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鏑木清方展 もう美しいものしか見たくない 

私がお金持ちだったら。

清方先生に美しい人の日々の生活を12か月のそれぞれに描いていただき、そうですね、大きさは自宅の床の間に飾るのですからあまり大きいものでないほうがいいですね。
でも、表層は凝ったものにしたいです。本紙の周りの地はその月の絵に合わせて選び、絵の邪魔にならない程度の日本刺繡を入れるのもいいでしょう。
少しずつ季節を先取りして床の間に掛け、花もまぁお客様のお好みもありますから、それを考えつつ庭のものをやはり私が自分で選ばないといけませんね。
主役を床の間の絵にするには、自分の着物はあまり派手にならないようにしないと。

妄想をするのは自由です。

さて、「築地明石町」「新富町」「浜町河岸」三部作が公開されるのは、「築地明石町」を近代美術館が購入した2019年以来でしょうか。
切手にもなっている有名な絵ですね。
実物を前にすると、美しい、としか言いようがない。
黒が美しい。
今まで色として、黒をこんなに気にすることはなかった気がします。
もちろん、清方先生の、青、は比類なきものと思っていました。
でも今回は黒の美しさに圧倒されました。
抹茶茶碗の底を覗き込んだような黒。(個人の感想です。)
鎌倉の鏑木清方記念美術館にはこの絵の下絵があります。
どこを大切に描かれたのかがわかるので、素人が見ても下絵はとても参考になります。
この絵の凛とした美しさに比べると、下絵のほうがちょっと可愛い印象があるので下絵のほうが展示されるときはぜひ見に行ってください。

きちんと生活をすることは美しいこと。
周りに惑わされずに自分が美しいと思ったものを描き続けた清方先生を、その作品をぜひご覧になってください。
美しいものしか見たくない気分になりますよ、きっと。

ゴールデンウイーク中は混雑するでしょうから、そして日曜美術館でも特集するので、あまりお勧めしたくはないのですが、8日に展示が終了して、京都に行ってしまいます。
東京でご覧になりたい方はお急ぎください。
(ネットでのチケット予約は便利でした。)

展示の最後に清方先生からの、そして多分展示を企画された関係者の方々からの、今のざわざわした私たちへのメッセージがあります。
それも含めてぜひ。


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