霧のサンフランシスコ

  「カリフォルニアの青い空」というキャッチフレーズが旅行会社のパンフレットやテレビの番組欄を踊らせる事があるが、「カリフォルニア」と言えば、暖かくて青い空と青い海、浜辺を走るマッチョな白人男性、ビキニ姿で寝そべるキレイな白人女性といった、ステレオタイプなシーンを思い浮かべるかもしれない。実はこれはロサンゼルス周辺のビーチのこと。子供の頃からアメリカを行き来して、10代でいきなり中西部に行ったため、アメリカに対してそういうイメージはなかったが、アメリカの夏も普通にどこも熱いと思っていた。

 しかしサンフランシスコは見事にカリフォルニアのイメージを裏切った。とにかく夏は寒い!(お店で働いていた日本人に聞いたら「年中同じような気候で過ごしやすい」と言っていたが?)2000年の夏、サンフランシスコに住み始めた時、家族に泣きながら「冬服送って!」と電話した。(後で気づいたら現地で買った方が安かった。)8月頃友人が日本からやって来る時、日本は40度近くあり、「寒いから絶対ジャケット持って来てね。」と言ったが、信じてもらえなかった。結局みんなT-シャツ、ショートパンツでやって来て、着いてからその寒さに気づき、慌ててブティックやお土産屋を回ってジャケットや長いパンツなどを購入していた。今回(2014年)の取材旅行は10月に来たが日本では涼しくなって秋の気配になっていたが、サンフランシスコでは昼間は半袖でも平気な程暖かく、夜は寒い位の温度差があった。知り合いに聞くとやっぱり8月が1年で一番寒いそうだ。

 サンフランシスコはイギリスのロンドンと並ぶ霧の都。1969年にサンフランシスコの市歌になったトニー・ベネットの、I Left My Heart in San Francisco (直訳すると「サンフランシスコに心を置いて来た」)は日本語で「霧のサンフランシスコ」と訳されてヒットした。霧はサンフランシスコの市内のある半島だけにかかり、ゴールデンゲートブリッジやベイブリッジの橋の対岸の、ノースベイ、イーストベイにはほとんどかからない。それどこか夏は乾燥して暑いので、橋を渡るだけで秋から夏に季節が変わるみたいだ。電車などでベイブリッジを渡ってバークレーなどに行く時、橋の途中に霧を発生させる雲があり、霧の境目をみた。それぐらいサンフランシスコにピンポイント霧がかかる。夏の昼間は暖かい。しかし一旦霧がかかる朝方と夕方4時頃になると、いきなり影が落ちて寒くなってくる。ビルが建ち並ぶダウンタウンで、道の北と南側で日が当たったり影がかかったりする時間帯があるが、影が差している部分は、差していない側の3度から5度位は寒く感じる。服は脱いだり来たり出来るように大抵の住人はTシャツにジャケットの重ね着をしたり、OLでも半袖のドレスにジャケットを持ち歩いている。ノースリーブの人とジャケットを着ている人が同時に歩いているのを見るのは不思議だ。住んでいる時は、夕方になって困らないように大抵ジャケットを持ち歩いていたが、持ち歩くのが面倒な時は、寒くならないうちに家に帰り、ジャケットを持って出直したりしていた。日本に帰ってからもその習慣で重ね着していたので、知人に「Tシャツにジャケットってアメリカっぽい」と言われた事があった。日本の夏は夜でも蒸し暑いのでその必要がない。

 サンフランシスコでは年中涼しいので、アパートには暖房が設置されているが、冷房はついていないのが一般的。なくても暑い時でも乾燥してからっとしているので、屋内では冷房の必要性を感じた事がない。学校やオフィスでは、エアコンではなく、四角いファンが置いてある。暖房は大抵のアパートや一戸建ての部屋に、ガスが通ったパイプが窓際に設置されている。壁に備え付けなので入居する時に新たに買う必要がない。それで十分なので冷暖房に関してはエコな街だと思う。

参考サイト

wikipedia サンフランシスコ

http://ja.wikipedia.org/wiki/サンフランシスコ


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