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デニス・ホッパー、15年の挫折と再生のストーリーを再考する
デニス・ホッパー、15年の挫折と再生のストーリーを再考する
アメリカ映画界を代表する俳優であり、監督・・
デニス・ホッパーといえば、アメリカ映画界を代表する俳優であり、監督としても知られる存在だ。彼の名前を聞けば、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは、1969年のカルト的名作『イージー・ライダー』である。この映画は、当時のアメリカ社会の変化を象徴する作品として、映画史に刻まれている。しかし、そんな輝かしいキャリアを持つホッパーにも、長い挫折の時期があった。
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デニス・リー・ホッパー(Dennis Lee Hopper、1936 - 2010)はアメリカの俳優、映画監督、映画プロデューサー、芸術家、写真家・・。
栄光から転落へ
デニス・ホッパーは若い頃からその才能を発揮し、ジェームズ・ディーンと共演した『理由なき反抗』や『ジャイアンツ』で注目を集めた。その後、『イージー・ライダー』で監督と主演を兼任し、アカデミー賞のノミネートも果たす。この映画は低予算ながらも大ヒットを記録し、そして、ホッパーは一躍時代の寵児となった。
Easy Rider - Intro - Born to be wild!
しかし、この成功が彼の人生を狂わせるきっかけとなる。突如として訪れた名声と富、そして自由なライフスタイルに溺れたホッパーは、アルコールやドラッグに依存するようになってしまったのだ。1970年代に入ると、彼の私生活は荒れ果て、映画業界からも次第に姿を消していく。
15年間の試練
ホッパーにとって最も困難だったのは、1970年代から1980年代半ばにかけての約15年間だろう。この期間、彼は俳優としても監督としてもほとんど仕事がなくなり、当時のハリウッドから完全に疎外されてしまった。
「気難しい」「扱いにくい」といった評判が広がり、多くのプロジェクトから名前が外されることもあったと言う。-Dennis Hopper
この時期、ホッパーはメキシコなどで隠遁生活を送りながら、自分自身と向き合う時間を過ごした。
彼は後に、この時期を「人生で最も暗い時代」と振り返っている。しかし同時に、この苦難が彼を変え、再び立ち上がる力を与えたとも語っている。
再生への道
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1980年代半ば、ホッパーは心機一転、自分を見つめ直しながら復帰への道を模索する。
そして彼が完全復活を果たしたのが、1986年の映画『ブルーベルベット』-デイヴィッド・リンチ(David Lynch)監督(1986)だった。この作品で彼は狂気じみた悪役フランク・ブースを演じ、その圧倒的な存在感で再び脚光を浴びる。そこでは、ホッパーは、性格俳優(せいかくはいゆう/character actor)としての位置付けを得ていく・・。
また、同年には『カラー・オブ・マネー』でも印象的な役を演じ、再びハリウッドでその名を轟かせることに成功した。
[ Blue Velvet ] In Dreams by Roy Orbison
Dennis Hopper's Best Moments as Frank | Blue Velvet
この復帰劇は単なる偶然ではない。ホッパー自身がドラッグやアルコールを断ち切り、新たな人生を歩む決意を固めた結果でもある。彼はその後も俳優として多くの作品に出演し、監督としても活動を再開した。
人生の教訓として -Dennis Hopper
デニス・ホッパーの人生は、成功と挫折、そして再生というドラマチックな軌跡で彩られている。
彼のストーリーから学べるのは、「どんなに深い谷底に落ちても、人はそこから這い上がることができる」ということだと言われる。困難な状況に直面したとき、自分自身と向き合い、小さな一歩を積み重ねることで、新たな道が開けるのだと教えてくれる。-Dennis Hopper
ホッパーは2010年に惜しまれつつこの世を去ったが、その作品や人生哲学は今なお多くの人々に影響を与え続けている。
彼の15年にも及ぶ挫折とその後の復活劇のそれ自体が、私たちに勇気と希望を与えてくれる素晴らしい物語だからだろう・・・。
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最後に
以前にも、同様なコラムを書いてはいるが、それは映画主体のもので、人の一生は、かんたんには書けない。
そして、難解な俳優であり監督であり、アーティストだ。
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今回は、少し、読みやすくしたつもりだが・・・
末尾になったが、一節を加えると・・。
「悲しみは、その限界を思い出し、必要以上に想像しなければ、耐えられないものでも永遠のものでもありません。」
マルクス・アウレリウス(第16代ローマ皇帝)-ギリシャ語原題「Ta eis heauton」、邦訳『冥想録』VII
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