【北海道開拓の思い出】#17 黒部ダム
しばらくして黒部ダムを見に行こうということになったが、巳之助叔父さんがとても子供は歩いて行かれないと云う。父は何里あるのかと聞き、そのくらいなら大丈夫だと云って私も連れて行ってもらえる事になった。10月の朝まだ薄暗いうちに巳之助おじさんと父と私と3人で歩いた。途中、何という名の水だ、これは何という冷水だと云ってずいぶん歩いた。そして着いたところが有名な黒部ダムだ。その大きさは書いて説明できるものでない。その時はまだ黒部ダムだった。黒四は終戦後、昭和30年の後だ。
有名な黒部ダムまで歩いて見に行って来て、帰ってきたら叔母さんがお萩を作っておいてくださった。それも大きなお萩で、今でもあのお萩のおいしかったのは忘れられない。巳之助おじさんは私をとても可愛がってくださった。
もうずいぶん遊んでいたころに、光姉から早く帰って来るようにと手紙が来た。ちょうど一か月富山にいた。