タマ
小学生の頃、犬を飼ってるのに猫を拾ってきた。
厳密に言うなら、母親が拾ってきた。
クラスメイトの間では、最近密かに有名になりつつあった黒猫の子猫で、おそらく最近生まれたんだねと言ってお菓子をあげに行く子もいた。
そんな密かな有名人、いや、有名猫を母親はある日胸元からひょっこりと出してきて、拾って来たよ〜ってウチの一員に加えた。
犬も居るのにと思いつつも、私は嬉しくて嬉しくて何日も彼の名前を必死に考えた。黒いからクロ?、友達はミッキーと呼んでたりもしたらしい。
ん〜どうしよどうしよ…
『タマ〜ご飯やで〜』
((((;゚Д゚))))))) た、たま…?!
いやいや、今考えてるところやの!変な名前で呼ばんといて!という私。分かった分かったと言いつつ、タマァ〜タマァ〜と呼ぶ母親。飼うのを渋ってた父親も、小さな弟もタマァ〜と呼ぶ。
いつしか私も諦め、まぁタマって顔に見えて来たと流されて、タマに命名。
そんなある日、脱走癖のあるタマは、ほんの一瞬のスキを付いて外の世界へ脱走成功!
私は悲しみに暮れ、たくさん探し回ったが見つからず。彼は古風な名前が嫌いだったのかもしれないし、そもそも名前なんてイヤだったのかもしれない。
元気で幸せに暮らしてるかな〜と20年近く経った今でも思ってるウチのタマ🐈⬛