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evolve

英語で『私はちょっと進化した』
I evolved myself a little って言っていいの?


慶子さん、こんにちは!

今日はevolveという単語についての質問です。
これは、学術的な意味ではなく、日本語で使用するように
私も少しは進化した!
 I evolved myself a little

~みたいな感じで使ってもいいのかしら。
また、少しはね、みたいなニュアンスって
こんな感じでもいいのでしょうか。
日本語のように、隠喩的な表現を英語で使う時の注意などあったら
(そんなの言い出せば無数にありそうですが)
慶子さんが今なんとなく頭に浮かんだことだけでいいので
ぜひ聞かせてもらえたら嬉しいです。
今日も良い一日でありますように!
藍子より


evolveは予期せぬ進化のイメージ


あいちゃんへ

写真の猫たちは恐らく同じ色と柄の親子(兄弟?)で
個体としては別々なのでしょうけど
お猿さんから徐々に直立二足歩行となり
ヒトに進化(evolve)する過程を表した図(画像はイメージ)を彷彿とさせる
ニャンとも可愛い構図です♡

スクリーンショット 2020-04-22 13.17.17


さて、evolveという単語ですが
昨日お話ししたelaborate(手の込んだ)という単語が
意図的に複雑で手の込んだものを作ったニュアンスであるのとは対照的に
evolveは周りの環境などによって意図せぬ
(もともと計画していた訳ではない)変化が
徐々に起こったような場合に使われることが多い印象
です。
(あくまで私の個人的意見)。
意図的な変化を起こす意味でも使われることもありすが
その場合も少しずつ変化をさせていって
違うものに変容させるようなイメージ
かな。

elaborateについての記事はこちら(ねこ鍋♡)

日本語の「進化」には前向きな意味があるのかもしれない


I evolved myself a little(私も少しは進化した)って
面白いなと思いました。
何が面白いかというと、日本語では全く違和感ない文章なのに
英語でこういう意味のことを言おうと思ったら
私だったら「improve」とか「grow」とか
場合によっては「develop」や「learn」とかっていう単語を
使いたくなるな、と思ったの。

そう考えると日本語の「進化」という言葉の使われ方も面白いですね。
日本語の「進化」という言葉には前向きな変化の意味が込められているように感じます。
(「成長」に近いのかな?・・・と私は思うのだけど、どうかしら?)
それに対して英語の"evolve" は必ずしも前向きな変化・変容という意味だけで使われないこともあるかも。

“I evolved myself a little“のイメージは…


もちろん、“I evolved myself a little“も間違いではありません。
もし私があいちゃんから ”I evolved myself”と言われたら
ある程度長い時間をかけて、1日単位では気づかないけど
1年後に振り返ったら「そういえば、あいちゃん変わったよね〜!」
みたいな変化を遂げていったと解釈するかな。
なので、言いたいことによって選ぶ単語も変わってくるんだろうね。
(ここでは「どんな進化を、どんな経緯で遂げたのか」など)

少しはね、と言いたかったら…

でも、「a little」(少しは)の部分を強調したかったら
やっぱり上に書いたようなevolve以外の言葉を選ぶかな〜。
なんてったってevolveの名詞形evolutionはre-をつけたら
revolution(革命)だもんねぇ。
なんか結構大きな変化っぽいよねぇ。

言葉に対する感覚が人によって違うからこそ
相手が違和感を持たない言葉を選びたい

私が通訳学校に通っていた頃に先生から
語感(言葉に対する感覚)は人によって違う
相手が違和感を持たない言葉を選ぶのもプロとしては大切な心構え」
と言われて「へー」と思ったことがあります。

確かに、通訳の仕事をしていると業界によって同じ単語でも違うニュアンス(時には意味も)で使われていていることも多いですし
あとは言葉に対するイメージって個人差もあると感じます。
お互いが持つ言葉へのイメージが微妙にズレていて
奇妙な思い違いが生まれたりすることって日本語でもありますよね(汗)

何を言おうとしているのか
言葉以外のところで判断することも多い

更には、和製英語に至っては、元々の意味やニュアンスから
かなり違って使われていることも多いですよね。
通訳の仕事を始めたばかりの頃、金融アナリストの取材通訳で
日本人の事業会社の方が業績の説明をする時に
「アゲインスト」という言葉を連発しながら熱弁をふるっていて
意味が分からなくてポカーンとしてしまったことがあります。
(さぞかしマヌケな通訳を連れてきたと思われたことでしょう。。。)
話を聞いているうちに「事業環境が厳しい」という意味で「アゲインスト」を使っているのだと気付いたのですが
最初は全然理解できなくて「何の話?」って感じでした。
あの頃は通訳としての想像力もキャパも全然足りていなかったですねぇ。
今ならもう少し早く理解できるかな〜?
20年もやっているのだから、私の通訳能力も少しは”evolve”(進化)したと思いたいです。(笑)
そして、今では「アゲインスト」という和製英語も市民権を得たというか
少なくとも聞いてビックリすることはなくなりました。
(相変わらず違和感はありますが・・・)

気になる言葉の使われ方を観察してみよう!

ちょっと話が逸れてしまいましたが・・・。
どんな時にどの言葉が適切なのかというのは
絶対的な正解があるというより
人によっても状況によっても違ったりするので
気になる言葉があったらアンテナを立てて
会話や文章の中でどんな風に使われているのかを観察しながら
言葉が持つ雰囲気みたいなものを発見していくと楽しいかも。

それでは、またね〜

慶子

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