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consciousとmind

慶子さん、こんにちは!
今日は、consciousという単語について質問です。
この言葉は、時々聴きますし、学校の先生のメールにも出てきますが
私の中では、ちょっと敷居が高いというか
まだ使うのに勇気が出ない言葉です笑
気にする、という言葉を使う時
mindと、conscious、どのようなイメージの違いがありますか?
教えていただけたら嬉しいです。
今日も素敵な一日でありますように!
藍子 拝

追伸 写真は何かを気にしている猫ちゃんです!
まん丸のおめめが益々可愛いですね♡

consciousという言葉

あいちゃん、こんにちは!

consciousという言葉は「意識する」とか「気づきのある状態」を表す言葉です。病状で意識があるとか、ないとかというのもconscious(意識がある)や、否定を示す接頭辞のun-をつけてunconscious(意識がない)と表現したりします。

「うっかり」とか「つい」(意識していない或いは、深く考えていない状態)を表現するときにも、unconsciouslyという言葉を使ったりしますね。


good question!…の真意

そして、consciousとmindはどう違うか?

good question!余談ですが、英語で「good question!」って良く言います。直訳すると「良い質問」。
でも、英語でgood questionという時は、答え難い質問をされて、「痛いとこ突くね〜(汗)」みたいなニュアンスのことが多いです。そして、このたび私が「good question」を使うのも、そのニュアンス・・・つまり答えに苦しんでいる訳です(汗)

Mindはどこにあるの?

実は私は、このmindという言葉に迷子状態に陥ったことがあります。辛かったです(苦笑)

mindという言葉、日本語の会話でも「オープンマインド」や「マインドセット」などという言葉をよく聞きます。比較的馴染みのある英単語です。「ドンマイ!」という言葉は、”Don’t mind” (気にないで!)という英語の略ですね。

辞書で調べるとmind=「心」という訳が出てきます。

心というものが、人間の体のどこにあるのかは知りません。でも、もしも「心はどこ?」と聞かれたら、殆どの人は胸のあたり、心臓がある近辺を思うのではないでしょうか。実際に「心から」とか、「心に・・・」と言うときに胸に手を置く人も多いです。

心臓は英語でheart。そして、heartは「心」と訳すとしっくりくることが多い。 そして「心」は言葉の通り、心臓があるあたりに存在する感じがします。


では、mindはどこにあって、なんと訳したらいいんでしょう?

実はあるとき、mindを「心」と訳すと、どうにも不都合なことがあることに気づきました。

とある心理学系の講座で通訳をした時のこと。このとき、講師の先生(アメリカ人)は明らかにheartとmindを使い分けていて、heartは「心」と訳すとしっくりくるものの、mindはもう少し「思考」に近いニュアンスだったんですね。

ここでmindを何と訳すか?

困りました・・(汗)

幸いなことに、この日は朝から夕方までの長い講座だったので、お昼の休憩時間に講師の先生をランチに連れ出し、ガッツリ聞いてみることにしました。

「heart、mindというときに、それぞれの言葉をどういう意味で使っているのか説明して欲しい」と言う私に、講師の先生は最初とても困惑してました。 

そりゃそうです。使い慣れた言葉ほど、普通は定義など深く考えないものですよね。

それでも、「通訳が混乱していたら聞いている人はもっと分からない。受講者の人たちにキチンと理解してもらうために私は理解する必要がある」と、しつこく食い下がって懇願(脅し?)する私に、その先生は一緒に言葉の意味を考えてくれました。

ランチを食べながら、二人でああでもない、こうでもないと話し合ってみると、「heart」の方は、日本語の「心」という言葉とほぼ同義語であることが確認できました。一方の「mind」は何とも定義が難しい。

そこで、私が「mind」は体のどこにあるの?と聞いてみたところ、「うーん」と唸った後に、その先生は自分の頭を指しました(!)

でも、brain(脳)じゃないんだよね?と確認すると、「脳ではない」でも、heartよりは頭に近い、とのこと。

結局そのときは、先生と相談した結果、講座の中ではmindは「頭」と訳すことで落ち着きました。


でも、これはmindは「心」より「頭」と訳す方が正解ということではなく、その状況で伝えたいことを伝えるためには、それがベストであったという話です。

それ以来、アンテナを立ててmindという言葉が出てくると、どんなニュアンスで使われているのか観察しているのですが、やっぱり文脈によって「心」「頭」「気持ち」「意識」など、しっくりくる訳語は変わります。場合によっては「マインド」とカタカナ英語で言ってしまうのが一番伝わることもあります。


あいちゃんの質問への答え

また話が大きく横道に逸れてしまいました。ごめんなさい!

想像するに、あいちゃんの学校の先生からのメールでconsciousが使われている時には「意識しておいて」とか「覚えておいて」というニュアンスで使われているのかなと思います。そういう使い方だと、mindもほぼ同じ意味ですね。mindに「再び」という意味の接頭辞re-をつけた「リマインド」という言葉は日本語の会話でも使います。

人の感覚や思考、感情を表す言葉は辞書の通りに訳してもピッタリこないことが多く、本当に、本当に、通訳していても、手探り状態、ときには迷子になることが多いです(泣)。

通訳って、こんな風に手探りしたり、迷子になったり、いろんな感覚にとらわれながら言葉や話し手が言おうとしていることを何とか掴み取ろうと、日々必死にやっている人たちです。

明確な答えがスパッと出てこなくて辛いことも沢山あるけれど、そこが言葉の面白さでもあるから飽きっぽい性格の私でも20年も続けていられるのかなぁと思います。

あいちゃんも是非、気になる言葉がある時はアンテナ張り巡らせて、どんな風に使われているか観察してみてください。やってみると、本当に結構面白い発見があるんですよ!

それでは、また明日〜

慶子



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