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【北海道開拓の思い出】#3 大雨の避難

私が5歳くらいの昭和12年。ものすごい雨が降った。光(みつ)姉ちゃんが学校から帰ってくるのを待って、妹の恵美ちゃんは母がおんぶして、姉、私は絶対離れるなと云われ、高い場所にある古屋敷さんの家まで避難した。

とにかくものすごい雨で、高い場所の古屋敷さんまで一キロくらいはあったと思う。その道路が大川の様に流れる水の中を恵美ちゃんをおんぶした母に、姉と私が夢中になってつかまって、絶対手を離すなと言われて登って行った。

ようやく辿り着いた、いつも遊びに行ったり来たりしていた古屋敷さんの家も、天井から雨漏りで座るところがなく、どこもお風呂の中に立っているようなのが数時間。どのくらいの時間、そうしていたのかわからないが、その事は今だ忘れられない。

雨が晴れて低ぼうの我が家へ帰ったら、すっかり大川が変わってしまい、大きな木や丸太が家の前に山積みになり、市街がぜんぜん見えなくなっていた。昭和12年の何月かわからないが、私はその時まだ学校に入ってなかった。もちろん兄姉も学校へも行かれなかった。

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