど皆ダメでね。アーサーさんしか撮れないよ」と言われてしまったので、この原稿を書く気になったんですが色々まとめて考えているうちに複数の技術を使わないと行けないんじゃないかと思い始めましたわ(をい
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1.基本情報
スチールウールはそのままで燃えます。
バーナーで点火するだけでOK。
灯油とかは付けなくて大丈夫です。
2.カメラの設定
スチールウールのはいったワイヤーを振り回してその光軌跡やスチール鉄粉の動きを撮るわけですが、その動きを撮るためには半径1mの円で回転させて一周する秒数のシャッターを開かなければいけません。
だいたい一周0.3秒です。
つまりシャッター速度は1/3程度。
ここ、かなり重要です。
ISO上げても駄目ヨ。純粋に秒数が必要な問題ですから。
スチールウールは、動きの軌跡なので、シャッター速度を上げても下げても光量はあまり変わらないという特性があります。
※SSでは光線が長くなるか短くなるかだけで光量は変わらないという事です。
さっきまで炎撮影はシャッター速度が自由だったのに比べるといきなり難易度が上がるわけですね。
この時点で手持ちはほぼ不可能になります。
三脚を立てましょう。
ここまでの撮り方で基本的なスチールウール自体は撮ることが出来ます。
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▲ストロボは一灯のみ。範囲を絞って被写体の顔あたりに照射しています。
複合要素撮影
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