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「欲望のあいまいな対象」-ブニュエル最後の作品

「欲望のあいまいな対象」-ブニュエル最後の作品

CET OBSCUR OBJET DU DESIR(欲望のあいまいな対象)- ルイス・ブニュエル(Luis Buñue)

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それは、ルイス・ブニュエル(Luis Buñuel, 1900-1983/ 映画監督)の遺作でもある作品だ。

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概略 - CET OBSCUR OBJET DU DESIR

正体不明のテロ事件が頻発するセビリアの町から、パリ行きの列車に乗り込んだのは、初老のブルジョワ紳士マチュー。追いすがる女にバケツの水を掛けたマチューは、驚く乗客たちに奇妙な愛の体験談を語り始める……。姿を現すたびに表情を変え若く美しいメイドのコンチータを2人1役という史上初の試みで描いたブニュエルの遺作。
1977年製作/104分/フランス・スペイン合作 原題:CET OBSCUR OBJET DU DESIR 配給:フランス映画社

原作のピエール・ルイス(Pierre Louÿs)-「女とあやつり人形」

原作のピエール・ルイス(Pierre Louÿs,1870-1925/ベルギー生まれ、フランスの小説家・詩人)「女とあやつり人形」は過去に*4回も映画化されている人気の物語だが、ルイス・ブニュエルの手にかかると異彩が際立つのだ。

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Pierre Louÿs

(註)*「女とあやつり人形」の映画化:「新カルメン」(1920年)、「女とあやつり人形」(1929年)、「西班牙狂詩曲」(スペインきょうしきょく/The Devil Is a Woman/1935年)、「私の体に悪魔にある」(1958年)、そして、この「欲望のあいまいな対象」(1977)だ。

少し内容に触れると・・

1人のヒロイン、コンチータを二人の女優が演じる。          その二人一役を 、ヒロイン・コンチータをフランス人のキャロル・ブーケ(Carole Bouquet, 1957- /フランス-女優・モデル)とスペイン人のアンヘラ・モリーナ(Ángela Molina, 1955- /スペイン-女優)の二人の女優が演じる。
よく見ると彼女の持つ二面性で、女優が入れ替わる。全く似てない2人に演じさせるブニュエル監督の異彩は際立つ。
それは、メイドのコンチータが、「聖女」と「娼婦」の仮面を使い分ける、それは、画一的 に・・・
繰り返すが、その2人はスペイン女性とフランス人女性であり、その言語も異なるのだ。 

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列車のコンパートメントで、初老の紳士マチューが同乗者に恋物語を話して聞かせる...
若くて美しいメイドに恋をする話なのだが・・・

愛の本質はなんだろう・・

男女の双方の騙し合いが、愛なのか?愛の本質はなんだろう・・そこで、愛はループするのかも知れない。
いずれにしても、ブニュエル監督も、七十代後半での、意欲的な作品であり、問いかけかも知れない。
私の中で、繋がるのは、ルイス・ブニュエルの「銀河」にも、娼婦と聖母の同一性の様相のシーンがある。

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