On Spec??
さて、今回のお題であるOn Specについてですが、これは僕が以前お話を頂いた絵本の仕事にまつわる話です。
話の経緯
このお話を頂いたのは、イギリスの出版社からでした。イギリスはアメリカと比べるとアドバンス(契約金)が低いのはその当時から聞いていたのですが、この出版社は僕も前から知っていて、僕の好きなイラストレーターさんも何人かこの出版社から絵本を出していたので、詳しくお話を聞きました。
詳しくプロジェクトの内容についてはお話しできないのですが、概要としては、有名詩人、Emily Dickinson、の名作を絵本にするということでした。
本の製本の方法も特別な方法で、環境に配慮した持続可能な方法(Sustanable Way)での製本をするというものでした。出版するマーケットによって、それぞれの国、地域で100%再生紙を使い印刷し、購入代金の何%かは環境団体に寄付されるというものでした。この製本方法に関しては、昨年出版した本で初めて試み、それが結構な数売れたそうで、また今回新たに試みたいということでした。
基本的に絵本の仕事依頼がある場合、
絵本の内容の説明、アドバンスの額、納品日
が最初に提示されるのですが、今回の場合は違いました。
最初に依頼をもらった段階では、そのプロジェクト自体は”Proposal(提案)”の段階ということでした。つまり、絵本の制作に移るためには、
”このイラストレーターの絵でこういう形でこの詩を元に絵本を作りたい!”
というのを編集者がセールスやマーケティング部の人たちにプレゼンをして、Green Light、いわゆるGOサインをもらう必要があるということです。このプレゼンでは、この絵本は売れる見込みがあるのか、どこ(世界中なのかある国限定なのか)で出版するのか、出版コストはいくらか、などを詰めていくという感じです。
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