変革プロジェクトを普通の人に任せる
昨日、とある方の投稿に「新規事業でも、変革プロジェクトでも、新しい取り組みを進めるプロジェクトを、変人だけに任せていたら間に合わないのです。すぐに、普通の人でも変革プロジェクトにアサインされたら、わかりましたと受けて立てる状況を作らなくてはなりません」という趣旨のコメントをした。
では、どうすればよいのかを考えるために、ちょっと、アカデミックに捉え直すということを試みた。具体的には、イノベーション普及理論を当てはめてみた。
「変人」とは「イノベーター」層と言えるだろう。イノベーター層は全体の2.5%であり、ちょっと変わったタイプの少数民族だ。この少数民族は発想力、行動力はあるのだが、組織の力を使いこなす権限を持っていない人がほとんど。それゆえ、アイデアが良くて、持ち前の行動力で動くのだが、組織を動かさなくてはならないところに来て、頓挫するケースをいくつも見てきた。
私が「普通の人」と書いたのは「アーリーアダプター」である。アーリーアダプターは、普段から、新しい情報に敏感で、よく勉強しており、イノベーターの動きもよく観察している。同時に、組織の力を使いこなせるだけの人望のある人々(職位の高低、上下に関係なく)なので、自身の影響力ゆえに、新しいことには慎重になる。だが、よく観察していて、「これはいける」「時が来た」とはら落ちすると、率先して動き出す。
では、なぜ、「普通の人」= アーリーアダプターがすぐに動き出さなくてはならないのか? 私の答は以下だ。
・変わらなくてはならないことはとっくの昔に明らか。
・イノベーター層だけで、初期PoCをやらせて、その結果を見て考えるでは、スピードとトライアル件数において、世の中の変化に全く追いつけない。
・デジタルによって、「組織戦」の度合いは、ますます、高まっている。日本の多くの大手企業は、まだまだ、「個人戦の足し算」にとどまり、「組織戦」を戦っているところは決して多くないと感じる。(誤解を避けるために補足する。かつてのカリスマ経営者の下で一枚岩にというのは組織戦ではない。それはカリスマ経営者のコピーばかりの個人戦だ。)
#変革プロジェクト #イノベーション #組織戦