「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」本当の姿は隠されていた
「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」
行ってきました。
修復された《窓辺で手紙を読む女》をよく日本に持ってくることが出来たなぁ、開催が延期されたときは、又、カラバッジョの時みたいに中止になるんじゃないかとひやひやしましたよ。
今回の展覧会、《窓辺で手紙を読む女》が一体どういう経緯で、こんなに大胆に元の絵の印象をがらりと変えるような修復をすることになったのか、それにもとても興味がありました。
何しろ何もない壁だと思っていた場所にかなり大きなキューピッドが現れたのですから。
正直、元の絵をオリジナルと思っていた私はかなりの違和感があるほどの変化です。
簡単に言うと、1979年時点でレントゲンで下にキューピッドが隠れていることはわかっていたのですが、それは油絵ではよくあることで、作者が制作の過程で試行錯誤している様子がわかり面白いのですが、今回の場合その後古いニスをはがして修復していく過程で、キューピッドを消したのはフェルメール自身ではありえないということが分かった、ということです。
そして大規模な修復プロジェクトにより、フェルメールが制作したオリジナルの状態に戻された姿が今回の展示です。
修復の様子もかなり詳しく紹介されています。
気が遠くなるような作業。。。
顕微鏡で見ながら上塗りの絵の具をひとつづつ取り除くと、下から現れたキューピッドは非常に良い状態で残されていた!(プロジェクトXですね!)
作品は、壁の絵画による暗示、カーテン効果、窓から差し込む光の当たり方など、とてもフェルメール的な作品です。
想像していたよりは大きく(もちろん個人の感想です)、窓に映る女性の顔は実物で見るとかなりはっきりしています。
手前のカーテンのフリンジの描き方が好き!というのは私の志向の問題かもしれませんがぜひ見ていただきたい。
描かれた女性の読んでいる手紙の内容はどのようなものなのでしょうね。
作品を見た人それぞれ、ストーリーを考えてみてほしいです。
4月3日までですので、もう会期終盤ですが、私の行った金曜日はフェルメールの絵の展覧会としては混んでいませんでした。
(というか、どの展示もこのくらいの人出であってほしい。
他人のテンポで並んで絵を見なくてはならないのは正直疲れます。)
春休みが始まると今以上に混雑するかもしれないので時間指定で予約することをお勧めします。
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